This Not-So-Scary Picture Should Terrify the U.S. Military
一見無害なこの写真が米軍を震え上がらせる
Just how many Y-20s the PLAAF has ordered remains a mystery—at least eight are known to have entered service by 2018. The Y-20’s cost also remains obscure, with numbers ranging from $160 to $250 million floated. PLAAFが同機を何機発注しているかは不明のままだ。すくなくとも8機が2018年までに納入されたと判明している。機材価格もはっきりしないが、160百万ドルから250百万ドルの範囲といわれる。
by Sebastien Roblin
November 12, 2018 Topic: Security Region: Asia Blog Brand: The Buzz Tags: ChinaMilitaryTechnologyWorldY-20PLAAF
中国がグローバル大国に近づこうとする中、往時の米国同様の装備調達が続いており、中でも大型輸送機での拡充が目を引く。新型Y-20輸送機は米C-17の生産が終了した現時点で製造中機体として世界最大の輸送機だ。
米空軍が運用中の輸送機材は600機ほどで、C-130ハーキュリーズ、C-17グローブマスター、C-5ギャラクシーの各型がある。人民解放軍空軍PLAAFには145機ほどしかない。そのうち43機あるY-7は六トンしか運べない。グローバルかつ「戦略的」輸送能力ではロシアから導入したIl-76MDの22機があり、53トンを運べる。リビア内戦が2011年に勃発し、PLAAFは自国民退避にIl-76を4機派遣した。
現在の中国ではアフリカでの軍事展開の必要が増えており、インド洋、太平洋での軍事基地、同盟国への補給任務も同様だ。だが戦略輸送能力が必要な背景には本国近辺の事情もある。2005年の四川大地震を受けてPLAAFは被災地への貨物輸送に奔走した。
そのわずか一年後に西安航空機が新型大型輸送機開発を開始した。それまでの中国貨物機はすべてソ連機のコピーあるいは輸入機材だったが、西安はアントノフ設計局の支援を仰いだ。ウクライナの同社からターボプロップAn-70の拡大、ジェット化案が提示された。中国が六十四トンの大型99A戦車を開発し設計案に手を加える必要が生まれた。
開発はJH-7戦闘爆撃機を開発したTang Changhongの手に委ねられた。開発チームは設計で3Dモデリング技法を全面採用し、3Dプリンターに混合材料を投入した。またrelational design 技法で機体の「骨格」モデルを作成し、一方の形状を変更すれば自動的に残りの部分の修正が完了した。この手法で機体開発・製造時間を30から75%短縮できたと伝えられ、2013年1月に試作機が初飛行できた。
四発機となり広い胴体から「太っちょ娘」の愛称がついた。なお、公式名称はKunpengである。110トンにおよぶ機体だが未整地滑走路運用も可能で最前線近くへ進出できる。600ないし700メートルで離陸可能という報道がある。ただしY-20の特徴は航続距離の長さにあり、貨物満載で2,700マイル(4,300キロ)、中程度軽程度の貨物なら7,200キロから9,900キロ飛べ、最大時速は575マイル(920キロ)だ。
Y-20は最大72.5トンの貨物搭載量があり、Il-76を上回るが、C-17の85.5トンには及ばない。それでも99型戦車一両の運搬には十分だし、軽装甲車両なら一度に数両を搭載できる。パラシュート投下可能なZBD.-03先頭車両は三両を搭載できる。
ただし難点がある。中国機の例に漏れず、国産ターボファンエンジンだ。Y-20には今のところロシア製のソロヴィエフD-30ターボファンを搭載し最大貨物搭載量を55トンに制限している。だが性能諸元を見ると大出力の瀋陽WS-20高バイパス比ターボファンに換装するようで、推力が24千ポンドから28千ポンドへ引き上がる。だがWS-20は高バイパス比版のWS-10Aエンジン(Taihang)でJ-11戦闘機搭載エンジンを改装したものだ。同エンジンは性能、信頼性両面の欠陥で悪名高い。
PLAAFはY-20の2機をまず第12輸送連隊(四川省成都)に2016年7月に導入した。2018年5月に初の落下傘兵降下、貨物投下を実施した。
長距離輸送以外にも中国は同機を空中給油機また早期警戒機として活用するのはほぼ確実だ。給油機として投入されれば戦力増強効果を発揮し、H-6K戦略爆撃機の航続距離を伸ばし、太平洋地区全域が作戦範囲に入るだろう。
Y-20の長距離性能があれば海洋哨戒機・対潜機材として、さらに電子線機材やスパイ機として理想的だ。ただし、一部任務では機材が大きすぎる場合もある。現時点での欠陥は空中給油を受けられないことだ。
中国では同機に固体ロケットを搭載し衛星の迅速打ち上げに流用する構想が出ている。また空中発射レーザーで弾道ミサイル防衛にも利用できるとする意見も出ている。西安航空機では民生型も開発し輸出も進めたいとし、スリランカから照会を受けている。
PLAAFが同機を何機発注しているかは不明のままだ。すくなくとも8機が2018年までに納入されたと判明している。機材価格もはっきりしないが、160百万ドルから250百万ドルの範囲といわれる。
2016年にはAVIC関係者 Zhu Qianが中国にはY-20が最低1,000機必要と発言して驚かせる事態が発生。世界各地で飛行中の大型輸送機の合計はこの数より少ない。もちろん発言はメーカーの意見であり中国軍の見解ではない。国防大学が先に発表した研究結果はY-20が400機が必要としていたが、それでも相当の規模だ。
だが中国国防アナリストのXu Yonglingが人民日報に語った内容ではY-20発注規模は100機未満とし、今後5ないし10年すればより高性能の機材が登場するという。AVICでは米C-5ギャラクシーあるいはアントノフAn-225に匹敵する超大型機の開発も想定しているという。An-225は世界最大の実用輸送機でペイロード最大は275トンもある。中国は同型一機をウクライナから購入している。
Y-20及び後継機は中国の軍事政治両面の国力投影能力を着実に伸ばす手段になり、とかく注目を集めがちのステルス戦闘機や空母より意味のある存在かもしれない。ステルス機や空母はハイテク装備を有する敵との大規模戦で実力を発揮する。だが輸送機が大量にあれば超大国への道を目指す中国の台頭を日常的に見せつけられる。迅速展開した部隊の活動を維持する、あるいは人道援助を世界各地で展開できる。同時にこれまで米国や欧州各国が果たしてきた「世界統治」ミッションに中国も加わることになるからだ。■
Sébastien Roblin holds a master’s degree in conflict resolution from Georgetown University and served as a university instructor for the Peace Corps in China. He has also worked in education, editing, and refugee resettlement in France and the United States. He currently writes on security and military history for War Is Boring.
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