お隣の国ながら先行き心配な事業のスタートですね。なんとかなる、と始めるのはいいのですが、結局絵に書いた餅にならないよう必要な計画変更や予算手当をしてもらいたいところです。しかしダメダメな政府の代わりに借り入れで資金調達までしたKAIは立派ですね。
South Korea Contracts KAI For KF-X Development
Dec 28, 2015 Bradley Perrett | Aerospace Daily & Defense Report
SYDNEY—韓国政府は韓国航空宇宙工業(KAI)にKF-X戦闘機の調達契約を期間2016年から26年、納入開始を2026年設定で12月28日付けで交付した。
- 双発でユーロファイター・タイフーンとほぼ同寸のKF-Xの開発ではインドネシアの支援を受ける。だがKAIが2016年中に契約をどこまで履行できるか不明だ。国防省が確保した当初12ヶ月分予算がきわめて少ないため。
- さらに米国技術にどこまでのアクセスを韓国が許されるかも不透明だ。
- 開発期間を10年半とすると韓国国防調達庁(DAPA)が発表している。
- 発足式典は1月予定と韓国経済日報が伝え、1号機は2026年9月に引き渡し予定だという。まず40機を生産し、その後80機を2029年から2032年に製造する。
- KAIが2016年に支出できる額は不明だが小規模のようだ。国会は670億ウォンを認めたが国防省原案の1,620億ウォン、財務省が開発期間全体で認めた8.8兆ウォンに比べると相当低い。
- インドネシア議会もKF-X向けに1.07兆ルピア(79百万ドル、910億ウォン)をすでに10月に承認しているが、全額が2016年に利用可能ではないものの、韓国自体の予算規模よりは大きくなるだろう。仮にインドネシアが20%に設定した開発費用の負担枠いっぱいに支出しても、当初10年間で想定した予算規模のわずか1.3%しか手当できないことになる。比較のため、F/A-18ホーネットでは開発初年度だけで総開発期間7年の7.5%相当の予算がついていた。
- 昨年10月にDAPAは次年度のKF-X開発予算として600億ウォンの追加要求をしたとの報道を否定している。先行したT-50超音速練習機とスリオンヘリコプターの両開発事業でKAIは自社で資金を借り入れ予算不足による開発遅延を回避している。
- さらに開発予算総額は財務省の精査を受けている。国防省傘下のシンクタンク韓国国防研究院によれば10兆ウォン超の追加投入が必要と見積もっている。
- DAPAはKAIを昨年3月に契約企業と選定し、エアバスと組んた大韓航空を認めなかった。ロッキード・マーティンはKF-X開発で技術支援をすることになっており、その見返りで韓国はF-35ライントニングII40機をF-X第三段階として導入する。
- 米国は中核技術をKF-Xに導入する許可を出していない。軍事機密の漏洩を恐れているためだ。インドネシアが参画しているが、米国は同国には軍事技術をほとんど供与しておらず、米政府としても前向きになれない。米韓両国はこの問題で結論を出し切れていない。■
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