Report: America Could Lose a War Against Russia or China 米国はロシア、中国との次の戦争に勝てないとの報告書
“Put bluntly, the U.S. military could lose the next state-versus-state war it fights.”「率直に言って、米軍は次回の国家間戦で敗北を喫するだろう」
November 15, 2018 Topic: Security Region: Europe Blog Brand: The Buzz Tags: RussiaChinaMilitaryTechnologyWorldA2/ad
米国がロシアあるいは中国と明日開戦したら、米軍は「決定的な軍事敗北」を喫し、米国の「安全と安寧」は「過去最高の危険にさらされる」と警告する報告書がトランプ政権が今年出した国家防衛戦略を批判している。
報告書は議会選出による超党派の国家防衛戦略委員会がまとめ、北ヨーロッパでロシアを相手に米軍事作戦が展開された場合、または台灣を巡り中国を対象にした作戦を実施した場合「甚大な」数の死傷者が軍で発生するのみならず「主要装備」たる艦船、機材その他でも深刻な喪失が発生すると警句を鳴らしている。
- 理由は単純だ。冷戦後の米軍が「危険水域まで規模縮小」し、ロシアや中国の軍事力が米国並みに伸長している中、米国のみが強大な軍事力を行使する時代は終わっているからだ。
- その結果、ペンタゴンは「航空優勢または制海権を確立する、または失地回復に困難を感じる」はずとし、「高水準装備を備えた敵に対抗するのはとてつもなく困難」と解説。
- 「米軍の遠征作戦では圧倒的威力を有する戦隊を現地に展開するのがこれまでは特徴だったが、いまや実施は圧倒的に困難かつ高価につくようになった」とも述べ、「率直に言って、米軍は次回の国家間戦で敗北を喫するだろう」と結論付けている。
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もはや米国は単独で強力な敵に勝てないとの自覚だとすれば、同盟国と力をあわせて「ならず者」国家を制していくしかないということでしょう。国防予算の増額を巡ってときおり米国では自国の軍事力に悲観的な見解がでてきますが、今回はどうでしょうか。
冷静に考えれば米軍の圧倒的優位は動いていないと思うのだけれど、予算獲得のための方便なのか、危機感の表れなのかはよく分からない。
返信削除アメリカが例え一時的に軍事力で劣勢になったとしてもそれを受け入れて諦めるなんてことは絶対しない国だってことは、日本は痛い目を見て知っている。
相手の強みと弱みを冷静に分析して必ず勝つ戦略を描いて実行してきたからこそ米国が超大国になったわけで、この記事が意味するところは実際に自分たちが弱い立場にいる、というよりも、今後のターゲットにロシアと中国を据えたということじゃないかな。
要するにロシアと中国に勝つ準備はまだできていない、これから準備する、そして必ず勝つ、という意思表示ではないかと思う。
トランスフォーメーション以後のアメリカが、「アメリカによる世界秩序の維持」から「アライアンスによる生存圏の共有・確保」に舵を切ったのは明らかで、アメリカが単独で全ての敵と戦って勝つという前提自体がおかしいのではないかと思います。
返信削除チャイナもそれをわかっているので、正面きっての張り合いではなく囲碁のような多層的切り崩し工作を戦略の主力に据えているのだと。
アライアンスの一員として我々が考えるべきことは、「誰についたら得か」ではなく「誰と組んだら自分達の利益を守れるか」ということで、これはTPPや所謂ダイヤモンドセキュリティ構想においても通底した哲学です。
難しい作業ですが、多国間でそれぞれの地政学的要因も踏まえ、協力関係を超えた関係(私は独自に"Fusion"または"Mariage"と呼んでいます)を構築していく事が、敵―とくにチャイナに対して有効であると考えています。
極論すれば中華思想には「対等」や「友人」といった概念がなく、「支配するかされるか」という究極の一国主義は、転じて我々の優位性に繋がる彼らの欠点でもあります。ここをどう突けるか、或いは、どのように切り崩されないようにするか。そこが肝要かと思います。
今回の米報告書はちょっと驚いた。それは中露との戦争があれば敗北することも有り得ることを示唆し、米国の絶対的とも言えた軍事力の優位性が損なわれ続け、危険なレベルに達しかねないとの認識を示したからだ。
返信削除米国の軍事力がそれほど弱くなっているとは思わないが、これから米議会は、政府の軍事力増強政策の尻を叩き、軍事費の増加も促し、それを承認するだろうし、なによりも政府が行っている対中国経済戦争や対ロシア制裁の安易な妥協や緩和を許さないだろう。
米国は、中露との緊張を高める政策を採ることになり、偶発的な衝突も起きるかもしれない。また、その衝突が拡大する可能性もある。
この米報告書を誤読し、独裁国家の指導者が愚かな判断を下さないことを祈る。