道路の自動運転(本当は自律運転でしょう)はなかなか実現しませんが、空の上は違います。有人機の数が減っていく中で無人機は増えそうで、有人機のウィングマンが無人機だけとなる事態がやってきそうですね。ソフトウェアのアップデートで戦力がどんどん上がるのであれば人間の経験や学習はどうなるのでしょうか。不安もありますね。
AFRL sets first flight date for XQ-58A
11 JULY, 2018
SOURCE: FLIGHTGLOBAL.COM
BY: STEPHEN TRIMBLE
WASHINGTON DC
画期的な構想で航空戦を一変させる新型実証機のフライトテストが今秋に行われると米空軍研究実験部門(AFRL)司令のウィリアム・クーリー少将Maj Gen William Cooleyが発表した。
機体はXQ-58Aヴァルキリーで標的無人機メーカーのクラトスが制作した。同機はAFRLが進める「忠実なるウィングマン」 “Loyal Wingman”構想を体現し、低費用無人機で有人戦闘機の減少を補い戦闘能力を引き上げつつ空軍予算を食いつぶさない特徴がある。
クーリー少将は空軍協会主催のイベントでヴァルキリーにUSAF内部から「多大な関心が寄せられている」と述べた。
「基本的な考え方は戦闘航空機を非常に低いコストで作るため最新の製造技術を使い、コストを可能な限り低く抑えることだ」(クーリー少将)
AFRLはXQ-58Aを低費用消耗品扱い攻撃機材実証機low cost attritable strike demonstrator (LCASD) 事業の予算で作った。「消耗」の語を使ったのには意図がありAFRLは同無人機を一回限りの使用にしたくなかったのだ。このような装備が実戦配備されれば再利用していくが事故や敵の攻撃により喪失しても十分耐えられる水準の価格にするという意味だ。
この発想は高性能有人機のロッキード・マーティンF-22やF-35とだけではくこれまでの高性能だが高価格の無人航空戦闘機材の在り方とも対照的と言える。
AFRLではLCASDを忠実なるウィングマンとして作戦投入する構想をまとめつつあり、XQ-58Aも単独飛行するのではなく最初から有人戦闘機とペアで飛行テストを行う。
XQ-58Aの詳細は未公表だ。AFRLは同機の想像図を昨年に「画家によるコンセプト図」として公表していたが実機とはかけ離れていた。機体構造の詳細は不明だがAFRLは全長は9.14m (30ft)で翼幅は8.23 mと認めている。機内または主翼に272kg (600lb)のペイロードを搭載できるとAFRLは述べている。
2015年、2017年にAFRL予算でHave Raiderと呼ぶ実験を行っていた。ロッキードのスカンクワークスがF-16の制御系を完全自律操縦可能としたが、安全のためパイロットが搭乗していた。二回目のテストでは自律操縦F-16が新たに発生した脅威に人間の介入なしで対応していた。
USAFが忠実なるウィングマンの実現に向かうとすれば、一つの選択肢はたとえばF-16やB-1といった退役ずみ機材を活用し、コンピューターに手を加え自律操縦ソフトウェアを搭載し無人僚機として獣人機と組ませることが考えられる。だがAFRLはXQ-58Aで実証する内容で進めたいようだ。
「これまで進めてきた形で機体を製造するほうがよい。つまり低コスト消耗品扱い機体だ」(クーリー少将)■
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