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台湾への武器販売内容は極めて妥当。中国の抗議に耳を傾けず米国はこのまま実施すべきだ。


米国には台湾防衛を目的とした法律があり、必要な武器の提供はまったく合法です。今回の目録を見てもオバマ政権が相当に神経を使っていることがわかりますが、あまりにも北京の主張が激しいため台湾への武器販売そのものがおかしいと感じてしまう向きが多いのではないかと危惧します。オリバー・ハザード・ペリー級フリゲートは全艦が退役していますが、今後各国向けに使い勝手の良い装備としてもてはやされるのではないかと思います。

U.S. Plans Modest $1.83B Taiwan Arms Deal; Little Offensive Power in Proposed Package

December 16, 2015 11:35 AM • Updated: December 16, 2015 1:58 PM

国務省は議会に総額18.3億ドルと比較的小規模な台湾向け有償軍事販売案を本日中に提示する。前回の軍事装備提供から4年たっている。USNI Newsが内容を把握した。

  1. 消息筋によれば案には旧米海軍所属のオリバー・ハザード・ペリー級フリゲート艦2隻の現役復帰、対空ミサイル、対装甲車両ミサイル、36両のAAV-7水陸両用強襲車両(AAV)が含まれている。
  2. 4年ぶりとはいえ、18.3億ドルの内容は前回の59億ドルより小規模だ。前回はロッキード・マーティンF-16ファルコン戦闘機隊の改修があり、さらにその前の2010年は60億ドルだった。
  3. 今回漏れているのは新型ディーゼル電気推進潜水艦建造計画(SSK)で、オランダ製で1980年代の旧式海龍Hai-lang級(2,600トン)の後継艦を整備する構想だ。また次世代戦闘機についても全く動きが見られない。
  4. 「今回の装備はほぼ防衛用と言える」とエリック・ワーザイム(海軍アナリスト兼米海軍協会Combat Fleets of the World編者)がUSNI Newsに感想を述べている。「現政権が中国の神経を逆なでしたくないと考えているのは明白で、攻撃的性格の強い装備は対象外にし力の均衡を崩さないよう配慮している」
  5. この数年間で台湾向け武器輸出がなかったのは議会内に原因がある。
  6. 台湾国防部が今年初めに国産潜水艦開発に乗り出すと発表したが、米国はジョージ・W・ブッシュ大統領時代に合意形成した潜水艦計画の実現に失敗していた。
  7. 先月末にジョン・マケイン上院議員(共、アリゾナ)とベン・カーディン上院議員(民、メリーランド)がホワイトハウスに書簡を送り、中国の軍事拡張に対して米国が台湾援助をしていないことに懸念を示している。

USS Taylor (FFG-50) returns to its homeport of Naval Station Mayport, Fla. on Aug. 9, 2014. The ship is one of two the US may sell to Taiwan. US Navy Photo
メイポート海軍基地に帰還するUSSテイラー(FFG-50)、2014年8月9日撮影。同艦は台湾への売却対象の一艦である。US Navy Photo

  1. 「台湾と中国の関係が望ましい方向を示す一方、中国の軍事力近代化が着々と進む中で台湾海峡の平和と安全が脅かされることが多くなっている事態を正しく認識されていないのは由々しきことである」と書簡は述べていた。
  2. 「防衛支出の動向にも二人とも懸念を持っている。台湾の軍事力はひきつづき予算不足で必要な支出ができない状態にあり、有効な抑止力の整備がままならない。とくに軍の人件費の増大のため投入可能な資源に制約が生まれている」
  3. 今回の販売目録が正式に発表された後、マケイン議員事務所は声明を出し、台湾向けの武器販売を定期的に行うよう求めるとともに、台湾政府にはGDP比3%の防衛支出をするよう求めた。
  4. 「現政権による台湾向けの新規武器販売内容を強く支持する。台湾関係法および民主国家を支え、台湾海峡の安定を維持する米国の国益の双方から今回の決定は首尾一貫したものである」と声明文はまとめている。
  5. 「さらに前向きに米国は台湾向け武器販売を定期的に行うべきで、米中関係を理由にした引き伸ばしは許されるべきではない。台湾も国内総生産の少なくとも3%を防衛に支出すべきだ」
  6. これに対して中国政府の見方は異なる。中国にとって台湾は離脱した自国領土であり、何十年にわたり経済と政治の両面から台湾に圧力をかけ、他国から武器購入を食い止めようとしてきた。
  7. 中国の見解は昨年に出た声明文で要約されている。米、イタリア双方の防衛産業が台湾で掃海艇を製造しようとしていた。
  8. 「中国は台湾への武器輸出に一貫して反対して、海外と台湾間でいかなる形での技術交流や技術協力にも反対する。この姿勢は明確であり一環している」とし、「関係各国が中国の中核的権益を尊重するよう求める。一つの中国原則に立ち、台湾には武器販売はおろか台湾の軍事装備開発の支援も行うべきではない。海峡両岸の平和的発展を支援し、中国への再統一を平和的に実現することに手を貸すべきである」■


参考 今回提示された台湾への装備売却リストは以下の通り。

  • ファランクス個艦防御システム(416百万ドル)
  • AAV-7水陸両用強襲車両36両(375百万ドル)
  • BGM-71TOW28対戦車ミサイル769基(268百万ドル)
  • FIM-92スティンガー防空ミサイル250基(217百万ドル)
  • 旧オリバー・ハザード・ペリー級2隻再就役(190百万ドル)
  • 海軍艦艇用Link 11/Link 16データリンク10式(120百万ドル)
  • 多機能情報分散システム低容量ターミナル(MIDS/LVT-1)および共用戦術情報分散システム(JTIDS)向けサポート(120百万ドル)
  • 掃海艇(仕様不明)数隻、ただし直接販売型式(108百万ドル)
  • FGM-148ジャヴェリン対戦車ミサイル201基(77百万ドル)
なお、これ以外に台湾と米太平洋軍司令部間の双方向通信を無料で提供する

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