China's J-20 Is No Match for the F-22 of F-35 中国のJ-20はF-22やF-35の敵たりえない
China’s first fifth-generation aircraft is having a major issue.中国初の第5世代戦闘機には大問題がつきまとう
by Zachary Keck
October 29, 2018 Topic: Security Region: Asia Blog Brand: The Buzz Tags: StealthAir ForceChinaAmericaJ-20F-22F-35MilitaryTechnology
中国がJ-20ステルス戦闘機で初期作戦能力を獲得したと中国国防省は2月9日に発表した。中国では西側の独壇場だったステルス機に中国が参入したと大いに宣伝している。「J-20の登場でアジア太平洋の空軍力の構図は変わる。これまで米国及び同盟国の日本だけがステルス機を運用してきたが、中国J-20の登場で独占状態は消えた」と国営通信社が配信した。
確かに中国はJ-20を米国製第5世代機のF-22やF-35に競合する存在と表現してきた。だが新たな報道記事によりこの主張が疑わしくなっている。サウスチャイナ・モーニング・ポストから「中国は初のステルス戦闘機の供用を急ぐあまり、エンジンを間に合わせのものですませた」との報道が出た。同紙によれば「性能が大幅に制限され、操縦性や燃料消費効率のみならず超音速域でステルス性へ影響が出ている」とある。
記事ではJ-20は専用のW-15エンジンを搭載予定だった。しかし2015年のテストでW-15エンジンが爆発し幸い負傷者は出なかったが、中国技術陣は「原因は複雑で単結晶タービンブレードの品質管理で疑問が発生している」と同紙に述べていた。具体的に言えばW-15の単結晶タービンブレードでは高温条件下でJ-20の操縦性を支えられない。
高性能に耐えられるエンジンが第5世代機に不可欠だ。記事ではF-22では搭載するプラットアンドホイットニーF119エンジンはアフターバーナーなしで超音速加速が可能なためステルス性維持にもつながるが、J-20で同様のエンジンが無いと超音速飛行中にステルス性が確保できないとする。
この問題は短期間では解決できそうもない。別の中国軍事筋によると中国技術陣は最高水準の単結晶タービンブレード作成は十分可能だとする。ただし高度技術の量産ができないという。このため西側の経験を活かしたテストを多数実施しながら問題が解決不能のままという。そこでとりあえずWS-10Bエンジンを搭載することにした。同エンジンは第四世代戦闘機のJ-10やJ-11戦闘機が搭載するWS-10の改良型だ。しかしWS-10Bの推力重量比ではJ-20はアフターバーナー無しで超音速飛行が不可能だ。
J-20のエンジン変更は今回がはじめてではない。当初はロシア製AL-31を使ったが、これはWS-10Bよりさらに性能が劣る。中国はロシアに働きかけ高性能エンジン売却を迫ったが中国がリバースエンジニアリングする恐れがあるとしてロシアが拒否した。実際に中国はその他軍事装備品で前科がある。ロシアから拒絶された中国は巨額費用でエンジン国内生産を目指した。「軍内部筋」によれば2010年から2015年にかけ237億ドルを投じて新型航空宇宙エンジン実現を狙ったという。中国国営通信はこうした投資が結果を生んだとし、中国中央電視台はW-15エンジンはプラットのF119に匹敵する性能を実現と喧伝していた。明らかに事実は違う。
今回のサウスチャイナ・モーニング・ポスト記事の前にも報道があった。2016年1月のロイター記事が中国が第5世代戦闘機用エンジンの製作で苦労する様子が伝えられていた。「中国のエンジンメーカー各社は多数の問題に直面している」とシンガポールのS・ラジャラトナム国際問題研究院助教授のマイケル・ラスカの発言を同記事が伝えた。ロイター記事ではJ-20、J-31はともにアフターバナーなしでスーパークルーズができず、ロッキード・マーティンのF-22やF-35に差をつけられているともある。
それでも中国はいつの日か高性能航空宇宙エンジンの生産に成功するはずと見ている。ロイター記事では中国が海外技術陣を雇用し、中国空軍関係者が生産を支援するとあるが、ロイターはその裏を取れなかった。また民生防衛双方で使うエンジン開発のため中国は3,000億ドルを今後二十年に投入するとの観測もある。
こうしてみると中国機は米国機材と同等の立場にはない。当面は。■
中国の人民解放軍(PLA)軍用機の最大の弱点の一つは、記事で指摘するように信頼性、耐久性のある自国製ジェットエンジンを製造できないことと考えております。
返信削除PLAのWS-10シリーズやWS-15シリーズは、巨額の費用を投下し、さらにロシア製エンジンのコピーや西側技術の不法入手があっても、未だ技術的に完成したものでありません。また、軍用機のジェットエンジン製造の問題は、J-20に限ったものでなく、PLA空軍・海軍の航空機全般の問題と推定します。
例えば、西太平洋や日本周辺の外洋に進出するジェット戦闘機・爆撃機のエンジンはロシア製であり、複座の航空機に限られているようです。単座でWS-10シリーズを搭載するJ-10が中国本土から遠い海域で訓練する場合は、相当のリスクを抱えることになります。
上記の事実は、PLA航空機の外洋進出が極めて限定的であることを意味すると考えております。
文書訂正したく。文中の「複座」はジェットエンジンが2基以上装備、「単座」は1基のみとご理解ください。
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