イランと開戦となったら
イラン軍のF-14を米軍が恐れる理由
Why the U.S. Military Fears Facing Iran's F-14 Tomcats in War
Warrior Maven2019年12月1日
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Warrior Maven Video Above: Army 4-Star Details Robotic Attacks to "Breach Complex Enemy Object."
By David Axe, The National Interest
トランプ大統領がイラン核合意から一方的に脱退する決定を下して以来、ペルシア湾岸地域の緊張は高まったままだ。
2019年夏の民間商船攻撃はイラン勢力に夜犯行と米軍は断定し、米海軍はUSSエイブラハム・リンカン打撃群を同地域に派遣した。米空軍はB-52、F-22、F-35を展開した。
開戦となれば、米軍は湾岸上空の確保のためイラン空軍を撃滅するはずだ。イランイスラム共和国空軍(IRIAF)の常設部隊およびイラン革命防衛隊の空軍部隊はあわせて700機程度の機材を運用している。
米軍が最初に排除をねらうのはIRIAFが保有する1970年代製造のグラマンF-14だ。2019年時点でイランはF-14トムキャットを24機程度運用中とFlight Globalはまとめている。イランはイスラム革命前に79機を米国から調達している。
米海軍ではトムキャットは2006年に全機退役しているが、後続距離が長く強力なレーダーを搭載した同機は現在も強力な戦闘機である。このため、米国はイランのF-14を供用できないよう長年に渡り画策してきた。
イランイラク戦争が1988年に終結した時点でイランにはF-14が68機残っていた。米国に夜制裁措置によりイランは同機の補修部品を調達できなくなった。
そこでイランは自国内完結型を目指し、以前なら海外企業頼みだった部品供給の国内調達に切り替えた。
イランには豊富な石油資源があるがそれ以外にも農業、鉄鋼生産、発電、民間航空で自国だけで完結する仕組みを紫美した。
それでもイラン国内企業でトムキャット用の特殊部品すべての生産は無理だ。そこで闇市場に目を向け大金を払い、F-14用部品の密輸を始めた。
米当局は1998年の時点でこうした密貿易の存在に気づき、輸出管理法違反でF-14のTF-30エンジン用部品をオランダ経由で運び込もうとした動きを摘発した事例もある。
その後も逮捕事案が続いた。カリフォーニアのマルティコア社は税関当局調査で226万ドルを仲介業者に1995年から支払っていた事実が摘発された。部品の大半はシンガポール経由で運ばれた。連邦政府は同社に部品販売した18社も捜査対象とした。2003年9月にはおとり捜査でイラン国籍一名を逮捕している。
米当局がF-14用部品密輸を摘発しているが、イランは入手をあきらめていない。マルティコアが入手した部品を国防総省の余剰部品管理部門に照会したところ、軍から流出していたと判明した。
米海軍がF-14を用途廃止した2006年になると部品戦争はさらに激化し、元米海軍所属のF-14が4機カリフォーニアで当局により押収された。うち3機は博物館展示用、残り一機は軍をテーマとしたテレビ番組JAGでの使用用だったが、各機から有益な部品がただしく取り外されておらずイランの手に渡る恐れがあるというのが当局の説明だった。
ペンタゴンがあまりにもF-14部品の管理でずさんだと議会が怒り狂い、2008年にはトムキャット部品のイラン引き渡しをすべて禁止する法案が成立している。
.退役後のF-14およそ150機が解体処分されている。一部の旧型F-14は「非軍事化」したあとで全国の博物館で展示されている。しかし、有名なアリゾナの航空機の「墓場」には一機もない。
それでもトムキャット部品取引は今も地下で続いており、世界各地で使える部品はないか探し回る怪しげな企業がある。2016年にはF-14が2機もテキサスの私有地に残っているのが見つかった。調べたところ2機とも1980年代末に政府が民間業者に処分を依頼した機体だった。
.これを見つけた本人もこれだけ長く米政府の管理を逃れた機体がそのまま残っていたことに驚きつつ、イランがこの機種に強い関心を示すのと関連があるのではと疑っている。■
David Axe serves as Defense Editor of the National Interest. He is the author of the graphic novels War Fix, War Is Boring and Machete Squad.
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