「ファイブアイズ」サミットがカリフォーニアで2019年に開かれた(Photo: Rights reserved).
「ファイブアイズ」通信傍受追尾集団を率いる米国はオーストラリア、カナダ、ニュージーランド、英国とともに新規加盟国を加えたいとする。
1941年の大西洋憲章調印後に英米両国は枢軸国の通信傍受の仕組みづくりに動いた。1946年のUKUSA合意に発展し、1948年にカナダを加え、その後オーストラリア、ニュージーランドが1956年に加入し、「ファイブアイズ」(FVEY)が生まれた。
その後、第二陣として発足五か国と同等ではないが、デンマーク、フランス、ノルウェー、オランダ加わり、さらにその後ドイツ、ベルギー、スペイン、イタリア、スウェーデンも加わった。今回は第四次加盟国として南朝鮮、イスラエル、日本、シンガポールが加わる。
下院軍事委員会はドイツ、南朝鮮、インド、日本の地位を高めるべきとの構想を練っている。
ファイブアイズの全貌は2013年にエドワード・スノーデンがすっぱ抜くまで誰も知らなかった。この「内部告発」によりファイブアイズは外国勢力のみならず加盟国国民も監視対象にしていることが判明した。スノーデンは現在ロシアに亡命中だが、以下の監視事業五種類を暴露した。
プリズムは主要インターネットプロバイダー各社上のインターネット通信を不法に監視するもの
テンポラは潜水艦ケーブルを介しての通信傍受
マスキュラーは国際間のデータベースのやり取りを傍受する
ステイトルーム(ウィーン条約に違反し大使館、領事館の現地通信を傍受する)
Xキースコアは世界規模のデータ処理
ファイブアイズは国家が運用するというよりむしろ国家の域を超える存在だ。各国の憲法や基本法を違反することもある。加盟国の元首や政府が集まった姿よりも強力を誇る。「世界で最も監視されてるのはファイブアイズ」国の市民で、中国やロシア国民よりもその監視の強さは大きい。■
"Five Eyes" about to become "Nine Eyes"
VOLTAIRE NETWORK | 6 SEPTEMBER 2021
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