The Navy Has 1 Submarine That Could Destroy North Korea (On Its Own)
北朝鮮はこの潜水艦一隻で破壊可能
January 24, 2018
広島、長崎への原爆投下から9年後の映画「ゴジラ」が深海から目覚めた怪獣が日本を襲う状況を描いた。ただしもっと恐ろしい怪物がその後海中に展開した。つまり弾道ミサイル潜水艦、米海軍用語で「ブーマー」である。
中でも一番恐ろしい海の怪獣がオハイオ級弾道ミサイル潜水艦で米国の核兵力半分以上を搭載する。
計算すれば、オハイオ級が人類史上最大の破壊力を有しているのがわかる。全長170メートルの各艦で24本のトライデントII潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)を搭載し、水中から発射し最大7千マイル先の標的を狙う。
トライデントIIは大気圏再突入後にマッハ24まで加速し独立再突入体8つに分離し各100-475キロトン核弾頭を搭載する。オハイオ級の一斉発射は1分未満で完了し、弾頭192発で24都市が地図から消える。悪夢の兵器と言ってよい。
オハイオ級に一番近い競争相手はロシアで一隻のみ残る大型で24本のミサイル発射菅を有するタイフーン級潜水艦だ。中国、ロシア、英国、フランスがそれぞれ弾道ミサイル潜水艦を運用中だがオハイオ級並みの威力はない。
国家そのものを消滅させかねないこれだけ大規模な兵器を運用する理由は何か。
核抑止力の論理では先制攻撃で陸上配備ミサイルや爆撃機が全滅しても弾道ミサイル潜水艦が海中深くに潜んでいれば追尾探知が困難で残存性があることになる。このため弾道ミサイル潜水艦は核報復攻撃で誰も止められない手段となり、まともな相手なら第一撃の核攻撃をためらうことになる。少なくともそれが期待される。
そのためトライデント搭載オハイオ級潜水艦にとって一発も発射しなければ任務は成功したことになる。
オハイオ級の就役開始は1980年代で各艦潜航時の排水量は18千トンで米海軍最大の潜水艦だ。ヘンリー・M・ジャクソンを除き、各艦は州名がつき、かつての戦艦の伝統を引き継ぐ。
核兵器が飛び交う事態になればブーマーには超低周波無線で発射命令が入る。ミサイルが目標設定してない場合は迅速に座標を入れる。オハイオ級初期建造の8隻はトライデントI C4弾道ミサイル運用の設計だったが現時点では全艦がトラインデントII D5運用可能となり、射程が50%伸び、精密攻撃が可能となったので第一次攻撃でも軍事施設を標的にできる。
オハイオ級には21インチ発射菅4本もあり、マーク48魚雷を運用する。ただし、魚雷は防御用とされ、弾道ミサイル潜水艦の仕事は敵艦船攻撃ではなく可能な限り動きをせず静かに待機し探知を逃れることだ。原子炉により無制限の海中待機が可能で20ノット巡航でもノイズはごくわずかしか出ない。
危機が発生しても、原子力潜水艦は哨戒を続け交信は最小限とし可能な限りステルス性を維持する。オハイオ級は乗組員154名の2チームに、ゴールド、ブルーの名称がつけ、交互に哨戒にあたる。一回出港すると70日から90日潜航したままで、USSペンシルヴェイニアが140日の最長記録を樹立している。哨戒前後に一か月を置き、補給を受ける。
ワシントン州バンゴーにブーマー9隻が配備され太平洋での哨戒にあたる。ジョージア州キングスベイには5隻があり大西洋で活動する。冷戦終結に伴い戦略兵器削減条約STARTで米核戦力は縮小された。当初は艦齢の高い艦から退役の予定だったが、海軍はオハイオ級18隻の4隻を改修し地上・海上目標に通常巡航ミサイル運用艦として活用することとした。USSオハイオがまず選ばれた。
2011年に発効した新START条約に核兵器の数量制限が追加された。現在はオハイオ級12隻を現役運用し各トライデントII20本を搭載する。二隻は大修理に入り、常時ミサイル240本弾頭1,090個を戦力とする構想だ。これだけあれば世界を数回破壊できる威力があるので、タカ派の皆さんも心配は不要だ。
オハイオ級は2020年代末まで供用しつつステルス性を向上する改修も受ける予定だ。後継艦はコロンビア級と呼称され、単価40億から60億ドルで隻数は減るが新型原子炉の採用で途中の大修理燃料交換が不要となる。同級は2085年まで供用される予定だ。■
Sébastien Roblin holds a Master’s Degree in Conflict Resolution from Georgetown University and served as a university instructor for the Peace Corps in China. He has also worked in education, editing, and refugee resettlement in France and the United States. He currently writes on security and military history for War Is Boring.
This first appeared in 2016.
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