The US Navy just quietly sent an F-35 aircraft carrier to the Pacific — and it signals a big change米海軍が沈黙のままF-35搭載空母を太平洋へ出動させたのは大きな変化のあらわれか
- 米海軍が小型空母USSエセックスを西太平洋に出動させた。米海兵隊所属のF-35B共用打撃戦闘機を搭載している。この事実は公表していない。
- 米国はF-35展開を通常は大々的に宣伝するが、今回は沈黙を保っているのは大きな変更を意味するのだろう。
- 米国には西太平洋に主要敵対国数か国があり、その動きへの対抗上今回は作戦運用を広報活動より優先したのだろう。
米海軍がF-35配備の動きを宣伝してきた従来の慣行を破りジャンプジェット空母USSエセックスを西太平洋に同機満載し秘密のうちに派遣した。厄介な敵対国対策で米国の対応方法に変化が生まれることを示唆しているようだ。
USSワスプが今年先に米海兵隊所属F-35B部隊を搭載する初の小型空母になった際にはメディア報道があった。だがエセックスの出港では変化がみられ、海軍当局は出港後に事実発表したとUSNI Newsが報じた。
大小問わず空母含む主力艦を米海軍は世界各地に派遣しているが今回のような形の出動は以前に一回あったのみだ。
F-35は史上最高額の兵器システムとなったが費用の膨張や遅延で繰り返し批判を受けてきた。海兵隊運用のF-35Bは垂直着陸と短距離離陸が可能で、強襲揚陸艦で運用できる。AV-8Bに後退して対地対空攻撃ミッションを実施する。海軍用のF-35Cには拘束フックがついており空母着艦ができる
当然ながら米軍は最新ジェット機を見せつけることに熱心であり、ステルスと高性能センサー制御により航空戦を革命的に変えると豪語している。ただしこの広報活動を今回行わず作戦面を重視したようだ。
海軍としてはメディアが太平洋への艦船派遣について期待する内容を変えたかったのだと消息筋がUSNI Newsに語っている。
米軍は艦船派遣特に空母展開を数か月前から宣伝することが通常だが今回極秘のうちに事を進めたのはこの慣行に反する。
では米海軍は太平洋で何を隠そうとしているのか。
米国には太平洋に主要敵対勢力がある。中国とやや規模は劣るが北朝鮮だ。
北朝鮮との対話が進行中でもあり、米国としては西太平洋への部隊展開について口を開きたくないのだろう。ことに次世代ステルスジェット機が展開すれば目立つ動きで北朝鮮を刺激することになる。
ただし米国に最大の脅威を与えているのは中国海軍であり、これが米海軍が沈黙を保った理由だろう。
日本に前方配備中の空母USSロナルド・レーガンが南シナ海を哨戒航行したが、米国はこの件を極力発表しなかった。Business Insiderは繰り返し本件のコメントを求めたが無視されたままだ。
米国は海軍を使い「航行の自由」作戦を展開している。基本的にある国が過剰な海洋領有権を主張した場合、米国は駆逐艦一隻を航行させその主張を認めていない意思を伝えている。
中国はこうしたパトロール航行を自国主権の侵害ととらえ排除しようとする。米国にとって中国の主張に対抗することが通常となり報道の価値がなくなる方が得策だ。一部には米国は中国の軍事力に対して報道なしでメッセージを伝えたかったのではないかとの見方がある。報道されると事態がエスカレートしかねないからだ。
これだけの規模の出動を広報せずに行い、米国は中国のコートにボールを打ち込む準備が出来ていると伝えたいのではないか。高性能軍事装備でにらみを利かせ報道発表の代わりに海軍部隊同士で事態に対処したいと考えたのではないか。■
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