巡航ミサイル導入は関連装備の導入規模も大きく、米国として貿易赤字対策の切り札になるのでしょうね。その前に日本側は野党のセンティメント(政治首長ではありません)を封じ込める必要に迫られるでしょう。実戦化は早くて5年、あるいは10年かかるかも知れません。
Japan Wants Cruise Missiles (And that Should Terrify China or North Korea) 巡航ミサイル導入を目指す日本に中国や北朝鮮は恐れをなすはず
June 9, 2018
北朝鮮の核兵器開発で東アジアに不安定度がましているが、その影響は世界全体にまで及んでいる。その中で日本は核攻撃を受けた唯一の国として再び攻撃を受ける可能性に直面している。これに対して日本は第二次大戦終結後初めて攻撃兵器の導入を検討している。その狙いは核ミサイルが発射される前に発射台もろとも破壊することにある。
日本か国権の発揚として戦争を放棄し攻撃兵器の保有を自ら禁じてきた。空母、弾道ミサイル、爆撃機、上陸部隊はすべて攻撃兵器として保有していない。だが海兵部隊など以前は保有してこなかった装備の再評価が進み防衛的あるいは敵の攻撃前に先んじて投入することは可能とされるようになっている。
日本は弾道ミサイル防衛で優秀な体制を整備してきたが、攻撃回避で最良の方法は検討してこなかった。すなわち先制攻撃だ。一番よくみられるシナリオは日本の衛星が北朝鮮の液体燃料核ミサイルが発射台にあり燃料注入が進み攻撃準備に入る様子を探知することだ。発射が近づく中、他国なら絶好の機会としてミサイルや戦術機で攻撃を加え、ミサイルを発射台もろとも粉砕するだろう。だが日本にこの能力がなく、ただ見守りミサイル防衛体制が期待通り作動するのを祈るしかない。
北朝鮮が原爆さらに水爆兵器まで保有していることがわかり、ミサイル搭載を進める中で日本のリスクは高まっている。日本政府は巡航ミサイル二型式の導入に前向きな姿勢を明らかにした。米国製共用空対地スタンドオフミサイル射程拡大型 (JASSM-ER)およびノルウェー・米国共同開発の共用打撃ミサイル(JSM)である。ともに日本に北朝鮮ミサイル発射台あるいは指揮命令発令所の破壊能力を実現する手段となる。政治面でいえばこうしたミサイルは「防御攻撃」用として先制攻撃に投入できるがあくまでも明確な脅威となる標的が対象だ。
JASSM-ERはシリア化学兵器製造工場攻撃に投入されたJASSMミサイルの改良型で、B-1、F-16、F-15から発射され射程距離は575マイル(925キロ)だ。日本のF-15JやF-2で日本海から発射すれば北朝鮮全土の標的を攻撃できる。1,000ポンド(450キロ)弾頭の精度は3ヤード(2.7メートル)以内で地下施設への貫徹攻撃も可能だ。
もともと日本関係者からトマホーク対地攻撃ミサイル購入案が出ていたが、米当局者は核弾頭運用を想定する同ミサイル売却に及び腰だった。これに対してJASSM-ERは通常兵器専用のミサイルで現政権としても主要同盟国への同装備売却に異論はないだろう。
その次に日本が導入を検討中なのがJSMだ。これはコングスバーグ海軍打撃ミサイルの発展形で米海軍が水平緯線越えの対艦ミサイルとして沿海域戦闘艦に搭載することを決めたものだ。JSMはF-35の兵装庫内に収まる設計で日本もF-35を42機導入する。JSMはMk.41垂直発射管からの運用も可能で海上自衛隊の誘導ミサイル駆逐艦が発射できる。
ただし北朝鮮あるいは中国の巡航ミサイル・弾道ミサイルを相手にした複雑な海空作戦の実施能力を日本が確立するまでに時間がかかる。こうした作戦の実施には今以上の情報収集監視偵察装備が必要となり、無人機、空中給油機、早期警戒指揮統制機の拡充が求められる。さらに攻撃兵器導入は重大な政策上の変更となる。北朝鮮により日本が破壊される脅威により日本の軍事力が刷新されさらに増強されれば北朝鮮、中国ともに望まない結果になるだろう。■
Kyle Mizokami is a writer based in San Francisco who has appeared in The Diplomat, Foreign Policy, War is Boring and The Daily Beast. In 2009 he cofounded the defense and security blog Japan Security Watch.
Image: F-15J at Chitose Air Base. Wikimedia Commons
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