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祝米朝首脳会談。北の考える非核化プロセス概念が西側と違いすぎる。切り札は日韓両国の核兵力保有だ。

 


America Should Loan South Korea and Japan Nuclear Weapons 

米国は韓国日本へ核兵器を貸与すべきだ



June 9, 2018



国が北朝鮮への交渉で結果を得るには韓国内に核兵器を配備し、北の核兵器と相殺する形しかない。米国が核兵器を1991年に韓国から撤去した大きな過ちを正す好機が来た。北朝鮮は核兵器開発中止で金銭以上の戦略取引を求めている。このため今回の首脳会談が実現した。北朝鮮の考える「非核化」とは米国が在韓米軍を撤兵し、韓国向けの核の傘も撤廃すれば北も核兵器を廃止するという定義だ。

だが米国がその通りに実行することはありえない。韓国を北朝鮮に譲り渡し日本さらに地域の安全を脅かすからだ。平和の名の下でここまで非現実的な提案が通れば世界平和そのものに不幸な事態となる。

この数週間であらわれた外交面での大きな動きは米国の交渉上の立場の弱さを如実に示した。米抑止力は余裕がなく妥協の代償になりうる戦略核の手ごまがないのだ。米国は取引材料となる戦略核の余裕を作る必要がある。このことに米国が気付くのが遅くなったが気づかないままよりましだ。米国がこの点で失敗すれば交渉は悲惨な結果に終わる。

米核兵器を韓国に配備すべきだ。同時に日本にも置くべきだ。これで北朝鮮も核兵器廃止の交渉に真剣にならざるをえない理由が生まれる。

米政府は以前同様に戦術核兵器を韓国に配備すればよい。米国は同時に同盟諸国にも半独立型の核抑止力として核兵器を貸与できるはずだ。

これで中国と北朝鮮の戦略上の計算をひっくり返す大きな効果が生まれる。両国は北朝鮮の核兵器でアメリカを脅迫して地域を支配する望みがもてなくなる。逆に北朝鮮と中国は不利な状況を悟るはずだ。

両国は韓国の核兵器運用能力で取引をすることが戦略上必要と感じるだろう。状況の変化で交渉も進むはずだ。

韓国と日本は限定的ながら事実上の核保有国になると、北朝鮮と中国は最大の悪夢を目にすることになる。交渉を進めないと韓国と日本が永久に核保有国の座につくことになる。

当然両国は注意するはずだ。米国には北朝鮮核兵器で大きな取引材料が実現することになる。北朝鮮-中国にとって状況は一気に深刻となり今までのような態度はとれなくなる。

この方法ならドナルド・トランプ大統領も気に入るだろう。大統領候補としてトランプは韓国、日本は核武装すべきと述べていた。

トランプの主張は当時のメディアから「受け入れがたい」として一蹴され、トランプ自身も構想は「受け入れられない」と判断して再提案しなかった。だが今や本人はホワイトハウスの主だ。

さらに韓国の世論調査では6割もの多数が核武装に賛成する結果が繰り返し出ている。米メディアもあたかも政府を超える存在として重要な政策選択肢を勝手に「受け入れがたい」とラベル張りするのはやめコモンセンスの尊重に切り替えるべきだ。韓国国民が自国の核武装を望むのは現実の外部脅威に目をつぶる余裕が許されないからだ。北朝鮮核兵器の射程が米本土まで伸びようとする中で米国民も同様に現実の脅威を無視できない。

言い換えればトランプは正しかったのであり、その主張は現実主義を反映していたのだ。現在は具体的に実施に向けた詰めをおこなうべきときであり、核兵器拡散の危険を克服すべきときだ。つまり、米国は韓国、日本へ核兵器を貸与し、米国が最終所有権を保持すればよい。

核兵器貸与は次の段階を経る。

1.核兵力は北朝鮮の規模を上回るものとる

日韓両国で残存性を考慮すると核ミサイル搭載潜水艦の形が望ましい。

これまで核兵力の規模と姿をTNIブログでは「戦略ミサイル潜水艦五隻で各16発の核ミサイルには100キロトン弾頭4つを搭載。常時哨戒中の潜水艦一隻で弾頭64個を運用する」としてきた。

さらにこの装備はあくまでも貸与するものであり、国産開発させないことで配備までの期間、非拡散、同盟国へ引き渡す間に発生する不安定さの排除を実現できる。

2. 各同盟国にミサイル発射の自主的権限を与える

従来の二重管理方式にすべきでない。抑止力運用を広げることで米国が核報復攻撃を受けるリスクが増え米国が本当に同盟国防衛のため核兵器投入に踏み切るのか不確実になる。米国にとって同盟国が独自に核抑止力運用できれば安全になる。また韓国、日本も安全になる。

米軍の核兵器は完全に別の形で保管し、本来の目的のために温存する。つまり米国への攻撃への抑止効果だ。

3. 自主運用権を認める代わりに米国は核兵器の最終所有権を維持しつつ各国のミサイル標的に制約を付ける

この点が核兵器貸与が核兵器拡散と一線を画す点で他国があわてて核武装に乗り出すことを防げる。

さらに核兵器の保有権を維持しながら兵器の乗っ取りを防ぐため、米国が維持管理を行い、重要な技術上の秘密を保持する。これにより核兵器の一方的な乗っ取りや撤去は不可能となるが事前合意ができた条件がある場合はこの限りではない。

4. 米国は事前に再処理ならびに兵力変更の条件を定めるべきで考えられる条件は以下の通り

米国は北朝鮮が核兵器・ミサイルを撤去すれば韓国に貸与した核兵器を回収する。逆に北朝鮮が核兵器を廃絶しない、あるいはテストを再開した場合は韓国へ貸与する核兵器を増強する。

米国は日本が中国やロシアと海洋、領土、核の核問題で外交解決に至れば貸与していた核兵器を回収する。

交渉が長引いて行き詰まれば米国は各同盟国に核兵器の恒久所有権移転のオプションを行使できるものとする。これにより米国は交渉に本気だ、貸付はブラフではないとのメッセージが伝わる。

北朝鮮からすれば韓国が永久核保有国になるのは耐えられないはずで、さらに韓国が強力になることも同様なので核兵器廃絶交渉に真剣になるはずだ。

中国も同様に核保有国としての日本との対決は望まないはずで北朝鮮に核開発計画の断念を求めてくるだろう。また日本とも戦略面でなんらかの妥結をはかるだろう。これで米国に望ましい状況が生まれる。韓国や日本が核開発に乗り出さない間に米国はこれまで中国と核兵器管理を期待してきたが、結局望む結果は得られていない。核兵器貸付によりバランスは即座に変化する。

米政府の交渉上の立場は強化され懇願することはなくなる。中国と北朝鮮が米国や同盟国に懇願することになる。すべての関係国が交渉に真剣になる。

これまで中国とロシアは北朝鮮の核脅威を維持するほうが得策と考えて米国の妥協を引き出そうとしてきた。両国は良い警官、悪い警官の役割を模索し、米国に対しては悪い警官に対決するのを助けるふりをしながら実際は逆の立場を演じてきた。これまではこれでうまく切り抜けてきた。

経済制裁では中国の目算を変えられなかった。中国は北朝鮮を米国に対決させる構図のままだ。最近はトランプ政権に譲歩して北朝鮮への経済的締め付けを強めているが、同盟国のロシアが北向け物資補給の役目を部分的に補っている。韓国が北朝鮮との首脳会談で合意した後に金正恩は中国を訪れ、中国は北朝鮮の強硬態度の保持を勇気づけ中途半端な反応を取らせた。したがって核兵器貸与のショックで中国の目算は狂い北朝鮮の核兵器保有を自国の戦略に利用してきた動きを逆転させられる。

日本と韓国が「臨時核保有国」になれば、貸与中の核兵力で中国の夢だった地域支配は否定される。日本と韓国に核兵力維持を断念させるため中国は戦略的な代償を支払う必要が生まれるだろう。

では最近話題に上っている経済懐柔策で同様の成果が期待できるだろうか。危険なほど非現実的だ。米国はいかにもこれが効果を上げると思い込まされているようだが実はこのような希望に賭けるのは危険だ。

北朝鮮のような相手には経済手段はあくまでも二次的な要素だ。中国や北朝鮮が大事にするのは軍事上の厳然たる事実だ。米国が同盟国に核兵器を貸し出す決定をすれば経済面のアメと鞭が効果を上げる可能性が増える。経済は軍事面の補強策になっても代替策にはなりえない。

だが核兵器貸与は実施可能なのか。実は各国と核のカギを共有する既存の仕組み同様に実施可能だ。米国に必要なのは緊急時対応策の立案を開始し、貸与の準備も始めることだ。政治的意思が必ずその後に生まれ、核兵器貸与の必要は強まる一方になるだろう。

日本国内に核兵器への忌避があり、韓国政府も反対姿勢を示すと政治上の支障になる。幸いにも日本には有能かつ現実的対応をとれる政権があり、韓国の国民、国軍も現在の脆弱な政権よりは現実的な態度をとれる。仮に米国が緊急対応策で核兵器貸与を立案すれば必要に応じた対応策が各種生まれるはずだ。北朝鮮との交渉は一筋縄ではいかず、結果が出る前に何度も暗礁に乗り上げるだろう。核兵器貸与の実施は突然現実になりかねず、交渉を成功させるための唯一の手段と認識されるはずだ。

米国を破壊できる能力が実現する一歩手前まで北朝鮮が来ているため、アメリカが交渉による非核化の実現の強化策を手に入れることは最高度に重要と言える。失敗すれは先制攻撃あるいは北朝鮮による米国破壊力の存在を受け入れることになる。

先制攻撃のリスクは大きい。だが完全核武装した北朝鮮の脅威は現実だ。そのため今回提案の選択肢各種を重視すべきだ。米国にとってリスクが一番低い選択肢は核兵器を同盟諸国に貸与して米国と韓国が交渉を成功に持ち込むことだ。■

Ira Straus is an independent foreign affairs analyst. He has taught international relations for three years in universities and has worked for three decades in organizations devoted to the Western alliances and their relations with Communist and post-Communist regimes. He contributed an article to the National Interest on nuclear counterproliferation in 2004.
Image: Wikimedia Commons

コメント

  1. 日本の関心事は拉致であって核ではない。だから半島非核化に積極的に果たす役割は無い。
    但しこのスレにあるように、半島が非核化しなければ日本も核保有に向かうべきだろう。
    報復核は専守防衛だから憲法には抵触しない。
    非核三原則の撤回だけで済む。

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