スキップしてメイン コンテンツに移動

ボーイングMQ-25をセントルイスで撮影に成功、機体の特徴が判明

新しい機体が好きな人にはたまらないでしょうね。離陸前にこの機体に目が行き、慌ててカメラを使ったようで写真は粗いものがありますが、十分特徴が分かります。本人の興奮が伝わってくる写真ではありませんか。ただし、せっかく分析しても米海軍に採用されなかったおしまいですけどね。同機は別の形に進化する可能性もあるのではないでしょうか。


Exclusive: New Photos Of Boeing's MQ-25 Tanker Drone On The Ramp In St. Louis ボーイングMQ-25無人給油機をセントルイスで激写

The images give us our first view of the entire aircraft, as well as a sense of its overall scale. 同機の全体像が初めて明らかになったのと機体の大きさもわかる


JEREMY MCGOUGH
 BY TYLER ROGOWAY JANUARY 9, 2018
ボーイングMQ-25スティングレイ空母搭載無人空中給油システム(CBARS)の進展はこれまでお伝えしている通りだ。機体正面の写真一枚が2017年12月19日に公開されその後ボーイングは短い映像でいろいろな角度で撮影したショットを慎重に編集して公開した。この映像で重要な点も分かったが同機の全体像はうかがい知れなかったし、機体の大きさも推定できなかった。今回読者の一人が同機の全体像が提供され、これまで不明だった大きさの感覚もわかってきた。
 ジェレミー・マクガウはセントルイスのランバートフィールドを今朝離陸する途中でボーイングディフェンスの広大な工場前のエプロン上に奇妙な機体に気づいた。早速数枚をスナップ撮影しこちらに送ってくれ機体がボーイングのMQ-25スティングレイなのか自信がもてず判別を求めてきた。ジェレミーの推定は正しかった。これこそボーイングファントムワークスのCBARS無人機であり、解像度が低いが写真で同機を全く新しい角度で見ることができた。
JEREMY MCGOUGH
JEREMY MCGOUGH
JEREMY MCGOUGH
JEREMY MCGOUGH
JEREMY MCGOUGH
JEREMY MCGOUGH
JEREMY MCGOUGH
JEREMY MCGOUGH

早速写真からわかることをまとめてみよう。
1)機体に通常の空気取り入れ口がない。後部も滑らかな表面になっているのは以前の推理通り整流化された空気取り入れ口が機体上部についているためだ。
2)主翼は長く薄く、巡航時、滞空時のフライトレベルに合わせ効率を追求したようだ。写真に人物も写っているのでMQ-25は主翼長はおよそ24フィート、胴体幅は10フィートで翼幅は58フィートと推定できるが大雑把な推測で実物と誤差が10フィートもあるかもしれないが、全体像はつかめる。比較するとF/A-18スーパーホーネットの翼幅が48フィートあまりである。F-14トムキャットは64フィートでE-2ホークアイは81フィートだ。MQ-25の全高は10フィートほどだろう。
3)機体後部をはじめて目にすることができた。排気口は平面状になっている。この特徴だと赤外線放出を減らせるがV字翼と合わせて排気の様子を見えにくくする。推力偏向装置が採用されているかは不明。それがあれば着艦速度を落として空母に戻れるし、発艦して滞空時間を延長し、給油時に機体を安定させることも可能だ。
4)前回お伝えしたようにMQ-25は低視認性の特徴を有する機体となっており、将来の発展型に含みを持たせているが、すべては海軍が採用した場合の話だ。またノースロップのタシットブルーに通じる構成になっているが、同時にRQ-4グローバルホークや競合相手ジェネラルアトミックスのプレデターC/アヴェンジャー無人機を原型とするCBARS提案でも同様だ。だが各機よりボーイングのクワイエットバードははるか前の1960年代に生まれている。今回のMQ-25は中高度中距離medium-altitude/medium-endurance (MAME)無人機として給油任務以外に多用な任務をこなせるだろう。
BOEING
ボーイングのクワイエットバードはタシットブルーやロッキードのハブブルー実証機より10年も前に生まれており、MQ-25にもその影響がみられる。
だがなぜ本日同機が公衆の目に触れる場所に出されたのかまったくわからない。エンジンを運転したのかタキシ―テストがはじまるのか、それとも意図があって写真撮影を許したのか。ボーイングはCBARS選定で採用されないのであれば試作機は飛行させる予定はないと言っているが選定ではまず一社選定して試作機製造させてから量産決定することになっている。

写真を見て他にわかることがあればぜひ教えてもらいたい。■

コメント

このブログの人気の投稿

フィリピンのFA-50がF-22を「撃墜」した最近の米比演習での真実はこうだ......

  Wikimedia Commons フィリピン空軍のかわいい軽戦闘機FA-50が米空軍の獰猛なF-22を演習で仕留めたとの報道が出ていますが、真相は....The Nationa lnterest記事からのご紹介です。 フ ィリピン空軍(PAF)は、7月に行われた空戦演習で、FA-50軽攻撃機の1機が、アメリカの制空権チャンピオンF-22ラプターを想定外のキルに成功したと発表した。この発表は、FA-50のガンカメラが捉えた画像とともに発表されたもので、パイロットが赤外線誘導(ヒートシーキング)ミサイルでステルス機をロックオンした際、フィリピンの戦闘機の照準にラプターが映っていた。  「この事件は、軍事史に重大な展開をもたらした。フィリピンの主力戦闘機は、ルソン島上空でコープ・サンダー演習の一環として行われた模擬空戦で、第5世代戦闘機に勝利した」とPAFの声明には書かれている。  しかし、この快挙は確かにフィリピン空軍にとって祝福に値するが、画像をよく見ると、3800万ドルの練習機から攻撃機になった航空機が、なぜ3億5000万ドル以上のラプターに勝つことができたのか、多くの価値あるヒントが得られる。  そして、ここでネタバレがある: この種の演習ではよくあることだが、F-22は片翼を後ろ手に縛って飛んでいるように見える。  フィリピンとアメリカの戦闘機の模擬交戦は、7月2日から21日にかけてフィリピンで行われた一連の二国間戦闘機訓練と専門家交流であるコープ・サンダー23-2で行われた。米空軍は、F-16とF-22を中心とする15機の航空機と500人以上の航空兵を派遣し、地上攻撃型のFA-50、A-29、AS-211を運用する同数のフィリピン空軍要員とともに訓練に参加した。  しかし、約3週間にわたって何十機もの航空機が何十回もの出撃をしたにもかかわらず、この訓練で世界の注目を集めたのは、空軍のパイロットが無線で「フォックス2!右旋回でラプターを1機撃墜!」と伝え得てきたときだった。 戦闘訓練はフェアな戦いではない コープサンダー23-2のような戦闘演習は、それを報道するメディアによってしばしば誤解される(誤解は報道機関の偏った姿勢に起因することもある)。たとえば、航空機同士の交戦は、あたかも2機のジェット機が単に空中で無差別級ケージマッチを行ったかのように、脈絡な

主張:台湾の軍事力、防衛体制、情報収集能力にはこれだけの欠陥がある。近代化が遅れている台湾軍が共同運営能力を獲得するまで危険な状態が続く。

iStock illustration 台 湾の防衛力強化は、米国にとり急務だ。台湾軍の訓練教官として台湾に配備した人員を、現状の 30 人から 4 倍の 100 人から 200 人にする計画が伝えられている。 議会は 12 月に 2023 年国防権限法を可決し、台湾の兵器調達のために、 5 年間で 100 億ドルの融資と助成を予算化した。 さらに、下院中国特別委員会の委員長であるマイク・ギャラガー議員(ウィスコンシン州選出)は最近、中国の侵略を抑止するため「台湾を徹底的に武装させる」と宣言している。マクマスター前国家安全保障顧問は、台湾への武器供与の加速を推進している。ワシントンでは、台湾の自衛を支援することが急務であることが明らかである。 台湾軍の近代化は大幅に遅れている こうした約束にもかかわらず、台湾は近代的な戦闘力への転換を図るため必要な軍事改革に難色を示したままである。外部からの支援が効果的であるためには、プロ意識、敗北主義、中国のナショナリズムという 3 つの無形でどこにでもある問題に取り組まなければならない。 サミュエル・ P ・ハンチントンは著書『兵士と国家』で、軍のプロフェッショナリズムの定義として、専門性、責任、企業性という 3 つを挙げている。責任感は、 " 暴力の管理はするが、暴力行為そのものはしない " という「特異な技能」と関連する。 台湾の軍事的プロフェッショナリズムを専門知識と技能で低評価になる。例えば、国防部は武器調達の前にシステム分析と運用要件を要求しているが、そのプロセスは決定後の場当たり的なチェックマークにすぎない。その結果、参謀本部は実務の本質を理解し、技術を習得することができない。 国防部には、政策と訓練カリキュラムの更新が切実に必要だ。蔡英文総統の国防大臣数名が、時代遅れの銃剣突撃訓練の復活を提唱した。この技術は 200 年前のフランスで生まれたもので、スタンドオフ精密弾の時代には、効果はごくわずかでしかないだろう。一方、台湾が新たに入手した武器の多くは武器庫や倉庫に保管されたままで、兵士の訓練用具がほとんどない。 かろうじて徴兵期間を 4 カ月から 1 年に延長することは、適切と思われるが、同省は、兵士に直立歩行訓練を義務付けるというわけのわからない計画を立てている。直立歩行は 18 世紀にプロ