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日米世論調査で浮き彫りになった日米国民の核兵器のとらえ方の違い

日本では核の話題になると必ず被爆者、福島と言った心情問題が先立つ傾向が日本にありますが、選択肢としていかに非効率だとしても最初から除外していたのでは現実問題に真剣に対処していると言えないでしょう。米核兵器に頼り、米国を「番犬」扱いすることがいつまでも続く保証もありません。考えてはいけない、ではなく考えられないことを考える思考空間を確保することが肝要ではないでしょうか。


Pollster: Americans Willing to See a Nuclear Armed Japan to Deter North Korea 世論調査で米国が日本核武装で北朝鮮抑止効果を期待していると判明した

North Korean KN-14 Launch on July 4, 2017. KCNA Photo

January 10, 2018 9:16 AM
国世論調査で米国人が日本を核兵器運用国にする、米核兵器を日本・韓国に配備し北朝鮮への抑止効果を期待することに前向きとわかり、調査を実施した日本側に「ショッキング」な結果になった。
 ブルッキングス研究所で言論NPOの工藤泰志代表が講演し日米同時実施した北朝鮮核危機への調査結果から自衛隊の「核兵力保有を真剣に議論」が政府内部に生まれる可能性に触れた。
 工藤代表は米国民の意見は以下の二点で日本と大きく異なるとした。安倍晋三首相がめざす憲法改正で自衛隊を合憲にすること、および日本国外での自衛隊投入だ。
 国防長官ジェイムズ・マティスは緊張の高まる中で日本と韓国に対して米の「核の傘」があるから安心と伝えている。
 まもなく長官就任後一年になるが、長官は日本の世論調査結果から核兵器保有へ前向きな意見が増えていると指摘。核兵器を受容する意見はまだ9パーセントと一般的ではないが、前回の5.1パーセントから増えている。
 質疑応答で北朝鮮に関して「非核化が多くの日本国民の唯一の選択」で、「平和的解決が最良」だが問題は北朝鮮核兵器開発や長距離弾道ミサイルテストを「どうしたら凍結できるのか」だとした。
 世論調査結果では日本では68パーセントが日本、韓国の核武装化に反対し、辛うじて過半数が米核兵器の日本あるいは朝鮮半島持ち込みに反対した。
 この調査で米国でパートナーとなったメリーランド大のシブリー・テラミShibley Telhamは日本側回答の7割が北朝鮮を核保有国と認めることに反対している点に注目。また日本では63パーセントがトランプ大統領の危機対処は極めて望ましくない、やや望ましくないと答えている。回答ではトランプが金正恩同様に世界の安全に大きな脅威だと見ている。
 日本はトランプ、あるいは米国を危機解決の多国間協議の推進の力はないと見る。言論NPOは日本成人千名、メリーランド大は米国民2千名を対象としたがともに大多数が多国間交渉で核兵器・ミサイル問題を解決すべきと考えていると判明した。
 ただしテラミは軍事力行使について米国民の意見が鋭く分かれていると指摘。共和党支持者の53パ―セントは実行オプションと考えるものの全体としての米国人で軍事行動支持は32.5パーセントにとどまった。日本ではほぼ半数がいかなる軍事行動に反対している。
 調査方法は日本では回答シートを回収したが、米国では電子メールと電話回答を使った。
 今回の合同調査および韓国国内の最近の調査とおりなら朝鮮半島の現状維持で金正恩を権力の座にとどめ、北朝鮮に核兵器保有を認め、米国は韓日両国と同盟関係を維持し、国連安保理の経済制裁を残すことがすべて続きそうだが、現在の危機状況の解決にはつながらない。
 例えば韓国の「北のいとこ」への視点は「今は大いに恐れ大いに否定的」だとリチャード・ブッシュRichard Bush(ブルッキングス研究所)は述べ、今週に始まった南北会談で冬季五輪への北朝鮮参加は実現してもそれ以外は大した成果は期待できないと加えた。「そもそも北朝鮮指導者は対話を真剣に望んでいるとは思えない」
 当日の司会進行をしたブルッキングスのマイケル・オハロランMichael O’Halloranは目標はあくまで「北朝鮮核兵器製造を凍結させること」で核兵器より広範囲を対象にし、北朝鮮には食料援助や貿易支援以上の「あまり多くを与えない」ことだと述べた。

 「米国の選択肢に軍事演習の実施回数制限があります」とし、参加兵員数や回数を軍事当局者同士で協議しながら保安体制や即応態勢には影響を与えない方法があると述べた。■

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