新しい機体が好きな人にはたまらないでしょうね。離陸前にこの機体に目が行き、慌ててカメラを使ったようで写真は粗いものがありますが、十分特徴が分かります。本人の興奮が伝わってくる写真ではありませんか。ただし、せっかく分析しても米海軍に採用されなかったおしまいですけどね。同機は別の形に進化する可能性もあるのではないでしょうか。
Exclusive: New Photos Of Boeing's MQ-25 Tanker Drone On The Ramp In St. Louis ボーイングMQ-25無人給油機をセントルイスで激写
The images give us our first view of the entire aircraft, as well as a sense of its overall scale. 同機の全体像が初めて明らかになったのと機体の大きさもわかる
ボーイングMQ-25スティングレイ空母搭載無人空中給油システム(CBARS)の進展はこれまでお伝えしている通りだ。機体正面の写真一枚が2017年12月19日に公開されその後ボーイングは短い映像でいろいろな角度で撮影したショットを慎重に編集して公開した。この映像で重要な点も分かったが同機の全体像はうかがい知れなかったし、機体の大きさも推定できなかった。今回読者の一人が同機の全体像が提供され、これまで不明だった大きさの感覚もわかってきた。
ジェレミー・マクガウはセントルイスのランバートフィールドを今朝離陸する途中でボーイングディフェンスの広大な工場前のエプロン上に奇妙な機体に気づいた。早速数枚をスナップ撮影しこちらに送ってくれ機体がボーイングのMQ-25スティングレイなのか自信がもてず判別を求めてきた。ジェレミーの推定は正しかった。これこそボーイングファントムワークスのCBARS無人機であり、解像度が低いが写真で同機を全く新しい角度で見ることができた。
JEREMY MCGOUGH
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JEREMY MCGOUGH
JEREMY MCGOUGH
JEREMY MCGOUGH
JEREMY MCGOUGH
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早速写真からわかることをまとめてみよう。
1)機体に通常の空気取り入れ口がない。後部も滑らかな表面になっているのは以前の推理通り整流化された空気取り入れ口が機体上部についているためだ。
2)主翼は長く薄く、巡航時、滞空時のフライトレベルに合わせ効率を追求したようだ。写真に人物も写っているのでMQ-25は主翼長はおよそ24フィート、胴体幅は10フィートで翼幅は58フィートと推定できるが大雑把な推測で実物と誤差が10フィートもあるかもしれないが、全体像はつかめる。比較するとF/A-18スーパーホーネットの翼幅が48フィートあまりである。F-14トムキャットは64フィートでE-2ホークアイは81フィートだ。MQ-25の全高は10フィートほどだろう。
3)機体後部をはじめて目にすることができた。排気口は平面状になっている。この特徴だと赤外線放出を減らせるがV字翼と合わせて排気の様子を見えにくくする。推力偏向装置が採用されているかは不明。それがあれば着艦速度を落として空母に戻れるし、発艦して滞空時間を延長し、給油時に機体を安定させることも可能だ。
4)前回お伝えしたようにMQ-25は低視認性の特徴を有する機体となっており、将来の発展型に含みを持たせているが、すべては海軍が採用した場合の話だ。またノースロップのタシットブルーに通じる構成になっているが、同時にRQ-4グローバルホークや競合相手ジェネラルアトミックスのプレデターC/アヴェンジャー無人機を原型とするCBARS提案でも同様だ。だが各機よりボーイングのクワイエットバードははるか前の1960年代に生まれている。今回のMQ-25は中高度中距離medium-altitude/medium-endurance (MAME)無人機として給油任務以外に多用な任務をこなせるだろう。
BOEING
ボーイングのクワイエットバードはタシットブルーやロッキードのハブブルー実証機より10年も前に生まれており、MQ-25にもその影響がみられる。
だがなぜ本日同機が公衆の目に触れる場所に出されたのかまったくわからない。エンジンを運転したのかタキシ―テストがはじまるのか、それとも意図があって写真撮影を許したのか。ボーイングはCBARS選定で採用されないのであれば試作機は飛行させる予定はないと言っているが選定ではまず一社選定して試作機製造させてから量産決定することになっている。
写真を見て他にわかることがあればぜひ教えてもらいたい。■
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