新聞発表では5兆541億円と初めて5兆円台になったことが記録更新ということでしょう。米海軍協会が早速紹介しています。ドル表示にすると421億ドルとなり、ちょっとインパクトが減りますが、相当の規模だと行っていいでしょう。中身が問題で政策に呼応しつつやっとUAVの導入も決まり、ISRを重視する本来の方向に向かいつつあると評価します。
Cabinet Approves Record $42.1 Billion 2016 Japanese Defense Budget
By: Sam LaGrone
December 24, 2015 3:01 PM
安倍内閣は平成28年度防衛省予算に記録を更新する421億ドルを計上した。これは中国の軍事力整備、とくに人民解放軍海軍(PLAN)を念頭においた措置と見られる。
- 今回の予算措置で日本は兵力投射の手段を整備し、新装備導入で前方配備米軍部隊との共同作戦体制を更に進めることになる。
- 「今回の予算では日米安保協力をとくにISR(情報収集監視偵察)分野で進める」と防衛省関係者がAP通信に語っている。
- 次年度予算の調達装備は空ではロッキード・マーティンF-35AライトニングII共用打撃戦闘機(6機)、ベル・ボーイングV-22オスプレイティルトローター機(4機)、三菱重工SH-60Kヘリコプター(17機)に加え、ノースロップ・グラマンRQ-4グローバルホーク無人機(3機)とボーイングKC-46Aペガサス空中給油機の複数年度調達も始まる。
- 海では新型イージス誘導ミサイル駆逐艦1隻とそうりゅう級ディーゼル電気推進攻撃潜水艦(SSK)12号艦を調達する。
- その他艦船航空機の性能改修、弾薬類の調達、普天間海兵隊航空基地の移転関連、沖縄からグアムへの米海兵隊移動関連が含まれる。
- 新規調達装備の多くが東シナ海の尖閣諸島防衛と関連し、遠隔地島しょ部分の防衛が予算支出上で大きな比重を占める。今年9月に政府が防衛政策の変換をして今回がはじめての予算となる。
- 「政治面では安倍政権の安全保障政策は日本を世界の中に組み込むことがねらいで、米国と一緒に行動できる能力の整備が念頭にある」とUSNI Newsに寄稿するカイル・ミゾカミが解説している。「自衛隊は日本防衛で米軍と同等の能力を有する。安倍政権で自衛隊の相互運用能力の整備が焦点になっている」
- 日本が導入を目指す装備の大部分で高度の情報共有、目標データの共有が前線配備され他米軍部隊と実施可能となり、整備が進むNIFC-CA(ニフカ海軍統合火器管制防空構想)に組み込まれる。
- 中国は日本の防衛力整備を日本帝国時の軍事行動と意図的になぞらえる発言を繰り返している。「日本の軍事安全保障面での動きは歴史的経緯からアジア各国ならびに国際社会が注視している」と中国外務省報道官洪磊が24日述べ日本を牽制している。「日本が歴史を直視し、平和的発展の途を外れることなく域内の平和安定に建設的役割を果すよう希望する」■
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