スキップしてメイン コンテンツに移動

一か月で10名殺害 ISIS指導層を狙い撃ちする空爆作戦の成否は?



新年から重い話題ですが、避けて通れません。イスラム国(徴税までして行政システムが動いているので国であるといってよいと思います)への空爆は効果を上げつつあるようです。ただし指導部を狙い撃ちしてもきりがないと思うのですが、組織崩壊を狙うとしても効果はどうなのでしょう。とまれ、無人機を使った作戦は情報戦の様相を示しているようです。



Coalition Sees Success in Targeting ISIL leaders

By Joe Gould7:29 a.m. EST December 30, 2015

635587456789655731-bilde(Photo: General Atomics Aeronautical Systems)
NEW YORK — 有志連合軍による空爆でイスラム国関連の指導層10名が殺害された。先月のパリ襲撃事件に関与する数名も含まれていると連合軍報道官が12月29日に発表。
  1. 「過去一か月でISIL指導層10名の殺害に成功しており、対外襲撃計画に関与していたもの含め、一部はパリ襲撃に関連していた」と米陸軍スティーヴ・ウォーレン大佐が発表している。「戦闘員を勧誘し、米国や同盟国大将の攻撃をたくらむISIL指導部の狩りは今後も続ける。」
  2. ウォーレンは空爆の詳細をほとんど明かしていないが、実施の大部分がプレデターはじめとする無人航空機によるもので、イスラム国指導部を狙う空爆の続行で地上戦でこの数か月戦況が好転していると述べた。
  3. 「どんな組織でも最高位あるいは中間の管理機能が低下すれば求心力も低下するはずだ。また指導部が不在では指揮統制の実施が困難になるはずだ」
  4. 12月28日現在で米軍及び有志連合軍は合計9,220回の空爆を実施し、うちイラクが6,082回、シリアが3,138回だったとペンタゴンが発表している。中心は米軍で、計7,143回を実施した。
  5. 殺害された10名にはチャラフェ・アル・ムアダンがおり、パリ襲撃犯の主導者アブデルハミド・アバウドと直接つながる人物だとウォーレンは解説した。アル・ムアダンは12月24日シリア国内で殺害されたが、西側諸国へ追加攻撃を計画していたという。
  6. アブドル・カダ・ハキムはイスラム国の「対外作戦推進役」だったが12月26日にモスルで殺害されている。ウォーレン大佐は経験豊かな戦闘員であり、偽造の専門家でもあり、「パリ襲撃の実行犯とつながっていた」とし「この人物の死でヨーロッパとの重要な連絡役が不在となった」
  7. 空爆対象は中間レベルの工作員が多いが、一部は「対外作戦」に関与した嫌疑があり、その一人シリア在住のバングラデシュ人シフル・スジャンはシリア・ラッカ近郊で殺害されたが、「ハッキング、対監視技術、兵器開発」にあたっていた。
  8. 「蛇の頭をたたいているが、まだ毒牙は残っており、これを片付ける必要がある。戦闘は激化するだろう」(ウォーレン大佐)■


コメント

このブログの人気の投稿

フィリピンのFA-50がF-22を「撃墜」した最近の米比演習での真実はこうだ......

  Wikimedia Commons フィリピン空軍のかわいい軽戦闘機FA-50が米空軍の獰猛なF-22を演習で仕留めたとの報道が出ていますが、真相は....The Nationa lnterest記事からのご紹介です。 フ ィリピン空軍(PAF)は、7月に行われた空戦演習で、FA-50軽攻撃機の1機が、アメリカの制空権チャンピオンF-22ラプターを想定外のキルに成功したと発表した。この発表は、FA-50のガンカメラが捉えた画像とともに発表されたもので、パイロットが赤外線誘導(ヒートシーキング)ミサイルでステルス機をロックオンした際、フィリピンの戦闘機の照準にラプターが映っていた。  「この事件は、軍事史に重大な展開をもたらした。フィリピンの主力戦闘機は、ルソン島上空でコープ・サンダー演習の一環として行われた模擬空戦で、第5世代戦闘機に勝利した」とPAFの声明には書かれている。  しかし、この快挙は確かにフィリピン空軍にとって祝福に値するが、画像をよく見ると、3800万ドルの練習機から攻撃機になった航空機が、なぜ3億5000万ドル以上のラプターに勝つことができたのか、多くの価値あるヒントが得られる。  そして、ここでネタバレがある: この種の演習ではよくあることだが、F-22は片翼を後ろ手に縛って飛んでいるように見える。  フィリピンとアメリカの戦闘機の模擬交戦は、7月2日から21日にかけてフィリピンで行われた一連の二国間戦闘機訓練と専門家交流であるコープ・サンダー23-2で行われた。米空軍は、F-16とF-22を中心とする15機の航空機と500人以上の航空兵を派遣し、地上攻撃型のFA-50、A-29、AS-211を運用する同数のフィリピン空軍要員とともに訓練に参加した。  しかし、約3週間にわたって何十機もの航空機が何十回もの出撃をしたにもかかわらず、この訓練で世界の注目を集めたのは、空軍のパイロットが無線で「フォックス2!右旋回でラプターを1機撃墜!」と伝え得てきたときだった。 戦闘訓練はフェアな戦いではない コープサンダー23-2のような戦闘演習は、それを報道するメディアによってしばしば誤解される(誤解は報道機関の偏った姿勢に起因することもある)。たとえば、航空機同士の交戦は、あたかも2機のジェット機が単に空中で無差別級ケージマッチを行ったかのように、脈絡な

主張:台湾の軍事力、防衛体制、情報収集能力にはこれだけの欠陥がある。近代化が遅れている台湾軍が共同運営能力を獲得するまで危険な状態が続く。

iStock illustration 台 湾の防衛力強化は、米国にとり急務だ。台湾軍の訓練教官として台湾に配備した人員を、現状の 30 人から 4 倍の 100 人から 200 人にする計画が伝えられている。 議会は 12 月に 2023 年国防権限法を可決し、台湾の兵器調達のために、 5 年間で 100 億ドルの融資と助成を予算化した。 さらに、下院中国特別委員会の委員長であるマイク・ギャラガー議員(ウィスコンシン州選出)は最近、中国の侵略を抑止するため「台湾を徹底的に武装させる」と宣言している。マクマスター前国家安全保障顧問は、台湾への武器供与の加速を推進している。ワシントンでは、台湾の自衛を支援することが急務であることが明らかである。 台湾軍の近代化は大幅に遅れている こうした約束にもかかわらず、台湾は近代的な戦闘力への転換を図るため必要な軍事改革に難色を示したままである。外部からの支援が効果的であるためには、プロ意識、敗北主義、中国のナショナリズムという 3 つの無形でどこにでもある問題に取り組まなければならない。 サミュエル・ P ・ハンチントンは著書『兵士と国家』で、軍のプロフェッショナリズムの定義として、専門性、責任、企業性という 3 つを挙げている。責任感は、 " 暴力の管理はするが、暴力行為そのものはしない " という「特異な技能」と関連する。 台湾の軍事的プロフェッショナリズムを専門知識と技能で低評価になる。例えば、国防部は武器調達の前にシステム分析と運用要件を要求しているが、そのプロセスは決定後の場当たり的なチェックマークにすぎない。その結果、参謀本部は実務の本質を理解し、技術を習得することができない。 国防部には、政策と訓練カリキュラムの更新が切実に必要だ。蔡英文総統の国防大臣数名が、時代遅れの銃剣突撃訓練の復活を提唱した。この技術は 200 年前のフランスで生まれたもので、スタンドオフ精密弾の時代には、効果はごくわずかでしかないだろう。一方、台湾が新たに入手した武器の多くは武器庫や倉庫に保管されたままで、兵士の訓練用具がほとんどない。 かろうじて徴兵期間を 4 カ月から 1 年に延長することは、適切と思われるが、同省は、兵士に直立歩行訓練を義務付けるというわけのわからない計画を立てている。直立歩行は 18 世紀にプロ