北朝鮮が主導権を握って韓国が振り回されている気がしてなりませんが韓国の「国民感情」は違う見方をするのでしょうか。選手登録が未完了のまま北朝鮮選手を「超法規的」に参加させるのだとしたらここでも国際ルールを守れない国として韓国が世界から非難されませんか。半島情勢は流動的になりそうです。
North Korea Offers Talks to South Korea: What Happens Next?
北朝鮮が韓国へ対話対応を持ちかけた:次は何が起こるのか
January 2, 2018
2018年元旦に韓国政府関係者は平和を期待させる金正恩メッセージに飛びついた。恒例の新年抱負で北朝鮮首領は南と「ただちに」会談する用意があると述べた。
代表団構成は不明だが同省関係者は記者会見後に「大臣レベルになろう。議題はまだ決まっていないが北朝鮮の平昌オリンピック参加が中心になるのではないか」と述べている。冬季オリンピックは2月9日から25日の開催となる。
金正恩は国内向け新年あいさつで南との「対話はオープン」であり平昌参加の準備ありと述べた。同国でオリンピック参加資格があるのはスケート選手二名だけであり、しかも昨年10月の登録期限までに手続きを完了しない。
それでもソウルは金正恩演説にとびついた。韓国大統領府は直後に韓国は「いつでも、どこでも、どんな形でも」会談の用意があると述べた。
文在寅大統領は閣議で統一相、スポーツ相に北朝鮮の平昌参加を進めるよう指示した。
金正恩の新年あいさつは韓国大統領に願ってもない贈り物になった。リベラル派の大統領は一環して平昌に北朝鮮の参加があれば南北朝鮮関係改善の第一歩になると述べてきた。昨年6月には統一チーム結成まで提案していたほどだ。
ただし対話を求める文大統領は金正恩に無視され反論を受けてきたのは金が米大統領ドナルド・トランプとの言葉の応酬を優先させたためだ。
南北接触が実現した唯一の事例は昨年6月の茂朱Mujuで開催された世界テコンドー競技大会に北代表団がやってきた際だ。
大会で文大統領は統一チームでの平昌参加を持ち掛け、テコンドー平壌大会への招へいを期待したものの何も起こらず接触は絶えていた。
新年の新たな進展には慎重な見方を崩さない専門家が多く、韓国は金正恩の突然のソウルへの動きに期待しすぎるべきでないと戒める。
「国内向けには良いニュースだろう。文在寅が願っていた通りの展開で北が対話に対応している。だが対話で核問題まで扱えるとは思えない」と韓国シンクタンクAsan Institute副理事長のDr. Kang Choiが述べている。「金正恩は米国に核保有国として認知されることを狙ってきたがうまく行かず、今度は韓国から米国への扉を開こうとしている」
平壌の核兵器開発の目的は抑止効果ではなく韓国と米国を乖離させる攻撃力整備だと指摘する専門家は多い。
文大統領は米韓軍事演習を平昌大会の成功のため中止すべきと主張し、中止すれば半島内の緊張緩和に役立つという。この提案にワシントンは気のない態度だ。
トロイ大のダニエル・ピンクストンDaniel Pinkstonは戦略問題の専門家の立場でソウルは対話提案に「慎重かつ自信をつけている」と述べ、平壌の「民族主義のアピールと共同歩調を訴えるところが韓国社会の一部を引っ張っている」
「短期では今年春の多国間軍事演習を中止させるか縮小させれば北朝鮮には大きな勝利となります。これが実現しなくても韓国内の同調勢力による社会圧力を工作するでしょう」
冬季オリンピック外交への文の期待は高いようで、米中の関係改善につながった「ピンポン外交」が念頭にあるのだろう。
南北朝鮮でスポーツ交流の歴史もある。1991年に南北合同で卓球とサッカーのチームが結成され、2000年、2004年と夏季オリンピックで合同入場行進したが、両国選手団は歴然と分けられていた。2014年の韓国アジア競技大会へ北が高レベル代表を派遣した。
ただし期待を抱かせた以前の出来事で南北の緊張が緩和した実績はないのも事実だ。■
This first appeared in AsiaTimes here.
Image: Reuters.
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