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韓国KF-Xが4.5世代機でF-35を上回る機体価格になる....海外市場での訴求力はあるのか

 


国はF-35AライトニングIIステルス戦闘機計40機を購入すると2020年6月に発表した。先行調達分13機に追加する。

 

さらに2020年8月に入り、国防整備計画(2021年-2025年)の一環として空母一隻の建造計画も発表し、中国、日本と競合する態度を示した。韓国の空母は全通型甲板といわれるが、垂直着陸型F-35Bの導入に踏み切るか明確でない。

 

現実味のあるシナリオは韓国製空母に国産KF-X多任務機を導入する案だ。KF-Xの初飛行は2022年予定。同機は最高速度1,400 mph(約マッハ1.83)、航続距離約1,800マイルでペイロードは7.7トンとなる。

 

これは「ニュース」といいがたい。というのはKF-X構想は2010年に韓国とインドネシアの共同開発事業として発表されており、昨年のソウルADEX2019見本市まで同機の詳細は不明のままだった。販促ビデオで高性能ぶりをうたうものの、気になるのは同機が4.5世代機と称されていることで、韓国が同機を空母搭載すればF-35Bより一歩後退する機材となる。

 

 

韓国航空宇宙工業(KAI)が試作型一号機の製造を進展中とされ、機体の画像があちこちに現れてきた。KAIは同機は単座型・複座型を並行生産し、主翼に各三点のハードポイントがあり各種兵装あるいは燃料タンクを搭載可能とするが共通だ。機体本体下にミサイル四発を搭載する。

 

相当の性能の機体になっても第五世代機にならないまま、機体価格の問題がついてまわる。Eurasian Times記事では航空専門家の見解としてKF-Xの価格はロッキード・マーティンF-35を上回るとある。KF-Xは韓国史上最大の国産装備開発事例となるが、記事では政府は8.6兆ウォン(70億ドル)を投じているとある。

 

本生産が始まり、韓国空軍(ROKAF)向け引き渡しが2026年に始まるころには政府は10兆ウォンを追加投入しているはずだ。Forbes.comはKF-X機体単価を約130百万ドルとみており、F-35の2019年価格以上となる。

 

F-35に関してはロッキード・マーティンが価格低下を実現している。これが海外で関心を集め、F-35は今のところ海外導入実績のある唯一のステルス戦闘機になっている。韓国も海外市場の関心を集める機体が作れるかは未知数だ。

 

韓国は老朽化進むマクダネル・ダグラスF-4D/EファントムII、ノースロップF-5E/FタイガーIIの更新機材として120機を必要とするが、KF-Xは非常に高額な選択肢になる可能性がある。■

 

この記事は以下を再構成したものです。

 

South Korea's KF-X Stealth Aircraft Could Cost More Than an F-35

September 11, 2020  Topic: Security  Region: Asia  Blog Brand: Korea Watch  Tags: South KoreaKF-XStealthF-35North KoreaMilitary

South Korea's KF-X Stealth Aircraft Could Cost More Than an F-35

by Peter Suciu

 

Peter Suciu is a Michigan-based writer who has contributed to more than four dozen magazines, newspapers and websites. He is the author of several books on military headgear including A Gallery of Military Headdress, which is available on Amazon.com.

 

Image: Korea Aerospace Industries​.

 


コメント

  1. >現実味のあるシナリオは韓国製空母に国産KF-X多任務機を導入する案だ。

    現実味のある??KF-Xを艦載機にする構想があるだなんて、初めて聞きましたけど…
    韓国の空母導入計画にしても、正式に漏れ伝わってきたのは最近じゃないですか。
    航空機を艦船に着艦・発艦させ、それなりの兵器と燃料を搭載して戦闘で運用しようと思ったら、
    機体構造及びそれに連なる降着装置まで設計段階で強度と性能を確保しなけりゃならんでしょう。
    なまなかの改造・改修レベルでどうこうできるものじゃないと思いますけどね。

    >韓国も海外市場の関心を集める機体が作れるかは未知数だ。
    ものすごーく安く作れれば、ポストF-16になれるかも。すべての国がF-16をF-35で代替できるわけではないし。まあ、エンジン双発の時点で困難でしょうが。

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