イスラム国を単なる狂信的な集団と思うとまちがいです。技術専門家も中におり、これまでは道端に即席爆弾を置き、輸送部隊を脅かしてきたのが空に拡大されかねません。今のところはまだ実用にならないようですが、看過できない状態だといってよいでしょう。
The Islamic State's improvised SAM
Neil Gibson, London and Jeremy Binnie, London - IHS Jane's Defence Weekly
10 January 2016
イスラム国は米国製シャパラル対空ミサイル車両(サイドワインダーミサイルを搭載)に相当する装備を自主開発しようとしている。
- イスラム国はR-13空対空ミサイルを地対空ミサイルとして搭載しようとしている。
- この過激集団が技術上の課題を克服してもそのままでは同装備は有志連合軍の航空機や民間航空機への脅威にはならないだろう
Sky Newsが1月5日にイスラム国が空対空ミサイルを地対空ミサイルに転用しようとしていると報じた。
同報道ではシリア反乱分子から入手したという映像を紹介。イスラム国専門家がシリア国内のアルラッカの「聖戦大学」で「西側で老朽化した多数のミサイルを再利用するため」の作業としてバッテリーを入れ替えている様子を伝えている。
映像ではミサイルの全体像は写っていないが、誘導制御部分はAIM-9サイドワインダーのもののようだ。ただしミサイルの飛行制御部分はR-13(AA-2「アトール」)(ソ連製サイドワインダーのコピー)のようだ。可能性が高いのはシリア空軍基地を占拠した際に持ち出したR-13Mだ。
サイドワインダーのバッテリーに手を入れることはきわめて困難だ。なぜなら目標探知装置と一体化されているためで、R-13でもおそらく同様だろう。
映像ではミサイルの誘導部分が航空機からの発射用ハードポイント調整装置が見える。これはミサイル発射まで電力を供給し圧縮ガスでシーカーを冷却しておくのが役目でパイロットは赤外線シーカーがロックオンすればミサイルを発射できる。■
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