スキップしてメイン コンテンツに移動

☆中国海軍J-15の重大欠陥から見える中国技術の限界とは

技術は金で買えばよい、という中国の考え方は大変早く結果を生むのですが如何せん技術知見が背後にないため見かけだけのスカスカの装備になり、文字通り張子の虎なのでしょう。技術がないため原因がわかっても手が出せない。そうなるとコツコツと技術を整備する(こういう根気のいる仕事は中国人が苦手)か、手っとり早く他国から入手するしかありません。こうしてみると中国技術の虚像ぶりが見えてきますが気を許すことは許されません。



China’s Flawed Naval Fighter 中国艦載戦闘機の欠陥

Engines and flight control systems bedevil Beijing's Flanker 

中国版フランカーがエンジンと飛行制御系のトラブルに直面





WIB AIR July 9, 2018 Dave Majumdar


国は瀋陽J-15フライングシャーク艦載戦闘機の後継機種を開発中


J-15はロシアのSu-33フランカーDの試作機T-10K-3を原型としライセンスを無視して国産化したものだが、人民解放軍海軍で失望を生んでいる。エンジンや飛行制御系が原因の大事故で機体喪失が続いている。


J-15問題は相当深刻で中国も後継機となる新型艦載機開発に乗り出さざるを得なくなっている。


「J-15後継機」の開発が進んでいるとPLA空軍副司令官张洪贺Zhang Honghe中将がサウスチャイナモーニングスター紙に語っている。


J-15後継機の姿は不明で現行001型、001A型空母のスキージャンプ式発艦に対応するのか、今後登場する002型空母の電磁式発艦システムにも対応するのかわからない。


中国の海軍関係のアナリスト陣からは中国がFC-31Gyrfalconの海軍版を開発中との指摘がある。同機は瀋陽航空機が「自社資金」で開発したといわれる。


しかし中国筋からJ-15後継機で公式発表はない。


Above and at top — Chinese J-15 fighter planes. Photos via Chinese Internet

J-15運用を断念することになったのは深刻な事故が連続発生したためだ。上記サウスチャイナモーニングポストによればJ-15墜落事故が少なくとも四回発生し、うち一回は死亡事故、別に重傷が発生したのは「弁解の余地のない機械系の故障」のせいだという。原因は国産開発のエンジンと飛行制御系のようだ。


「J-15は問題が多い機体で不安定な飛行制御系が二年前発生した死亡事故二件の主原因」と消息筋が同紙に語っている。J-15墜落事故二件で「飛行制御が故障」したのは地上滑走路へアプローチ中だった。このことからJ-15の飛行制御に問題があることがわかる。


さらにJ-15が搭載する瀋陽黎明発動機製造Shenyang Liming製WS-10Hエンジンの信頼性の程度や、墜落原因だったのか不明だ。J-15旧型はロシア製AL-31Fエンジンを搭載しており、信頼性はある程度まであった。


中国もJ-15の問題は把握しているようだが、機体配備を急ぎリスクに目をつぶっているのは米海軍とは異質の考え方が背景にあることを示す。米海軍の場合は配備後に問題が判明した機体に飛行制限するのが普通で、安全面で深刻な問題と判明すればペンタゴンは同機運航を認めない。


「もちろん訓練中に発生する事故の完全予防は不可能だ。だが西側諸国と違い中国の空軍パイロットは機械系の故障があっても操縦を命令される」とPLAN退役関係者が同紙に語っている。


またPLANはJ-15問題の本質について口を閉ざしているが、これも世界各国の軍組織でよく見られる傾向だ。


「航空専門家は当初J-15の設計に問題があること自体を認めようとしなかった」と内部筋は同紙に語っている。海軍パイロットCao Xianjianの墜落死亡事故が発生してやっと問題があると認めた始末だ」


J-15に深刻な設計不良があるのは前から知られている。


つまるところ中国は不完全な試作型のスホイSu-33をウクライナから入手しリバースエンジニアリングしたのだ。中国技術陣にはフランカーの内部構造を学ぶ機会になったが機体そのものを開発をしていないので理解は完全でなく、かつリバースエンジニアリングにつきものの制約に阻まれたのだ。

こうした知識面のギャップが中国がJ-15で問題に直面することにつながったのだろう。■

コメント

このブログの人気の投稿

フィリピンのFA-50がF-22を「撃墜」した最近の米比演習での真実はこうだ......

  Wikimedia Commons フィリピン空軍のかわいい軽戦闘機FA-50が米空軍の獰猛なF-22を演習で仕留めたとの報道が出ていますが、真相は....The Nationa lnterest記事からのご紹介です。 フ ィリピン空軍(PAF)は、7月に行われた空戦演習で、FA-50軽攻撃機の1機が、アメリカの制空権チャンピオンF-22ラプターを想定外のキルに成功したと発表した。この発表は、FA-50のガンカメラが捉えた画像とともに発表されたもので、パイロットが赤外線誘導(ヒートシーキング)ミサイルでステルス機をロックオンした際、フィリピンの戦闘機の照準にラプターが映っていた。  「この事件は、軍事史に重大な展開をもたらした。フィリピンの主力戦闘機は、ルソン島上空でコープ・サンダー演習の一環として行われた模擬空戦で、第5世代戦闘機に勝利した」とPAFの声明には書かれている。  しかし、この快挙は確かにフィリピン空軍にとって祝福に値するが、画像をよく見ると、3800万ドルの練習機から攻撃機になった航空機が、なぜ3億5000万ドル以上のラプターに勝つことができたのか、多くの価値あるヒントが得られる。  そして、ここでネタバレがある: この種の演習ではよくあることだが、F-22は片翼を後ろ手に縛って飛んでいるように見える。  フィリピンとアメリカの戦闘機の模擬交戦は、7月2日から21日にかけてフィリピンで行われた一連の二国間戦闘機訓練と専門家交流であるコープ・サンダー23-2で行われた。米空軍は、F-16とF-22を中心とする15機の航空機と500人以上の航空兵を派遣し、地上攻撃型のFA-50、A-29、AS-211を運用する同数のフィリピン空軍要員とともに訓練に参加した。  しかし、約3週間にわたって何十機もの航空機が何十回もの出撃をしたにもかかわらず、この訓練で世界の注目を集めたのは、空軍のパイロットが無線で「フォックス2!右旋回でラプターを1機撃墜!」と伝え得てきたときだった。 戦闘訓練はフェアな戦いではない コープサンダー23-2のような戦闘演習は、それを報道するメディアによってしばしば誤解される(誤解は報道機関の偏った姿勢に起因することもある)。たとえば、航空機同士の交戦は、あたかも2機のジェット機が単に空中で無差別級ケージマッチを行ったかのように、脈絡な

主張:台湾の軍事力、防衛体制、情報収集能力にはこれだけの欠陥がある。近代化が遅れている台湾軍が共同運営能力を獲得するまで危険な状態が続く。

iStock illustration 台 湾の防衛力強化は、米国にとり急務だ。台湾軍の訓練教官として台湾に配備した人員を、現状の 30 人から 4 倍の 100 人から 200 人にする計画が伝えられている。 議会は 12 月に 2023 年国防権限法を可決し、台湾の兵器調達のために、 5 年間で 100 億ドルの融資と助成を予算化した。 さらに、下院中国特別委員会の委員長であるマイク・ギャラガー議員(ウィスコンシン州選出)は最近、中国の侵略を抑止するため「台湾を徹底的に武装させる」と宣言している。マクマスター前国家安全保障顧問は、台湾への武器供与の加速を推進している。ワシントンでは、台湾の自衛を支援することが急務であることが明らかである。 台湾軍の近代化は大幅に遅れている こうした約束にもかかわらず、台湾は近代的な戦闘力への転換を図るため必要な軍事改革に難色を示したままである。外部からの支援が効果的であるためには、プロ意識、敗北主義、中国のナショナリズムという 3 つの無形でどこにでもある問題に取り組まなければならない。 サミュエル・ P ・ハンチントンは著書『兵士と国家』で、軍のプロフェッショナリズムの定義として、専門性、責任、企業性という 3 つを挙げている。責任感は、 " 暴力の管理はするが、暴力行為そのものはしない " という「特異な技能」と関連する。 台湾の軍事的プロフェッショナリズムを専門知識と技能で低評価になる。例えば、国防部は武器調達の前にシステム分析と運用要件を要求しているが、そのプロセスは決定後の場当たり的なチェックマークにすぎない。その結果、参謀本部は実務の本質を理解し、技術を習得することができない。 国防部には、政策と訓練カリキュラムの更新が切実に必要だ。蔡英文総統の国防大臣数名が、時代遅れの銃剣突撃訓練の復活を提唱した。この技術は 200 年前のフランスで生まれたもので、スタンドオフ精密弾の時代には、効果はごくわずかでしかないだろう。一方、台湾が新たに入手した武器の多くは武器庫や倉庫に保管されたままで、兵士の訓練用具がほとんどない。 かろうじて徴兵期間を 4 カ月から 1 年に延長することは、適切と思われるが、同省は、兵士に直立歩行訓練を義務付けるというわけのわからない計画を立てている。直立歩行は 18 世紀にプロ