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大規模戦闘の課題に準備を開始した米陸軍は長期戦を覚悟

アフガニスタン、イラク等への展開が16年も続いており、米陸軍の戦力が小規模治安維持作戦に特化してしまったことに警鐘を鳴らしているのですね。


Chief: The Army has to start preparing for 'the big war'「大規模戦」対応を開始した米陸軍



101空挺師団第二旅団戦闘チームの隊員がフォートブリス(テキサス州)で演習中。, July 15th. (Army)



 By: Meghann Myers
陸軍は30年を要する大変身の途中にある。参謀総長マーク・ミレイ大将はこう語り、中心を治安維持作戦から米軍と戦力が互角の相手との長期地上戦に移す。
 陸軍は地上装甲車両、ヘリコプター、通信機器から各隊員の個人装備まで装備を一新させると大将と陸軍協会主催のイベントで語った。
 「この変革は文字通り抜本的で今この瞬間も続いており、戦争の性質の変化への対応します」
 陸軍が立ち上げた近代化本部にはパズルの各ピースを迅速かつ効果的に集める任務が課せられている。
 だが陸軍は戦闘時にまず必要となる装備の整備に最高優先度を与える必要があるとも述べた。
 「わが軍の隊員が最良の装備を受けて、訓練を受け、リーダーシップを強化してきたのはすべて人間中心だから可能であり、さらに我が国の経済が最強だからこそ可能なのだ。一人一人に至るまで世界最高だ」
 米国に匹敵する戦力を有した相手との「大規模戦闘」では長期戦を覚悟する必要があると述べた。「将来の戦闘環境、作戦環境では各隊員への要求が厳しくなりそうだ」
 エクソスケルトン状のボディアーマーを陸軍は長期地上戦で戦う隊員に導入する。もう一つは認識訓練 cognitive training で過酷状況に対処できるようにするという。
 さらに合成訓練 synthetic training で各部隊は実際の配備前に繰り返し訓練を受けるので費用対効果が高くなる。
 「シミュレーションで真の恐怖は再現できないのでどうしても限界がある。だが戦闘指揮官には意思決定が基本だ」
 仮想訓練で地形、天候、その他条件を変えて従来の演習地での訓練より多様な状態に備えることが可能となり、将来いかなる条件が生まれても対応可能となる。
 「あらゆる条件や環境、地形でも陸軍の現場指揮官は正しい戦術を元にした決定が可能となる。この技術がすでに実用化されている。これを繰り返し繰り返し実施していく」
 すべてが完璧な世界の想定では各部隊の訓練を最適化できる。
 「三時間から三時間半の体力トレーニングで最高の状態にする」とミレイ大将は一日の始め方を述べ、その後食事、繰り返し訓練、食事、そして訓練を行う。
将来への投資
 近代化に必要な予算について分かりやすく説明するべく、ミレイ大将はディック・コディ大将(退役)の話を持ち出した。砂漠の嵐作戦の開幕でAH-64アパッチ攻撃ヘリを操縦し、その後参謀本部次長を務めた。
 「ここまでやり遂げられたのは長年の訓練のたまものであり、70年代に『新型攻撃ヘリが欲しい。AH-1コブラの代替機材が欲しい』と声を上げてくれたためだ」
 同様にこれからの脅威への対応が今から必要だというのだ。「今にしがみつくと将来を失うことになり、10年15年後の世界で苦しむことになる」
 近いところでは政府予算の継続問題があり、長期的には陸軍には治安維持作戦と大規模戦闘の両方をこなすだけの兵員数がしかるべき訓練を受けていることが必要だ。
 「そのためには常時地上部隊の66パーセントを戦闘可能な状態に保つ必要がある」「その目標に向け全力を尽くす」
 ただし、ミレイ将軍は具体的に何名の規模が必要なのかに触れなかった。ジム・マティス国防長官が国家防衛戦略でこれから明らかにする前には口にできないのだろう。
 「正しい方向に向かっているし、そう言っておきたい」とだけ述べている。■

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