Details Emerge On Costs, Rewards Of Boeing Low-Cost T-X Bid ボーイングがT-Xで提案した低コスト、見返り内容が判明
Oct 24, 2018Steve Trimble | Aerospace Daily & Defense Report
Boeing
米空軍T-X練習機契約獲得で決め手となったボーイングの低価格構造の詳細が新たに明らかになった。コストを重視しハイリスクながら報酬も手に入れる可能性がある。
「T-Xは総計2,600機の市場を開き、サポート支援でも需要がある」とボーイングCEOデニス・ムイレンバーグが第三四半期営業報告(10月24日)で見通しを語った。
ボーイングT-X事業の最大のパートナーかつサプライヤーのSaabからその前日に市場需要見通しでより詳細な情報が開示されていた。
米国だけでも高等ジェット練習機及び軽攻撃機として1.000機の需要があるとSaabCEOハカン・ブシュケが発言。最低でも同程度の需要がその他国全体であるとも述べた。
ボーイングとSaabの見通しが正しければT-Xはロッキード・マーティンにF-35契約が交付された事案以降では最大規模の事業になる可能性がある。
ムイレンバーグは「この事業が有望投資案件だとおわかりだと思う」と述べた。
ボーイングのT-X事業では低価格提示によるコスト超過のリスクが高いことを最初から見込んでいるようだ。同社はT-Xで米空軍がオプションすべて行使すれば合計475機を92億ドルで提供するとした。ただし空軍の要求は依然として351機のままだ。
ボーイングは8月末からたてつづけに大型契約三件を獲得しており、MQ-25(米海軍)、MH-139(米空軍)につづくものとなった。
市場アナリストを前にロッキード・マーティンCEOマリリン・ヒューソンは9月23日にボーイング提示価格で実施すれば事業赤字50億ドルになると説明していた。
ボーイングは6.91億ドルを第三四半期だけでT-X、MQ-25両契約の欠損分として計上と伝えられている。だがムイレンバーグは長期的に見ればその支出を上回る見返りがあるとの説明。
「現時点の契約内容を超えた製造規模になると見ており、今回の投資で2020年代はじめに生産開始となりその後数十年間に渡る生産となる」と述べた。
ボーイングは2011年にKC-46給油機契約を今回同様の状況で獲得し、エアバスを40億ドル下回る価格を提示した。米空軍は契約を固定価格制とした。同社は767生産でそれまで数十年の経験がありながらKC-46Aでは赤字が重なり35億ドル程度になっている。さらに1.77億ドルがここに加わるとの第三四半期発表が出た。
T-Xではリスク低減策として試作機は二機としたとムイレンバーグが述べ、2017年から試作機は合計71回のフライトを実施したと說明。
「予め投資することでリスクを減らしており、給油機案件とは大きく異なる」とムイレンバーグは說明。■
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