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主張:このままだと第三次イラク戦争になるのか


USNI Newsより

Opinion: The Third Iraq War

By: Cmdr. Daniel Dolan
Published: June 24, 2014 12:57 PM
Updated: June 24, 2014 12:57 PM
Undated photo of ISIS militants
Undated photo of ISIS militants


海軍大学校 Naval War Collegeの戦略・政策研究科目で生徒は砂漠の嵐作戦Operation Desert Storm と不朽の自由作戦Operation Enduring Freedom (OEF)の双方を批判的に分析する機会がある。二件は学生、教員から第一次イラク戦争、第二次イラク戦争と呼称されているが、第三次イラク戦争とでもいうべき事態が展開しているのを目の前にしている。
  1. アメリカのイラク国内紛争への関与は米国史上最長の戦役になっている事実が見落とされている。この議論にはどこを起点にするかで大きく変わるが、イラク戦の開始は1990年8月8日にジョージ・H.・W・ブッシュ大統領(当時)が有名になった「砂漠に線を引く」スピーチをしたのが出発点ととらえるのが歴史学者の多数意見だ。そうなると24年の長さになる。その間にアメリカは文明発祥の地で交戦し何を学んだか。
  2. 軍事歴史学者が研究室から見ているとイラクで現在進行中の情勢はまるで昔のベトナム事例を思い起こさせる。ベトナムでアメリカは軍事顧問少数から重武装の通常兵力まで介入をエスカレートさせているが、イラクでは重武装兵力から始め軍事顧問団に変化させている。軍事顧問団は実際の戦闘に巻き込まれるのを躊躇している。
  3. 以前の二回のような大規模軍事作戦は現時点ではそぐわない。この点をオバマ大統領が6月19日に意識して発言している。「米軍部隊はイラクの戦闘には参加しないが、イラク国民を恐怖させているテロリストへの戦いを支援する。地域内のみならずアメリカの権益も脅かすからだ」 地上兵力はイラク軍に任せ、アメリカは情報活動、訓練、支援ならびに少数の無人機攻撃を提供するのが内戦状態の同国には最適だというのだ。
  4. イラク・シリア・イスラム国家(ISISあるいはISIL)の戦闘部隊の多くが数か月前に議会多数派が軍装備の提供が必要だと考えていた対象と同じであるのは奇妙な事実だ。シリア国内で活動していたスンニ派過激派であり、シリア政府シーア派やアラウィ派と抗争していた勢力だ。シリアでシーア派相手に対抗する間はアメリカにとって良い勢力として軍事支援の対象だったが、今はシーア派が支配するイラク政府の破壊が関心の的になっており、世界で一番危険なテロリスト集団になっている。もしここまでで頭が混乱したとしても皆が混乱しているので心配は不要。イラクとシリアの情勢はそこまで複雑になっているのだ。
  5. 海軍大学校生徒は内戦が戦争形態として暴力度が最高に高く、処理に困る事例だと学ぶ。我が国自身の南北戦争が好例で、英国その他欧州列強が介入を狙っていた。アメリカ国内には第三次イラク戦争のような部族間地域間の強い憎悪の感情は生まれなかったが各国が、火に油を注ぐようとしたのは確かだ。
  6. 2003年のイラク進攻の前には多くの戦略上の見落としやミスがあったがとくにアメリカがサダムのスンニ派支配体制をシーア派に置き換えようとしたのが最大の失策だ。OEFの作戦立案が一時中断したのはアラブのシーア派が支配する国がまだ存在していないためだ。これは紛争の文化的側面である。中東でイラクほどスンニ、シーア両派の対立が悲惨な国はない。これを軽々と見過ごしてしまっている。.
  7. スンニ対シーアの対立を地域の文脈で見ればスンニ派主導のアラブ同盟国がシーア派が支配するイラクを支援してスンニ派過激派からの防衛に手を貸す可能性がないことはあきらかだ。そうなると、第三次イラク戦争ではイラクが期待する同盟国は二国しかなく、双方とも現状のイラク国内構造の温存を期待している。つまり、米国とイランである。国務省報道官マリー・ハーフMarie Harf は米国がイラク情勢およびISISによる脅威についてウィーンで継続中のイラン核問題協議の中で「ごく短い意見交換」をしていると発表した。
  8. 同盟関係が変化して、敵が味方に一夜にして変貌すること、終わりがない観のある紛争状態にはジョージ・オーウェルの小説「1984年」を想起させるものがある。米国がイランと共同でイラクの治安回復にとりかかるなど考えてもみなかったのでないか。 すべてはどこを起点に考えるかで変わってくるのである。


ダニエル・ドーラン海軍中佐は海軍大学校で戦略・戦争論の教鞭をとり、海軍作戦部長付き専門読書プログラムの副主幹もつとめる。EP-3の飛行士官をつとめ、海軍協会紀要にも寄稿多い。本記事で表明された見解は海軍大学校、国防総省、米政府のいずれの公式見解を代表するものではない。


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