Japan Snubs Homegrown Weaponry to Buy From the U.S. 米国製武器購入を優先するあまり国内産業を冷遇する日本
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2018年7月11日 5:00 JST Updated on 2018年7月11日 15:18 JST
日本の消費者が米国製自動車を大量に購入してドナルド・トランプが喜ぶ事態の実現する可能性は限りなく小さいが、安倍政権が防衛費を歴史的な規模に拡大していることから日米貿易で米大統領に大いに期待できる側面が生まれてきたと言えよう。
日本による米海外軍事販売制度を通じた調達は人件費除く日本の防衛費で今年は16%相当にまで拡大しており、2014年度から倍増になっている。これは公表データからブルームバーグが独自試算したものである。
更に高性能米製レーダー、ジェット戦闘機、ミサイル防衛装備を今後導入する予定があり米防衛産業界が数十億ドル単位の売上を期待する一方、日本側各社は今後もたいした売上増は期待できない。というのは規模の経済により国産技術が一層高価になっており、安倍政権としては費用対効果を追求せざるを得なくなっているためだ。
トランプ大統領は昨年11月の日本訪問で安倍首相に「大量の軍事装備」を米国から導入するよう迫った。日本は言われる前にすでに防衛支出を5.2兆円(470億ドル)と記録的な水準にひきあげており北朝鮮の核武装に対抗しようとしている。
トランプにとって不本意ながら日本は米国からの乗用車輸入は2017年で5.3億ドルにとどまる中で米国は日本製乗用車トラックを398億ドルも買っているのだ。軍事部門以外では日本は液化天然ガスなどエネルギー調達を増やす勢いだ。2017年で日本の米国からの最大の輸入品は農業製品、化学製品、機械類だった。
米製装備品が優先的に選択されているため日米両国の各部隊の共同運用が簡単になっているが、米製装備品を完成品で導入すれば国内部品メーカーの雇用にはつながらず、結局各社が撤退する結果となると三菱重工業執行役員の阿部直彦は見る。同社は日本最大の防衛事業契約企業で戦闘機、ヘリコプター、艦船、ミサイル他を製造する。.艦船の国内建造には外的脅威はさほどないが、航空機ではコストが大きな要素になっている。
.財務省からは国産輸送機C-2より性能は劣るが価格が半分以下のロッキード・マーティンC-130Jに切り替えるべきとの提言がでている。C-2は川崎重工業製で今年も2機が導入される。
日本は老朽化進むF-4の代替用にF-35A導入を急いでいる。国内メーカーにとって次の正念場はF-2後継機をどこで作るかだ。
.F-2生産は2011年に終了してたが、その前から部品メーカーに防衛事業から撤退の動きがでていた。住友電工は2007年に防衛省関連の事業を終了し、ヨコハマタイヤは航空機用タイヤの防衛省向け納入を終わらせている。2016年には防衛産業向け供給実績のある72社中52社が関係パーツメーカーが事業閉鎖したり供給をストップした事態に遭遇したと政府調査に回答している。
F-2退役は2030年から始まるが、三菱重工やIHI含む数社がX-2高度技術実証機を製造し、後継機の国産製造の可能性を示した。「国内産業の生き残りをかけて開発は国内主導で行わせてもらいたい」と三菱重工の阿部執行役員が報道陣に先月語っている
X-2が2016年に飛行試験に成功したことから国内産業に国内開発能力が十分にあることが証明されていると阿部は指摘。だが時事通信が3月に防衛省は国産開発はコスト高を理由に断念したと伝えていた。
小野寺五典防衛相はこうした報道内容を否定したものの防衛省は海外企業との共同開発を模索しているのは事実だ。ロイターは日本が欧米メーカーに情報提供を求めていると伝えている。
.与党自民党の一部には防衛予算は国内産業界の支援に使うべきとの意見もある。自民党国防部会長の若宮健嗣からは5月に国内企業支援により海外との競争力拡大を図ることが重要との認識が示されていた。
.同じ自民党から6月1日に安倍首相に対してさらなる防衛費増額を求める意見が提示された。日本の防衛費は国内総生産の1パーセント未満で、北大西洋条約機構加盟国の目標2%よりはるかに少ない。
コスト削減のため若宮は防衛装備品の輸出拡大で生産量を確保する必要があるとするが、今までのところ輸出の成功例は皆無に近い。
コスト以上に情報開示に厳しい制約が課せられていることが原因と指摘する声もある。防衛産業各社は「歯がゆい思いをしつつ努力してきたが限界に近づきつつある」という。■
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