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北朝鮮侵攻作戦シナリオの最新検討内容から見えてくるもの

いよいよ迫った米朝首脳会談が吉と出るか凶と出るか世界が注視する中、シンクタンクRANDコーポレーションがウォーゲームで北朝鮮との開戦シナリオを検討し驚くべき結果がでました。しかしホテル代もなく、自国機材で会場移動もできない国がここまでこけおどしで各国をさんざん振り回したことの落とし前はどうつけたらよいと皆さんは思いますか。


A New Study Says a War with North Korea Could Be Hell (And Start a U.S.-China War) 北朝鮮との開戦になればこんな惨状になるとの新規検討内容が出た(米中開戦にもつながる可能性)


June 8, 2018


朝鮮と開戦になれば米軍は数々の問題に直面することがRANDコーポレーション実施の一連のウォーゲームで判明した。
北朝鮮へ進軍し金正恩の核兵器撲滅あるいはソウルを狙う砲兵陣地を制圧しようとすれば米軍韓国軍兵力を薄く延ばすだけではなく、中国の軍事介入のきっかけになりかねない。
今回のRAND研究では米軍特に発注元米陸軍の実戦能力に中心をおいた。北朝鮮の核兵器による脅威、北朝鮮通常戦力の実効力、北朝鮮外交による課題、さらに北朝鮮核兵器の制圧がどうなるかを北朝鮮体制崩壊、さらに国内が内戦状態になる場合を想定して検討している。
「北朝鮮各地に点在する核兵器を捜索制圧する兵力が足りませんしその他にも戦後処理あるいは政権崩壊シナリオでの各種ミッションでも人員不足です。さらに完全に任務を行うためには迅速に北朝鮮へ進軍する必要がありますが、これを行う能力がありません」とRAND研究員マイケル・マザーがNational Interestに語っている。
このうち核兵器について同報告では核兵器保有量が大きいため北朝鮮侵攻制圧が事実上不可能と指摘する。「5年から8年で北朝鮮がさらに核兵器製造に向かえば攻撃を受けても十分な核兵器を温存し、北朝鮮侵攻は画期的な核兵器対策手段が生まれない限り高くつく選択肢になる」とし、米政策の方向如何にかかわらず日本、韓国は北朝鮮による核報復攻撃の可能性により政策の幅を狭められる。
北朝鮮砲兵隊(1万門もの火砲があると伝えられる)でソウルが火の海になるとの脅威についてRANDでは空爆ないし砲撃により火砲をノックダウンする、または限定的国境線内侵攻作戦でケソン高地を制圧し火砲を破壊する作戦を検討した。空爆・砲撃攻撃では重度に防御された火砲の制圧に数週間かかる一方で地上侵攻は北朝鮮の核兵器投入のきっかけになりかねないとわかった。
大きな問題は限定的にせよ地上侵攻するには大規模兵力が必要なことで韓国陸軍二個軍団を想定している。また韓国がこの兵力を維持できるかも疑問だ。「今回のウォーゲームでは開戦後一週間で一個軍団が殲滅される犠牲が発生してやっと一か所から侵攻に成功という異例の結果になり、死傷者数万名ということになった」とRANDは記している。「これだけの死傷者規模となると韓国軍のその後の作戦に支障が出るはずで、南北統一やWMD拠点制圧が困難になる」
今回の結論はシナリオから得られたもので重装備防衛の狭い地点を攻撃しながら北朝鮮は化学兵器で防戦しており、ウォーゲーム関係者は「韓国軍は消耗してやっとケソン付近に侵攻するのがやっと」だと分かったのだとマザーは言う。「それでもROK(韓国)にはまだ余力が残りますが、防衛線制圧には足りません。大規模作戦の視点から見ればこれは高く評価できない内容です。個人的な感想ですが、ROKは平壌進軍の前に立ち往生してしまうと思います」
北朝鮮核兵器の制圧に関してはRANDは数種類のウォーゲームを実施しており、前提は金正恩死亡後に米軍が北朝鮮各地に進出し核兵器を確保するが、北朝鮮内部は内戦状態になっているというもの。だが毎回のゲームからわかったのは北朝鮮指導部の後継者は政治権力基盤として核兵器の掌握に動くはずで同時に核兵器を秘匿しようとすることだ。空軍力だけで全部を破壊しきれないのはイラクでのスカッド狩りの事例からもあきらかだ。
「米国・ROK両国が核兵器を捜索できなくするため北朝鮮は簡単に核や核物質を隠すことができるというのは驚き」とRANDでゲーミングを担当するステイシー・ペティジョンがNational Interestに感想を述べている。
金正恩体制を転覆すれば事が終わると信じる向きには今回のRAND報告書を見てもらいた。「毎回のウォーゲームで少なくとも一回は北朝鮮が核兵器を投入してきた。米国にとって北朝鮮核兵器制圧は限定ミッションとの観があるが、北朝鮮内勢力の役をしたウォーゲーム関係者は米国の介入は南北統一の前兆ととらえる傾向があり、北朝鮮国体への脅威と見ることがわかった。このことから体制保持の最終保証手段樽核兵器を使わないと敗戦するとの見方につながった」
さらに中国の問題が加わる。RANDウォーゲームでは中国軍が北朝鮮国内に侵攻し中国北朝鮮国境地帯を制圧したほか、北部の核関連施設も確保している。さらにケソン高地の砲兵部隊制圧で米韓地上部隊が展開すると中国国境への数少ない侵攻経路にもつながる。1950年に同じ状況が中国を刺激し中国軍が大量展開したが、同じ状況の再発可能性がある。
ただし、マザーは実際の展開は状況により大きく変わると釘をさす。「今回のゲームでの中国の動きから見えてきたのは中国政府は米朝対決からなるべく距離を置いておきたいと考えることです。中国としても影響力を増大させながら状況を追い求めていくはずなので重要な段階で自国の立場を弱める選択はしないはず。そこでもし北朝鮮がソウルを砲撃した場合にケソン高地制圧作戦の実施に移っても中国がおじけつくことはないはずです。ではこちらから先制攻撃し北朝鮮が反撃を迫られる状況の場合はどうなるでしょうか」■
Michael Peck is a contributing writer for the National Interest. He can be found on Twitter and Facebook.

Image: Flickr

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