ここにきて米国では中国との対決を覚悟した記事が多数出てきましたね。現在の米中対立が次にどうなるかを既に想定しているということでしょう。一方、日本では貿易戦争の真の意味も理解できずピントのボケた論調ばかりではないでしょうか。
Take a Look at America's Backup Plan in Case of War with China これが中国との開戦時に備えた米国の緊急対応策だ
中国との有事の際に太平洋地区の航空基地がミサイル攻撃の標的になることを米国は覚悟している。RANDコーポレーションがまとめた2015年論文が最悪の状況を伝えている。「大規模かつ正確な攻撃が対策未実施の基地に続くと破滅的な効果が生まれ、航空機多数が破壊され、航空基地の閉鎖は長引く」とある。
沖縄の嘉手納航空基地は中国に近いこともあり、最大の攻撃対象となりうる。中国は2015年にDF-26弾道ミサイルの存在を公表しており3000マイル離れたグアムのアンダーセン空軍基地を中国本土から狙えるとした。アンダーセン、嘉手納共に米軍の最大かつ最重要海外基地である。
そこでティニアンが登場する。グアムに近いちっぽけな同島が米空軍の代替基地のひとつになる。2月10日、空軍からティニアンを「アンダーセン空軍基地他西太平洋地点の施設の利用が不可能になった、あるいは制約を受ける事態が発生した場合」に代替施設とすると発表があった。
ペンタゴンは2017年度葉酸要求で9百万ドルで17.5エーカーの土地を購入し、「代替活用及び訓練」用に活用するとした。平時にはこの拡張で「最大12機の給油機他関連要員が配備」されると空軍は発表。
現在のティニアンは賑やかさと無縁の土地だ。
第二次大戦中は海兵第四師団、第二師団が同島を占領しその後B-29スーパーフォートレス部隊が進駐し、ノースフィールドから広島、長崎の原爆攻撃機が発進した。大戦中の武器弾薬庫や滑走路は放棄され使用されてこなかった。同島に残るかつての航空基地ウェストフィールドは国際空港だが小規模かつ活用されていない。
空軍はサイパンをまず活用しようとした。ティニアンは近接したサイパンの人工は15倍、空港施設と港湾もある。だが、「サンゴ礁、飲料水供給、交通事情、地元社会への社会経済的影響」を理由に空軍構想は現地で抵抗に遭ったとStars and Stripesが報じている。
反対派にはサイパン商工会議所も加わり、老朽しているティニアン空港の改修が無視されることを恐れたのもその理由だった。サイパン空港も混雑がひどく、空軍要員数百名が毎年八週間も演習でそこに加わるのはとても耐えられないと不評を買ったのだ。
これは過去への回帰とも言える。米国は冷戦中に世界各地に基地を分散させたが、ソ連のミサイル攻撃の驚異が消え、湾岸戦争後の予算カットで1990年代に苦境に陥いると、巨大基地への統合で経済性の追求を行ってきた。
しかし多数の基地に分散させたほうが残存性が高くなるとRANDのアラン・ヴィックも2015年の研究で指摘している。
「航空機を基地多数に分散させれば作戦基地・施設が多数になる。このことで飛行の安全性が高まるのは、悪天候や緊急事態に対応可能な予備施設が手に入るからだ。また飛行場が増えれば敵も監視対象が増え攻撃対象の絞り込みが難しくなる。(友軍機材は基地多数に分散配置する前提)」
「少なくとも分散配備で敵側は一層多くの装備を滑走路多数の破壊に当てる必要が生まれ、これまでのような集中攻撃はできなくなる。また航空機を基地多数に分散させれば建設費用運行費用は全体として増える。ただしコスト増対策として分散基地の施設は最小限とし当面は滑走路だけで可とすべきだろう」■
基地分散というのは既存基地の防衛が不可能と認めることですね。沖縄の人たちはこの事実からさらにネジ曲がった主張に導かれてしまわないか心配です。沖縄では下地空港がありますが、普天間はともかく辺野古の施設はどうしても必要でしょう。本土には空港多数がありますので支援部隊の展開が可能なはずです。これは有事法制で想定されているわけですね。北朝鮮はいわば初級レベルだったのですが、これからは真打ちとも言える中国への対応が待ったなしですね。
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