New Drone Has No Moving Control Surfaces
制御面がまったくない新型無人機
BAE Systems' MAGMA could lead to much stealthier warplanes
BAEシステムズのMAGMAは高性能ステルス機の先駆けになるか
BAEシステムズはマンチェスター大学と共同で無人実験機の初飛行に成功した。同機には可動式制御面が皆無だ。BAEシステムズが2017年12月発表した。
全幅12フィートのジェット推進無人機はMAGMAの名称でBAEが今後開発する高性能ステルス機につながる。制御面を廃止したことで機体のレーダー探知性が大幅に減る。
ラダー、エルロン他通常の制御面を廃したMAGMAは機体制御に二つの新技術を使う。一つが主翼への排気循環で「機体エンジンの排気を主翼後縁に吹きつけ操縦制御する」とBAEシステムズは説明。
もうひとつが流動推力偏向 fluidic thrust vectoring で「空気を吹き付け偏向させて飛行方向を変える」
「こうした試行は今後の機体につながる」とMAGMA開発をマンチェスター大学でまとめたビル・クロウザーがBAEシステムズの報道資料で述べている。「目指しているのは真の意味で画期的な機体」
初飛行したMAGMAは小型垂直フィン二枚で機体を安定させている。だがフィンでレーダー探知される可能性が大で、暫定的につけているだけだ。「今後の飛行実験で全く新しい飛行制御技術を試し究極の狙いはフィンもなく可動制御面が皆無の機体として飛行させること」とBAEシステムズは説明している。
MAGMAはBAEシステムズが目指す可動制御表面がまったくないUAVとしては二番目の機体だ。2010年に同社はクランフィールド大とデーモン小型無人機を製造している。これも排気を吹き付ける機体制御を目指した。MAGMAはこの流れをくむ次の機体だ。
航空宇宙業界では機体から可動式制御面の廃止が目標で、レーダー断面積RCS縮小に加え、制御面の重量、機構の複雑さ、製造コストを省く効果が期待される。
ボーイングの研究員ジョン・ケリーが可動式制御面がステルス機開発で障害だと発見したのは1975年だった。「制御面の廃止が低RCS設計の課題だ」とケリーが社内論文で書いていた。
ケリーは表面を滑らかにした機体と可動式制御面を有する機体を比較した。表面が滑らかな機体のRCSは0.1平方フィートだったが、可動式制御面付きの機体は5平方フィートだった。
現在のステルス軍用機であるB-2、F-22、F-35は低探知性モードで制御面を管理しレーダー反射を最小限に抑える。MAGMAでBAEシステムズは制御面が少ない、さらに全くない機体の実現を目指し、ステルス効果はさらに増える。■
MAGMA初飛行の様子
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