USAF Is Jamming GPS In The Western U.S. For Largest Ever Red Flag Air War Exercise
過去最大規模のレッドフラッグ演習でUSAFが米西部でGPSを妨害
The use of the mysterious jamming technology will impact the navigation of aircraft operating as far away from the Nevada as Colorado.
謎のジャミングでネヴァダ、コロラドまで飛行中の航空機に影響が出る恐れも
BY TYLER ROGOWAYJANUARY 25, 2018
今年第一回目のレッドフラッグ演習が本日ネリス空軍基地で幕を開けた。だが今年はこれまでと違う点がある。まず過去42年で最大規模であるがそれだけでなくUSAFがネヴァダテスト訓練場でGPSを無効にし、各機乗員に現実味あふれた環境で模擬戦闘にあたらせる。この事は事前に広く広報されており、米西部上空を広く飛行する航空機にGPSが断続的に中断する可能性があると警告している。
「NBAA指令センターから米軍が訓練をネヴァダ試験訓練場で連日0400Zから0700Z にかけて行うと通報あり。訓練により米西部で広範な地区で影響がでる可能性があり、カリフォーニア、ネヴァダ、オレゴン、ワイオミング、アリゾナ、ユタ、コロラド、モンタナ、ニューメキシコを含む。FAAの飛行経路ATCセンターで影響が出そうなのはAlbuquerque (ZAB), Denver (ZDV)、 Los Angeles (ZLA)、 Salt Lake (ZLC)、Oakland (ZOA)、Seattle (ZSE)の各局。
「ラスベガス出発到着の各機にはLAS近辺で正常な運航ができなくなる場合があるので南方東方へ経路変更がある。ロサンジェルス(ZLA)センター空域内を飛行の各機は航法に異常が発生する可能性あり....」
公告にある日付はレッドフラッグ18-1と完全に一致している。影響が出そうな時間帯の案内も夜間出撃帰投訓練の時間と一致する。演習期間中は連日二回にわたり大規模訓練が行われ、各2,3時間におよぶ。
今回のレッドフラッグにはUSAF, USMC、オーストラリア、英国からの参加がある。米国が最大限の信頼を置く同盟国だけを招へいしているのは今回のレッドフラッグがハイエンド内容かつ機微性能を試す場だとを示している。USAF発表でこれを裏付ける内容が第414戦闘訓練隊隊長が語っている。
「レッドフラッグ18-1で新規の試みがある。まず参加人員が最大規模のレッドフラッグになることで、訓練効率とミッション効果を両立させる。レッドフラッグ18-1では訓練を主眼に置いた攻撃パッケージを中心にし指揮統制機能を加え合同運用部隊としての作戦を展開する。ネリス空軍基地を舞台に攻撃ミッションにすべての機能を投入する」
GPS機能の停止は米軍立案部門でも大きな問題となっている。特にロシアが念頭にあり、相手国がGPS妨害戦術を実際に演習で使っていることを意識している。この点は前から指摘されており、汎地球位置データが利用不可能になった場合に米軍や同盟軍に出る影響は大きな議論の的だ。その場合にどう対応するかも重要な検討課題だ。
ペンタゴンはGPS妨害技術を秘密のうちに試験しており、その効果は広範囲に及ぶ。これがレッドフラッグ18-1でネリス試験場で使われているのか。訓練空域の外でも影響が出るかもしれない。GPS妨害技術はモハービ砂漠の反対側にあるチャイナレイク海軍兵器基地で開発中のようだ。公表された下図はジャマーの見通し線での有効範囲を示している。
FAA
2016年6月のGPS妨害テストの際に発表された米国南西部における影響予測地図。
.
今回の演習で国防総省が広範囲におよぶGPS妨害を実験するのは逆に電子戦の脅威がいかに大きくなっているかを示している。レッドフラッグ終了後にUSAFが同技術が実際に使われたと公表すれば面白いことになるが、GPSが戦闘中に使用不可能となる想定で位置、航法、タイミングつまりPNTの技術開発が進んでいることから、今回民間向けに発表された公告は今後は演習のたびに当たり前になるのではないか。■
Contact the author: Tyler@thedrive.com
GPS技術を我々は当たり前のものとして使っていますが、有事には敵の妨害でGPSが使えなくなる想定をしておかないと軍が機能出来なくなるとの危機感があるのですね。現在はGPSを無料でみんなが使っていますが、少額でもライセンス料として徴収すればUSAFの予算問題など吹き飛んでしまうのでは。そういう勘定項目がないのなら作ればどうでしょうか。
コメント
コメントを投稿
コメントをどうぞ。