The Boeing F-15C Eagle Is Undefeated in Battle (104 to 0). But Retirement Is Coming. Why? ボーイングF-15Cは戦闘で無敵の実績(104対0)を誇るが退役が近づいている。なぜか。
長年供用中のボーイングF-15Cイーグルは世界最高の制空戦闘機としての名声を誇り、一方的な撃墜実績(104対ゼロ)で有名だが、どうやら運用が最終段階に入ったようだ。強力な戦闘機として退役することになりそうだ。
米空軍はイーグル改修を先延ばししてきた。新型電子戦装備の搭載もそのひとつで老朽化してきた機体を今後も保持するのか方針が決まり次第実施するとしている。F-15Cで本格的な機体補修が必要だと米空軍も承知しており、構造強化策があれば2020年代を超えても十分供用に耐えるという。議会がA-10ウォートホッグ退役案に拒否反応を示したが、空軍は本来ならF-15Cを退役させて浮いた予算で緊急性の高い案件を実現したいところだ。ただしF-15Eストライクイーグル阻止任務機は当面供用を続ける。
ただし当面はF-15Cが米空軍の航空優勢機材の半数近くを占める。これはロッキード・マーティンF-22ラプターの調達が当初の半数以下で終わったためだ。そのため空軍は侵攻型制空機(PCA)のような新型機材を開発し、2030年代には新型機に先陣を切らせF-15CやF-22が後に続く攻撃方法を想定し、ロシア、中国が第5世代戦闘機のスホイSu-57PAK-FAなどを投入する事態に備える。
Su-57が新型二段エンジン双発を搭載すると第四世代戦闘機では対処が難しくなる。速力、操縦性、ステルス、電子戦能力も手強い。しかし米空軍には敵ステルス機を撃破する構想があり対抗策の開発に既に着手している。
その答えは長波赤外線スペクトラムで、現時点のステルス戦闘機はこれに対応する設計となっていない。既存機種に長波赤外線センサーを搭載すれば長距離探知が可能となるが今のところ対抗手段は存在しない。長波赤外線探知を逃れる新技術が今後登場する可能性もあるが、機体に最初から新技術を取り入れないかぎり有効対策は不可能だ。
ロッキード・マーティンは現在Legion ポッドを開発中で、F-15Cで長波赤外線方式の探知追尾(IRST)能力が実現する。同社はLegionポッド130セットを生産したいとし、「レーダーが使えない環境」で長距離から敵を探知追尾を可能とするのがねらいだ。ボーイングは米空軍の主要契約企業としてロッキード・マーティンに技術開発、試作品製造、改良、本格生産契約を今年中にも交付したいとする。
「納入日程が短期間でこれまでにない探知性能が備わったLegionポッドがあれば一足飛びに我が方の戦闘機の性能があがりパッシブ攻撃能力の不足が解消する」とロッキード・マーティンミサイルズ・アンド・ファイヤーコントロール社副社長ポール・レモが語っている。「当社はボーイングとの共同活動に実績があり米海軍向けF/A-18E/Fの IRST21やF-15のIRST製品がありますのでF-15CのLegionポッドでも成功は間違いなしです」
米海軍と業界関係者からは以前にも The National Interest に対して長波IRSTと高速データネットワークを組み合わせればステルス機の探知捕捉が可能になると述べていた。IRST搭載機同士でデータ共有すれば精度がもっと高くなる。「これが海軍のステルス対策の中心です」と業界関係者も述べていた。
F-15CにLegionポッドを搭載すればSu-57も優位性を失う。イーグルがSu-57を探知すれば、同時に強力なレイセオンAN/APG-63(v)3アクティブ電子スキャンアレイ(AESA)レーダーでスキャン焦点を合わせロシア機が捕捉可能となる。いずれにせよF-15CはSu-57に対して有効な追尾捕捉ができ、その後レイセオンのAIM-120D長距離AMRAAMミサイルをお見舞いすればよい。
Su-57がミサイル攻撃を生き残りミサイルで反撃してくると抜群の操縦性能を誇るロシア機の前にF-15Cは不利になる。だがF-15C部隊は同様に優秀な操縦性能を備えたF-22相手に訓練を繰り返しており、不利とはいえラプター相手にイーグルが勝利することもある。さらに共用ヘルメット装着指示システムが最近導入されており、レイセオンのAIM-9XとあわせF-15Cは視程外戦で高い能力を備えることになった。パイロットが顔を向けた方向にミサイルが飛んで敵を撃墜できる。演習では訓練次第で敵を撃墜しつつ残存できることがわかってきた。
こうしてみると機体構造強化策に必要な費用を確保して新装備を追加すればF-15Cは今後も十分共用可能なようだ。ただし、機体の経年変化以外に敵戦力が一貫して強化されているため空軍が次期機材PCAに投資するほうが賢明とみる可能性がある。議会がA-10の場合のように退役を認めない可能性もある。なんらかの手を打たないとF-15Cに残された時間がなくなりそうだ。■
Dave Majumdar is the former defense editor for the National Interest . You can follow him on Twitter: @davemajumdar .
IRSTっていわゆる熱探知の発展ってことでしょ?
返信削除空気の断熱圧縮で数百°Cにもなる戦闘機が赤外線を出さないようにするなんてできるわけないよね。
新技術が出てもIRSTから逃れる方法はないと思うが。
デコイとかで欺瞞するかセンサーを目潰しするとか?
ん~難しそう。
F-15Jのうち、2機の寿命延長と長距離巡航ミサイルJASSM装備可能な攻撃機仕様に改造する記事が出ていました。
返信削除これに加えIRSTと、近年発展が著しいステルス機探知、及びデータリンクを用いれば仮想敵国のステルス機にも十分対処できるようです。
仮想敵国のステルス機、Su-57やJ-20は、完成されたものでないようです。
F-15Jは、上記改造の寿命延長により2035年頃まで強力な戦闘攻撃機として活用でき、F-35との組み合わせで航空優勢を維持できる可能性があると推察します。(数が揃えばですが)
IRSTは、長波赤外線カメラと画像認識技術の組み合わせを発展させたものと推測していますが、日本もこのような技術があるはずであり、日本版IRSTを作りたいものです。
AESAやIRSTでステルス機を捕捉できても、それから発射するAIM-120のレーダーはステルス機を捕捉できるんでしょうか?米空軍はよくステルスが探知されてもキルチェーンが途中で途切れるから問題無いと言っていますがそれは敵ステルスに対しても当てはまるのでは。
返信削除AIM-120のレーダーの指向性が強く、インプットした小さなレーダー反射も捉え続けることができれば可能ではないでしょうか。それに改良されたAIM-120はデータリンク機能を持っているようです。
削除AIM-120は中間誘導に指令誘導も使えるので発射母機が探知している限りは追尾可能です。その場合は打ちっぱなしはできませんが。
削除ステルス機相手ならアクティブシーカーの範囲はかなり狭まるでしょうが、米軍の場合単なる隠れるという意味のステルスに加えて、秘匿されたデータリンクの分野でも他国と差がありますから、それを活かしてキルチェーンの保全?には抜かりがない印象ですね。