スキップしてメイン コンテンツに移動

次期戦闘機はNGFの呼称へ。日本独特の大型戦闘航空機になりそう

Latest Japanese Fighter Concept Suggests Greater Range

最新の日本の戦闘機コンセプトは、長い航続距離を示唆

Bradley Perrett December 20, 2019

Latest Next Generation Fighter concept.
Credit: Japanese Ministry of Defense

衛省は、日本が目指す次期戦闘機の新デザイン案を公開した。航続距離とペイロードが以前より重視されているようだ。
写真は決定案ではないとされるが、2020年4月1日から始まる新年度における戦闘機および関連技術で認められた総計280億円(255,780,000米ドル)の予算案の一貫として防衛省が示した。
事業名が将来型戦闘機から次世代戦闘機(NGF)へ変更になったと12月17日に河野太郎国防相が言及したが、2020年度予算案の防衛省文書で確認された。
双発型の同機は、2030年代の運用開始をめざし、日本は、英国および米国のパートナー企業との協力案を検討中。
今回発表の想像図は、26DMUと呼ばれた2014年度作成のものと大きく異なる。新設計は、将来型戦闘航空機構想(FCS)およびテンペスト戦闘機プログラムのコンセプトに通じるものがある。前者はフランスとドイツ、後者は英国が主導する。テンペストはNGFの原型になる可能性がある。
26DMUには傾斜した尾部表面4つがあったが、NGFには2つしかなく、おそらく45度で取り付けられる。
主翼部分も劇的に異なり、高いアスペクト比のようだ。前と同じように前縁部は直線構造だが、後縁はテンペストとFCASコンセプトの主翼に似ており、さらに1990年代に共用打撃戦闘機競合に失敗したマクドネルダグラス案のように、また1950年代のマクドネルF-101ブードゥーのように内側に傾斜している。
ダッソーのFCASコンセプトのように、日本案の後縁は、尾部表面の前縁とほぼ同じ点で胴体につながる。英国が公開したテンペストのコンセプトでは、主翼は日本案より低いアスペクト比で、尾翼表面の後縁まで後方に延長されている。
防衛省は航続距離と兵装搭載量を重視し、以前の設計では、4つの尾部表面が外側セクションより長く、より高いアスペクト比だった。アスペクト比が高いと、亜音速で航続距離と耐久性が向上しますが、胴体形状に抗力が大きく影響される。アスペクト比が高いと、離着陸時の重量が大きくでき、燃料・兵装をより多く搭載できる。
26DMUの主翼にはまっすぐな後縁があり、2013年度の25DMUよりもアスペクト比が低いようだ。25DMUでは、後縁はまっすぐ後退している。
25DMUの作成段階には、防衛省の開発部門は、先進的飛行性能ではなくても、長時間の飛行性能と長距離空対空兵装を機内内部に備えた大型戦闘機が日本に有益であると決めていた。このような戦闘機は、パフォーマンスの高い戦闘機よりも待機地点に長く残れる可能性がある。新しいデザインは、その構想をさらに進めており防衛省が望む姿を現しているのだろう。

各案とも非常に大型機で、F-22ラプターを上回り、おそらくゴジラの方がプロジェクト名としてふさわしい。
IHIは防衛省と推力33千ポンド以上といわれるXF9-1エンジンを同戦闘機用に開発している。
2020年度予算での280億円予算の説明は十分でない。河野大臣は12月17日、戦闘機の研究開発に111億円計上し、「概念設計」作業と説明。そのレベルの予算なら26DMU以前の設計案を超える作業規模だろうが、今の言いぶりでは2020年度に開発の本格立ち上げは想定していないようだ。
予算には、戦闘機ミッションシステム統合のの76億円も含まれており、防衛省要求した177億円から削減され、NGFに付随するドローンの作業は1億円で、要求19億円が削られている。
そうなると2020年度に内容不明のNGF作業92億円分が予算計上されていることになる。予算要求では、プログラム管理室の設置を同省は求めていた。
2018年後半に政府は、戦闘機開発を日本が主導権を握ると述べ、国際的なパートナーシップを暗示していた。新型機は、三菱重工業(MHI)F-2の後継機づくりが目的だ。
パートナー候補には、BAEシステムズ、ロッキード・マーティン、ノースロップ・グラマンに加えボーイングが想定される。 BAE提案はテンペスト事業への参加で、日本は独自の機体、エンジン、エイビオニクス、兵装、またはその組み合わせで、設計内容を選択できるという。■


コメント

  1. 今回のイメージ図はデジタルモックアップ最終案として公開された26DMUからYF-23を彷彿とさせる24DMUにコンセプト的には戻った感じですよね、てことはノースロップを候補としては意識してるのか!?

    返信削除

コメントを投稿

コメントをどうぞ。

このブログの人気の投稿

漁船で大挙押し寄せる中国海上民兵は第三の海上武力組織で要注意

目的のため手段を択ばない中国の思考がここにもあらわれていますが、非常に厄介な存在になります。下手に武力行使をすれば民間人への攻撃と騒ぐでしょう。放置すれば乱暴狼藉の限りを尽くすので、手に負えません。国際法の遵守と程遠い中国の姿勢がよく表れています。尖閣諸島への上陸など不測の事態に海上保安庁も準備は万端であるとよいですね。 Pentagon reveals covert Chinese fleet disguised as fishing boats  漁船に偽装する中国軍事組織の存在をペンタゴンが暴露   By Ryan Pickrell Daily Caller News Foundation Jun. 7, 3:30 PM http://www.wearethemighty.com/articles/pentagon-reveals-covert-chinese-fleet-disguised-as-fishing-boats ペンタゴンはこのたび発表した報告書で中国が海洋支配を目指し戦力を増強中であることに警鐘を鳴らしている。 中国海上民兵(CMM)は準軍事組織だが漁民に偽装して侵攻を行う組織として長年にわたり活動中だ。人民解放軍海軍が「灰色」、中国海警が「白」の船体で知られるがCMMは「青」船体として中国の三番目の海上兵力の位置づけだ。 CMMが「低密度海上紛争での実力行使」に関与していると国防総省報告書は指摘する。 ペンタゴン報告書では中国が漁船に偽装した部隊で南シナ海の「灰色領域」で騒乱を起こすと指摘。(US Navy photo) 「中国は法執行機関艦船や海上民兵を使った高圧的な戦術をたびたび行使しており、自国の権益のため武力衝突に発展する前にとどめるという計算づくの方法を海上展開している」と同報告書は説明。例としてヘイグの国際仲裁法廷が中国の南シナ海領有主張を昨年7月に退けたが、北京はCMMを中国が支配を望む地帯に派遣している。 「中国は国家管理で漁船団を整備し海上民兵に南シナ海で使わせるつもりだ」(報告書) 中国はCMMはあくまでも民間漁船団と主張する。「誤解のないように、国家により組織し、整備し、管理する部隊であり軍事指揮命令系統の下で活動している」とアンドリュー・エリク...

海自の次期イージス艦ASEVはここがちがう。中国の055型大型駆逐艦とともに巡洋艦の域に近づく。イージス・アショア導入を阻止した住民の意思がこの新型艦になった。

  Japanese Ministry of Defense 日本が巡洋艦に近いミサイル防衛任務に特化したマルチロール艦を建造する  弾 道ミサイル防衛(BMD)艦2隻を新たに建造する日本の防衛装備整備計画が新たな展開を見せ、関係者はマルチロール指向の巡洋艦に近い設計に焦点を当てている。実現すれば、は第二次世界大戦後で最大の日本の水上戦闘艦となる。 この種の艦船が大型になる傾向は分かっていたが、日本は柔軟性のない、専用BMD艦をこれまで建造しており、今回は船体形状から、揚陸強襲艦とも共通点が多いように見える。 この開示は、本日発表された2024年度最新防衛予算概算要求に含まれている。これはまた、日本の過去最大の529億ドルであり、ライバル、特に中国と歩調を合わせる緊急性を反映している。 防衛予算要求で優先される支出は、イージスシステム搭載艦 ( Aegis system equipped vessel, ASEV) 2隻で、それぞれ26億ドルかかると予想されている。 コンピューター画像では、「まや」級(日本の最新型イージス護衛艦)と全体構成が似ているものの、新型艦はかなり大きくなる。また、レーダーは艦橋上部に格納され、喫水線よりはるか上空に設置されるため、水平線を長く見渡せるようになる。日本は、「まや」、「あたご」、「こんごう」各級のレーダーアレイをできるだけ高い位置に取り付けることを優先してきた。しかし、今回はさらに前進させる大きな特徴となる。 防衛省によると、新型ASEVは全長約620フィート、ビーム82フィート、標準排水量12,000トンになる。これに対し、「まや」クラスの設計は、全長557フィート強、ビーム約73フィート、標準排水量約8,200トンだ。一方、米海軍のタイコンデロガ級巡洋艦は、全長567フィート、ビーム55フィート、標準排水量約9,600トン。 サイズは、タイコンデロガ級が新しいASEV設計に近いが、それでもかなり小さい。Naval News報道によると、新型艦は米海軍アーレイ・バーク級フライトIII駆逐艦の1.7倍の大きさになると指摘している。 武装に関して言えば、新型ASEVは以前の検討よりはるかに幅広い能力を持つように計画されている。 同艦の兵器システムの中心は、さまざまな脅威に対する防空・弾道ミサイル防衛用のSM-3ブロックII...

次期高性能駆逐艦13DDXの概要が明らかになった 今年度に設計開始し、2030年代初頭の就役をめざす

最新の海上安全保障情報が海外メディアを通じて日本国内に入ってくることにイライラしています。今回は新型艦13DDXについての海外会議でのプレゼン内容をNaval Newsが伝えてくれましたが、防衛省防衛装備庁は定期的にブリーフィングを報道機関に開催すべきではないでしょうか。もっとも記事となるかは各社の判断なのですが、普段から防衛問題へのインテリジェンスを上げていく行為が必要でしょう。あわせてこれまでの習慣を捨てて、Destroyerは駆逐艦と呼ぶようにしていったらどうでしょうか。(本ブログでは護衛艦などという間際らしい用語は使っていません) Early rendering of the 13DDX destroyer for the JMSDF. ATLA image. 新型防空駆逐艦13DDXの構想 日本は、2024年度に新型のハイエンド防空駆逐艦13DDXの設計作業を開始する 日 本の防衛省(MoD)高官が最近の会議で語った内容によれば、2030年代初頭に就役開始予定のこの新型艦は、就役中の駆逐艦やフリゲート艦の設計を活用し、変化する脅威に対し重層的な防空を提供するため、異なるコンセプトと能力を統合する予定である。  防衛装備庁(ATLA)の今吉真一海将(海軍システム部長)は、13DDX先進駆逐艦のコンセプトは、「あさひ」/25DD級駆逐艦と「もがみ」/30FFM級フリゲート艦の設計を参考にすると、5月下旬に英国で開催された海軍指導者会議(CNE24)で語った。  この2つの艦級は、それぞれ2018年と2022年に就役を始めている。  13DDX型は、海上自衛隊(JMSDF)が、今吉の言う「新しい戦争方法」を含む、戦略的環境の重大かつ地球規模の変化に対抗できるようにするために必要とされる。防衛省と海上自衛隊は、この戦略的環境を2つの作戦文脈で捉えている。  第一に、中国、北朝鮮、ロシアが、極超音速システムを含むミサイル技術、電子戦(EW)を含むA2/AD能力の強化など、広範な軍事能力を急速に開発している。第二に、ウクライナにおけるロシアの戦争は、弾道ミサイルや巡航ミサイルの大規模な使用、EWやサイバー戦に基づく非対称攻撃、情報空間を含むハイブリッド戦争作戦、無人システムの使用など、新たな作戦実態を露呈したと説明した。  新型駆逐艦は、敵の対接近・領域拒否(A2/A...