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イランは拿捕した米パトロール艇から秘密装備を入手したのか


これは微妙な問題です。米海軍水兵の解放ばかりが注目されていますが、議員先生がいうような秘密装備がそのままイランの手に入ったのか、それともそもそもそんな装備が搭載されていなかったのか、議論を呼びそうです。

Lawmaker to Pentagon: Did Iran Seizure of US Navy Boat Net Classified Tech?

By Joe Gould and David Larter, Defense News 4:23 p.m. EST January 13, 2016
WASHINGTON — 米下院軍事員会の委員一名がペンタゴンに対し米海軍艦船及び乗員がイランに拿捕された際に艇内の機密装備品をイランが入手したのかを調査報告するよう求めている。
  1. ダンカン・ハンター議員はイラク戦の従軍した元海兵隊員で、「テロリストを支援」するイランは米国にとって脅威対象国だが今回の事件で米国の暗号関連機器、衛星通信機器、センサー、ジャマーにアクセスしていると述べた。米海軍の警備艇2隻にイランは乗り込んできた。
  2. 「イランが手を付けていないと考える向きはないはず」とハンター議員(共、カリフォーニア)は述べた。「乗員が無事解放されたのは嬉しいが、イラン軍が各艇にに何もせずに停泊させていたはずがない。技術をリバース・エンジニアリングされるか、コピーされるのではないか」
  3. 13日午前にイランは米水兵合計10名を解放した。河川用舟艇2隻がイラン海域に入り込み拿捕されて交渉が16時間も続いていた。
  1. 解放はイランと米第五艦隊(在バーレーン)が発表した。乗員はファルシ島を現地時間11:45に河川用強襲艇に分乗し出発し、軍用機が回収したと発表。
  2. イランは2隻がイラン領ファルシ島でイランの活動を「嗅ぎまわっていた」と非難している。同島はイランのエリート準軍事部隊の基地で、10名は同地で一夜を過ごした。
  3. イラン軍は司令艇からGPS装置を押収したとの報道がある。艇は全長49フィートでジェット推進で42ノットで進み、秘密通信装置が指揮命令用に搭載されている。
  4. ある米国防関係者の言では2隻が機微装備を搭載していたか確認できないという。
  5. ハンター議員は今回の事件の詳細は知らないとしながらも、両舟艇はハイテク機器を搭載し、イランが拿捕したのなら当然手を付けているはずと見る。
  6. 「自分だったらそうする。我が国もそうするだろうし、ロシアや中国も同じだ。皆んな同じことをするはずだ。そうではないと考えるのはあまりにも甘い」
  7. 国防総省には議会あるいは議会内関連委員会に対し非公開審議でイランがどの装備を入手したかを伝える義務があり、イランの軍事力にどんな影響がでるのか、米軍将兵の安全を守るために取るべき対策も伝える義務があると同議員は述べた。
  8. 「イランが各舟艇が搭載した装備すべての秘密を知っている環境で作戦を展開することになる。ニュースで見ると小舟艇は相当の装備を搭載しているようだ」
  1. イランにはリバース・エンジニアリングで前例がある。2011年のこと、墜落した米軍のRQ-170を分解し複製を作るとイランが発言している。同機は亜音速偵察用無人機でロッキード・マーティンが製造し、CIAが当時は運用していた。
  2. クリストファー・ハーマーは戦争学研究所の上席海軍問題専門家でパトロール艇2隻が高度な監視偵察装置やハイテク兵器を搭載していた可能性は低いと見る。乗員は標準的な海軍用無線装置を運用していたはずで、拿捕の場合は極秘装置は船外に捨てるのが標準対応で、まず無線装置の極秘ソフトウェアのコードを消去することになっているが、「パトロール艇はスパイ用ではない」と発言。■

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