The Navy Could Secretly Be Looking for a New Way to Stalk Diesel Submarines 米海軍が密かに狙うディーゼル潜水艦の新対策とは
by Michael Peck
October 31, 2018
米海軍が実現をめざすロボット艇は4,500マイルを無人航走し危険地帯に侵入する。
中型無人水上艦艇Medium Unmanned Surface Vehicle の用途について海軍は口を閉ざす。だがFedBizOppsの連邦政府公式調達情報にある要求内容からDARPAと海軍がディーゼル潜水艦を探知追尾可能なロボット艇の実用化を狙っていることがわかる。
海軍水上システムズ本部(NAVSEA)による公告が出たFedBizOppsでは「海軍が目指す独自展開可能の中型無人水上艇(MUSVs)の要求水準を満たす技術提供を求む。MUSVsは全長12メートルから50メートル以内の艇と定義。NAVSEAは既存、有人または無人水上艦艇設計で無人水上艇に急速に転用できる技術要素を民間部門から広く募集する」とある。
海軍が求めるMUSVの主な性能は「航続距離、巡航速力、信頼性のいずれも従来を上回ること」としている。だがNAVSEAの公告一覧はさらに詳しく以下の性能を想定している。
- 航続距離4,500カイリを最小16ノットで実現すること
- 24から27ノット速力を維持すること
- 第四海上荒天条件(波高4から8フィート)でも搭載ペイロードの運用を安定して行えること
- 第五海上荒天条件(波高8から13フィート)に耐えられること
- 人員による保守整備なしで60から90日海上活動を行えること
- 40フィート海上輸送コンテナー一個および20フィートコンテナー一個を搭載する事が可能なこと。興味深いことにNAVSEA公告ではMUSVの目的に一切触れていない。「最低条件は各コンテナーから180度視界があることとし、望ましいのは270度視界とする」とあり、海上輸送コンテナーとは何らかのセンサーを意味するとわかる。海軍は同時に各種通信アンテナの搭載場所も必要としており、米海軍及びNATOで標準装備の戦術データ共有装置も含むとする。
-「艇に防御装備は不要」と海軍は述べている。「カメラ複数で艇へ乗り込もうとする試みを遠隔地人員に知らせること」ともあり、ここから艇が戦闘状況に投入される事態を想定していることがわかる。
-.海上衝突回避国際規則COLREGSに準拠し自律操艦が可能なこと。COLREGSは相互に航行する複数の船舶でどちらに優先権があるかなどを規定している。
MUSVの要求性能はDARPAによるACTUVロボット潜水艦ハンターと酷似している。ACTUVは現在は海軍研究所でシーハンター計画として稼働中だ。
シーハンターは全長132フィートで速力27ノットだが後続距離10,000マイルはMUSVを上回る。曳航式ソナーアレイを搭載したシーハンターは自律長距離長期間運行可能艦艇の実証プロジェクトでセンサーを搭載し、静かなディーゼル潜水艦の探知もめざしながら一旦探知した潜水艦を数日間にわたり追尾し味方の有人潜水艦が現れるまで現場に残る構想だ。
本誌からMUSVとシーハンターの類似性を尋ねたところNAVSEA広報官アラン・バリボーは「FBO公告は市場調査の目的のみで発表されたもの。米政府は民間業界に情報開示を求めることはよくある。お尋ねの両事業を比較するのは時期尚早だ」と回答してきた。
いずれにせよ、無人潜水艦ハンターの実現が迫っているようだ。潜水艦追尾を無人艇に任せれば有人艦艇、哨戒機に他の任務をさせられる。自律運用艦艇の実現で最大の障害はCOLREGSに準拠した人工知能だろう。というのは海上交通関係者はロボット艇が混雑した水路を無鉄砲に走り回るのは見たくないからだ。だがこれが解決できればこれまで忍耐力を必要としてきた対潜戦は退屈を感じないマシンには最適な任務になるだろう。■
Michael Peck is a contributing writer for the National Interest. He can be found on Twitter andFacebook .
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