スキップしてメイン コンテンツに移動

★ロケット軍創設、中国の軍拡の背景に潜む考え方とは

h

面子がすべてだ、強国だからこそ強力な軍備が必要だとどんどん先を目指す中国はやはり異様な国です。国際社会で孤立化する可能性に気づいていないのでしょうか。かつてのソ連は軍拡の挙句に崩壊しましたが、今回は米国の優位性が危うくなっており、中国はソ連の轍を踏まないでしょうから西側も中国の暴走を止める別の方法が必要です。そこで第三の相殺戦略が効力を発揮するかがこれから数年間おおきな話題になるでしょう。なお、記事が引用している教授は相当過激な主張も展開している人らしく要注意です。

China Restructures Military As Xi Eyes 'Strong Army'

Agence France-Presse12:16 p.m. EST January 2, 2016

SHANGHAI — 中国が軍組織改組で新たに三つの部隊を加えると発表し、習金平主席は「強力な軍隊をめざす中国の夢を実現する重要政策決定」と評していると国営通信が伝えた。
  1. 新組織発表の前に中国政府は空母二号艦が建造中と認めている。
  2. 中国は共産党による人民解放軍(PLA)の掌握をさらに強化する方策を実施すると11月に発表していた。
  3. 今回の発表では戦略ミサイルを取り扱う軍組織の新設が含まれている。この「ロケット軍」以外に地上部隊の総司令部組織、戦闘部隊の支援組織を国営新華社が伝えている。
  4. 習主席は共産党トップであるとともに軍の最高司令官もつとめ、先に中国軍を三十万人削減し2百万人体制とし戦闘部隊の効率化を追求すると発表した。
  5. 中央軍事委員会から1日に発表された方針では2020年までに軍の近代化を完了すべく兵員数を削減し、残る軍組織構成員の質を高めるとしている。
  6. 論調が右寄りなことで知られる環球時報は軍事力拡大の必要条件を列挙し、米国の存在をその理由としている。
  7. 「中国が米国に軍事力で差をつけられれば、中国の国際社会での地位が脅かされ各国も中国への接し方を変える」と2日付の社説で述べている。「軍が強力であってこそ、中国の政治影響力は拡大し、説得力を有する」
  8. 中国軍は日本、フィリピンと東シナ海、南シナ海で深刻な緊張関係にあり、偶発事件が軍事衝突に発展する恐れを生んでいる。
  9. 一方、新設のロケット軍の任務は通常、核双方の運用で抑止力とともに攻撃力を確保する。習主席は新組織発足の式典でこう述べたという。
  10. だが中国国防省報道官は核兵器運用方針で変更はないと説明。「中国の核兵器方針と核戦略は首尾一貫しており、いかなる変更もない」 また同報道官は新組織は第二砲兵軍を引き継ぐものと発表。
  11. 9月の軍事パレードで中国は「空母キラー」として陸上配備のDF-21D中距離弾道弾を公表し、最終誘導装置で移動目標へ有効な攻撃手段となるとしている。
  12. 中国問題の専門家は今回の動きは軍の近代化の一環と見る。「長い間中国には国外に権益を有さず、人民解放軍内部で海軍、空軍、誘導ミサイル軍は陸軍より低い地位に甘んじてきた。欧米の大国に追いつくため中国は装備近代化を急ぎ、軍の戦闘能力を引き上げる必要を感じている」(上海政法学院 Shanghai University of Political Science and Law の教授倪乐雄Ni Lexiong)■


コメント

このブログの人気の投稿

フィリピンのFA-50がF-22を「撃墜」した最近の米比演習での真実はこうだ......

  Wikimedia Commons フィリピン空軍のかわいい軽戦闘機FA-50が米空軍の獰猛なF-22を演習で仕留めたとの報道が出ていますが、真相は....The Nationa lnterest記事からのご紹介です。 フ ィリピン空軍(PAF)は、7月に行われた空戦演習で、FA-50軽攻撃機の1機が、アメリカの制空権チャンピオンF-22ラプターを想定外のキルに成功したと発表した。この発表は、FA-50のガンカメラが捉えた画像とともに発表されたもので、パイロットが赤外線誘導(ヒートシーキング)ミサイルでステルス機をロックオンした際、フィリピンの戦闘機の照準にラプターが映っていた。  「この事件は、軍事史に重大な展開をもたらした。フィリピンの主力戦闘機は、ルソン島上空でコープ・サンダー演習の一環として行われた模擬空戦で、第5世代戦闘機に勝利した」とPAFの声明には書かれている。  しかし、この快挙は確かにフィリピン空軍にとって祝福に値するが、画像をよく見ると、3800万ドルの練習機から攻撃機になった航空機が、なぜ3億5000万ドル以上のラプターに勝つことができたのか、多くの価値あるヒントが得られる。  そして、ここでネタバレがある: この種の演習ではよくあることだが、F-22は片翼を後ろ手に縛って飛んでいるように見える。  フィリピンとアメリカの戦闘機の模擬交戦は、7月2日から21日にかけてフィリピンで行われた一連の二国間戦闘機訓練と専門家交流であるコープ・サンダー23-2で行われた。米空軍は、F-16とF-22を中心とする15機の航空機と500人以上の航空兵を派遣し、地上攻撃型のFA-50、A-29、AS-211を運用する同数のフィリピン空軍要員とともに訓練に参加した。  しかし、約3週間にわたって何十機もの航空機が何十回もの出撃をしたにもかかわらず、この訓練で世界の注目を集めたのは、空軍のパイロットが無線で「フォックス2!右旋回でラプターを1機撃墜!」と伝え得てきたときだった。 戦闘訓練はフェアな戦いではない コープサンダー23-2のような戦闘演習は、それを報道するメディアによってしばしば誤解される(誤解は報道機関の偏った姿勢に起因することもある)。たとえば、航空機同士の交戦は、あたかも2機のジェット機が単に空中で無差別級ケージマッチを行ったかのように、脈絡な

主張:台湾の軍事力、防衛体制、情報収集能力にはこれだけの欠陥がある。近代化が遅れている台湾軍が共同運営能力を獲得するまで危険な状態が続く。

iStock illustration 台 湾の防衛力強化は、米国にとり急務だ。台湾軍の訓練教官として台湾に配備した人員を、現状の 30 人から 4 倍の 100 人から 200 人にする計画が伝えられている。 議会は 12 月に 2023 年国防権限法を可決し、台湾の兵器調達のために、 5 年間で 100 億ドルの融資と助成を予算化した。 さらに、下院中国特別委員会の委員長であるマイク・ギャラガー議員(ウィスコンシン州選出)は最近、中国の侵略を抑止するため「台湾を徹底的に武装させる」と宣言している。マクマスター前国家安全保障顧問は、台湾への武器供与の加速を推進している。ワシントンでは、台湾の自衛を支援することが急務であることが明らかである。 台湾軍の近代化は大幅に遅れている こうした約束にもかかわらず、台湾は近代的な戦闘力への転換を図るため必要な軍事改革に難色を示したままである。外部からの支援が効果的であるためには、プロ意識、敗北主義、中国のナショナリズムという 3 つの無形でどこにでもある問題に取り組まなければならない。 サミュエル・ P ・ハンチントンは著書『兵士と国家』で、軍のプロフェッショナリズムの定義として、専門性、責任、企業性という 3 つを挙げている。責任感は、 " 暴力の管理はするが、暴力行為そのものはしない " という「特異な技能」と関連する。 台湾の軍事的プロフェッショナリズムを専門知識と技能で低評価になる。例えば、国防部は武器調達の前にシステム分析と運用要件を要求しているが、そのプロセスは決定後の場当たり的なチェックマークにすぎない。その結果、参謀本部は実務の本質を理解し、技術を習得することができない。 国防部には、政策と訓練カリキュラムの更新が切実に必要だ。蔡英文総統の国防大臣数名が、時代遅れの銃剣突撃訓練の復活を提唱した。この技術は 200 年前のフランスで生まれたもので、スタンドオフ精密弾の時代には、効果はごくわずかでしかないだろう。一方、台湾が新たに入手した武器の多くは武器庫や倉庫に保管されたままで、兵士の訓練用具がほとんどない。 かろうじて徴兵期間を 4 カ月から 1 年に延長することは、適切と思われるが、同省は、兵士に直立歩行訓練を義務付けるというわけのわからない計画を立てている。直立歩行は 18 世紀にプロ