おや、ナヴァルグループによる通常型潜水艦建造は断念して一気に原子力潜水艦調達にオーストラリアは向かうのでしょうか。米英豪の強いつながりを感じさせます。韓国がこれで原子力潜水艦調達が現実に近づいたと考えれば大きな勘違いでしょうね。
インド太平洋の各国が中国への備えを強める中、米国は域内のトップ同盟国へ原子力推進技術を供与する。
AUKUSすなわち米英豪三か国は安全保障取り決めをこの度形成し英米両国がオーストラリアのめざす原子力推進潜水艦実現を支援することになった。
南シナ海での中国との対決では原子力潜水艦の生存性が一番高いといわれる。原子力潜水艦は長距離移動でき、通常型潜水艦より長期間潜航が可能なため、広大なインド太平洋で理想的な装備となる。
「AUKUSとしてオーストラリアが望む原子力潜水艦調達を支援し、三か国共同作業を18カ月続ける。その中で技術分野、戦略、海軍関係の専門チームを組織し、実現に最適な方法を模索する」とバイデン政権高官が報道陣に語り、米国が同技術を供与した例は英国だけで1958年のことだったと解説した。
「オーストラリアは協力関係を深化させ、原子力推進潜水艦取得の方法を模索する。これによりオーストラリアに長期間配備能力が生まれることを強調したい」と同上高官は説明した。「静粛度が高く高性能だ。インド太平洋の抑止力整備に役立つ。そのため原子力技術のベストプラクティスで共同作業を進める。三か国の海軍部隊が共同作戦を展開し、原子力インフラを共有すれば各国間協力はさらに密接になる」
オーストラリアへの技術供与で同国の原子力潜水艦調達は現実に一歩近づく。オーストラリア国内の建造施設は原子力推進艦艇にも対応可能だが、国産建造となるのか、英米いずれかからの調達になるかは不明だ。
米海軍で潜水艦を専門としたある退役提督は原子力推進技術をオーストラリアと共有すれば米国の対オーストラリア関係が大きく変わるとUSNI Newsに述べた。
「オーストラリア海軍が原子力推進を採用すれば西太平洋での対応能力は確実に整備される」「中国へのメッセージだ。中国は経済面でオーストラリアに懲罰を与えており、今回の動きが回答だ」
また、今回の合意でオーストラリアが原子力潜水艦を調達し、米海軍攻撃型潜水艦がオーストラリアで整備を受けることも可能となれば米国のプレゼンスが同地域で拡大すると同提督は指摘する。
「合意内容にプレゼンス拡大につながる要素がある。これまで艦の整備が配備期間を制約してきた」
AUKUS新合意では広範囲の技術共有も盛り込まれており、防衛外交対話も続けると上記高官が述べている。
取り決めでは「新規分野での協力強化としてサイバー、AI特に応用AI、量子技術、および水中運用技術を対象とする。情報共有も深化させ、安全保障・防衛関連の科学技術や産業基盤、サプライチェーンで統合効果がこれから出てくる」「これを維持して各国の機能をくっつけ三か国関係をさらに拡大していく」と同高官は語った。
今回の発表はバイデン政権がインド太平洋特に中国に焦点を当てる中でで出てきた。バイデン大統領はアフガニスタン撤収を正当化するためこの説明を使っている。
「今回の動きはより大規模な対応の一部だ。従来からの安全保障提携国日本、南朝鮮、タイランド、フィリピンに加え、新規相手のインド、ヴィエトナムとも二か国関係を強化しつつ、新しい仕組みを作っていく。クアッドはその例だ」と同高官は今回の安全保障合意の背景を説明している。
2016年にフランス企業が王立オーストラリア海軍のコリンズ級潜水艦の後継艦をフランスの原子力潜水艦バラクーダ級を通常動力に変更し建造する契約交付を受けた。だが、事業は打ち切りとなり、オーストラリアは原子力潜水艦取得に問題なく進められる、とオーストラリア放送協会は本日報道した。■
Australia to Pursue Nuclear Attack Subs in New Agreement with U.S., U.K.
By: Mallory Shelbourne and Sam LaGrone
September 15, 2021 5:04 PM
あほくさ。
返信削除原子力推進に対する抵抗感がどうとか、国内製造比率がどうとかって話はなんだったんですかね。
米英豪は新たな同盟を作るようだ。この同盟、AUKUSは、通常の国家間、あるいは国家群の軍事同盟よりもっと緊密で強固なものであり、最重要機密な情報の共有や共通の軍事装備の技術・開発・製造、及び相互運用を目指すものである。これはNATO等の同盟の結び付きをはるかに超える同盟となり、最終的には国家を超える軍事組織を目指しているようにも見える。記事の豪の米英技術による原潜取得はその一環である。
返信削除AUKUSは、QUADのバックボーンになると推定する。つまり、CCP中国と直接対峙する日本とインドを支援し、同時に台湾を含む他のアジアの友好国を支える戦略と推定する。対中国のAUKUSの要は豪であり、今後、多くの基地や施設が作られることになるだろう。また、豪自身は原潜を含む遠距離投射能力を拡大することになる。
日本にとってAUKUSの形成は、安全保障に大きな変化をもたらす可能性があり、日米同盟を超えるAUKUSとの同盟参加が問われることになりそうだ。