Navy Block V Submarine Deal Brings New Attack Mission Ops
By Kris Osborn - Warrior Maven
大量の火力を敵目標付近から投入する、脅威環境で「情報」活動を秘密裏に行う、水中から攻撃・偵察用無人機を発進させる...これが米海軍がヴァージニア級攻撃潜水艦ブロックVに期待する内容だ。
9隻が建造されると潜水艦による攻撃戦略や作戦構想に変化が生まれる。総額220億ドルのブロックV建造では全長80フィートの兵装部分が艦体に追加されトマホークミサイルが従来の12発から40発へと大幅に攻撃力を増強する。
「ブロックVヴァージニア級のヴァージニアペイロードモジュールは潜水艦戦力で画期的な進歩となる」と潜水艦部門の計画主管デイヴィッド・ゴーギンス少将が述べている。「新設計で艦隊は米国の海中優越性を維持できる」
海軍はブロックV各艦は「音響面で優越性を実現する設計変更」を搭載と伝えている。
「ブロックVには開発中の装備を搭載し、USSサウスダコタが1号艦となる」とクリストファー・ハンソン大佐(ヴァージニア級計画主任)が2019年4月に海軍連盟主催のシンポジウムで述べていた。
新規建造艦の技術的詳細は保安上の理由で不明だが、USSサウスダコタは各種新技術が導入され今までにない性能の攻撃型潜水艦になるとハンソン大佐は述べていた。同艦は供用を開始しており、テスト艦として新技術の実証に使われる。新技術はブロックVに加え2024年から始まるブロックVIにも応用される。やはり詳細は不明ながらUSSサウスダコタにはエンジン静粛化技術が導入され、偵察用の高性能アンテナ、低視認性船体塗装を採用と海軍技術陣は説明している。
ヴァージニア級の各ブロックではその時点での新規技術が都度導入されてきた。例としてブロックIIIでヴァージニアペイロードモジュールが導入されており、攻撃力が大幅に強化され、トマホーク6本単位の発射管が追加された。またブロックIIIで新型大型開口艦首(LAB)「馬蹄形」ソナーが採用された。
LABソナーは正確かつ有効距離が従来型より伸びる。またパッシブ、アクティブ双方の性能が向上した。パッシブは基本的に追跡用または「聴音」用で敵の動きを掴むのが目的だ。また音波を発しないため自艦の位置を隠すこともできる。ただし、「ピン」音を発出するアクティブ型の機能は有しない。潜水艦内では返ってくる音波を解析して敵艦の形状、速力、距離を把握する。ある意味でソナーはレーダーに似ているが、ソナーは音響信号、レーダーは電子信号を使う点が異なる。
このコンセプトがブロックVで拡大され、「アップグレード可能」艦になったが、ヴァージニア級が登場した15年以上前に予測されていた。2005年の技術論文ではヴァージニア級をモジュラー方式建造とし、オープンアーキテクチャ方式の利点を享受すべきとある。ヴァージニア級は将来のアップグレードを前提に建造されてきた。
論文は音響迅速COTS挿入(ARCI)に触れ、「ヴァージニア級、SSGN(オハイオ級艦を誘導ミサイル潜水艦に改装したもの)、今後登場する級に共通のモジュラー方式とする」構想とある。ARCIはその後十数年間に渡り成功をおさめており、最近の論文では対機雷ミッション対応が強調されている。
技術面工学面から見ればモジュラー化で各艦のハードウェア、ソフトウェアが対応可能になる。例として攻撃型潜水艦では魚雷とトマホークを運用するが、あと10年もすれば新型潜水艦発射兵器が当然ながら登場するだろう。
ブロックVではブロックIIIが採用した「フライ・バイ・ワイヤ」航法制御が搭載され、従来の機械式油圧制御装置は不要となった。操艦はジョイスティックとデジタル海図で行い、コンピュータ自動化で任意の場所に艦を移動させる。つまりコンピュータで深度速度を制御し、人員は指揮統制に集中する。
ソフトウェアでのアップグレードと急進歩するAIの活用で、ミッションの限界が広がり攻撃型潜水艦によるISR活動の可能性が増える。リアルタイムのアナリティクスとセンサー入力からこれまで人員で処理してきた機能をコンピュータがこなす。これにより攻撃型潜水艦の操艦はスピードアップし、深度速力や進路を迅速に変更でき、攻撃を受けた際の対応がすばやくなる。
潜水時の指揮統制でも無人装備の投入が増える。米海軍は新型UUVの整備を急いでおり、機雷の排除、低リスク前方偵察、補給品配送、「人員の介入を前提とした」火力の運用までを想定している。無人海洋システム主管のピート・スモール大佐によれば開発中のオーカXLUUVつまり超大型無人水中機では魚雷発射も想定している。
新型ヴァージニア級攻撃型潜水艦は特殊作戦ミッションに最適化されており、ブロックIIIで導入された「ロックアウトトランク」装備がブロックVでは最初から艦の一部となり大型化している。ロックアウトトランクとは海水を注入し特殊部隊を発進させ、隊員はこれまでより容易かつ静かに海中に展開できる
特殊作戦対応や偵察活動の機能が充実したため海軍は攻撃型潜水艦に「スパイ」として情報収集監視偵察ミッションを充実させ敵沿岸部近くの浅海部でにも忍び込ませ、敵潜水艦・水上艦や沿岸部の探知を行わせる戦略に切り替える。.
水中での航法精度があがり、探知能力が向上した中でコンピューターによる自動化と人工知能が加わることで、沿海部での行動が静粛かつ迅速に行えるようになり、敵の機雷や小舟艇などの脅威に対応できる。
ここまで接近して浅海域でも行動できる利点が生まれると「対地攻撃」ミッションの余地が増えると海軍は見ており、ISRの効果を活かし、対潜・対水上艦戦を展開できるという。
「これまでは『一匹狼』が前提だった潜水艦は今やネットワーク活用戦で鍵となる存在として世界的に認知されており、『水中優位性』を実現し、シーパワー21(海軍が以前提唱した攻撃構想で情報面での優越性を強調していた)で不可欠な要素になる」と2005年に海軍大学校論文が考察していた。■
*******************
Osborn previously served at the Pentagon as a Highly Qualified Expert with the Office of the Assistant Secretary of the Army - Acquisition, Logistics& Technology. Osborn has also worked as an anchor and on-air military specialist at national TV networks. He has appeared as a guest military expert on Fox News, MSNBC, The Military Channel and The History Channel. He also has a Masters Degree in Comparative Literature from Columbia University.
コメント
コメントを投稿
コメントをどうぞ。