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米軍は北朝鮮には戦術核兵器投入で対処するのか

US stealth bombers in Guam appear to be readying for a tactical nuclear strike on North Korea

グアム配備のステルス爆撃機は北朝鮮の戦術核攻撃に備えている

B 2
A US Air Force B-2 Spirit takes off at Andersen Air Force Base, in Guam, in August 2016.U.S. Air Force/Tech Sgt Richard P. Ebensberger
  • 金正恩抹殺に最適な戦術核兵器を投下できる爆撃機が配備されている
  • 迅速な戦術核攻撃なら被害最小限で北朝鮮の核戦力を無効化できるとの主張がある
  • トランプ大統領が北朝鮮攻撃を検討中と言われるが戦術核攻撃は悲惨な結果に終わるとの見方が専門家政界にある


 米国が太平洋で戦力を静かに増強中だ。配備中の装備から見て戦術核攻撃を実施する可能性がある。
 B-2ステルス爆撃機がグアムに派遣されB-1、B-52部隊に合流している。B-2、B-52は米軍の核三本柱の一角で空中発射核弾道付き巡航ミサイルや小型核兵器を運用可能で特に後者が改修を受けており、北朝鮮攻撃に投入されそうだ。

改修された戦術核で状況は一変するのか

B 61 nuclear bombs on rack
B61自由落下爆弾を前面から見る。United States Department of Defense SSGT Phil Schmitten
 B-2でB61戦術核爆弾16発を搭載できる。最近の改修で命中精度を上げており、地下施設にも有効だが、最新型は未配備だ。
 金正恩が隠れそうな地下壕の破壊に有効なだけでなく威力が調整調整可能で放射性降下物の散布を抑えられる。
 米軍は北朝鮮攻撃用に核兵器多数を保有するが、中国やロシアと言った大国攻撃用の大型が中心だ。
 MIT国際安全保障研究所が近年の誘導方式と核兵器の改良により米国は北朝鮮国内の核施設すべ手を破壊しながら死亡者は100名程度に抑えられるとの論文が出た。これは核兵器を使用しなかった場合の想定死亡2百万ないし3百万と大きな対照となる。
 ただしジェイムズ・マーティン非拡散センターの主任研究員メリッサ・ハンハムMelissa Hanhamは論文に誤りがあるという。
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This is a terrible map.
 ハンハムは論文の前提がわずか五か所を北朝鮮核施設全体とすることを疑問視する。
 北朝鮮は核・非核攻撃を受ける前提で核施設を分散させている。その所在は秘密で、米情報機関も誤った地点で把握していたと元国務省関係者が証言している。
トランプは戦術核攻撃案に前向き?

 戦術核兵器だけで北朝鮮問題の泥沼が解決できないのは明白だが、トランプ政権は小型核兵器に大きく期待している。
政権発表の核戦力整備案では小型核兵器増産を推奨し、小型化で戦場投入が容易になる。
 B61はヨーロッパで広く配備されているが、大型爆撃機での運用は少ない。The Aviationistは昨年10月にカンザス州で民間人が携帯無線スキャナーでB-2、B-52倍ロットの交信を傍受したが内容は北朝鮮VIP攻撃想定だったと伝えている。
 またトランプが「血まみれ」攻撃を北朝鮮対象に検討中との報道も出ており、金正恩がミサイル発射あるいは核実験に踏み切れば限定攻撃を実施するということだ。
 ただし専門家や政界には核攻撃は不安定を生むだけで単純に正気の沙汰ではないとの見方が多い。ジョン・ガラメンディ下院議員(民、カリフォーニア)は軍事委員会で疑問を語っている。「北朝鮮は米国が一筋縄でいかない相手と見ている。米国が血まみれ攻撃を実施すれば北朝鮮がどんな反応をするかを考えておく必要がある。その後どうなるだろうか」■

Update: This article has been updated to reflect that the modified B-61 is not yet deployed.

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