KC-46は老朽化進むKC-135後継機として一日も早く稼働させたい機体なのですがいろいろな問題に直面して納期が遅れに遅れています。軍用機で好調なボーイングの脚を引っ張りかねない存在ですが、調達は固定価格制度ですので空軍は納期を除けば負担がない格好です。ただし、追加技術解決で発生した費用は日本が負担することになるのでしょうか。現在のところKC-46発注している外国は日本だけですよね。
The Air Force's struggling tanker program just hit another major setback 米空軍の難航する給油機更新事業があらたな難関に直面
Valerie Insinna,
KC-46一号機の初納入は今月中は無理になったと米空軍とメーカーのボーイングで共通認識していると空軍文民トップが認めた。
10月17日のブルームバーグとのインタビューで空軍長官ヘザー・ウィルソンが初納入という大きな出来事が再度延期になることを認めた。
空軍関係者とボーイング幹部が同日に未解決問題の解決方法を検討していた。問題が残るため空軍は同機の受領に踏み切れていない。
Defense Newsが新たに第一種不良事象二点がKC-46の問題一覧に加わり合計5点になったと伝えていた。第一種不良とは最も深刻な技術問題で解決方法がないものを指す。
航空機動軍団司令官のメアリーアン・ミラー大将が9月18日に空軍は10月27日の初納入を期待刷ると述べていた。ただし、10月もほとんどすぎようとしているがいまだに確定の納入期日の発表はない。空軍は最低でもあと一ヶ月待たないとKC-46の初受領はできないようだ。
今月始めにボーイングCEOデニス・ムレンバーグはKC-46一号機は空軍に今年中に納入できると発言し、これまでの10月という表現を避けることでこっそりと納入予定を変更していた。
今週水曜日、ボーイング広報のケリー・カプランガムレンバーグ発言を繰り返し納入開始は今年末と述べていた。「ボーイングと空軍はKC-46納入時期を本日検討します。その結果に期待しております。本日の検討会は当社の目指す空軍との建設的な対話の一環として必要不可欠な新型給油機の納入を今年第四四半期中に実現させようというものです」
同機事業では遅延の連続がここ数年続いている。ボーイングは当初は完全な機体18機を2017年8月に納入予定だったが、その後繰り返し延期してきた。
ウィルソン長官はじめ空軍関係者は繰り返しボーイングが日程の見積もりがあまりにも楽観的すぎると批判してきた。空軍はボーイングと協議し、初納入予定を10月に一旦確定していた。
ブルームバーグのインタビューでウィルソン長官は最新の日程遅延の理由として連邦航空局FAAによるKC-46の追加型式認証が遅れていることをあげており、未解決問題だとはしていない。「これについて怒りの感情はない。当方はボーイング側とともに解決策の実現に向かっている」
ボーイングはFAA型式証明を9月に交付されているが、これも予定より数ヶ月遅れのことだった。同社は軍用型式証明の取得を空軍から待っており、軍用独自の装備品を対象に機体納入開始前の交付を受けたいとする。
米空軍は最低でも179機のKC-46を調達予定だが、最新の国防戦略を実現するには給油機飛行隊は最低14個の追加が必要としている。このことから給油機の総機数が二倍になる可能性が生まれている。
空軍は第一種不良点が未解決の機体を受領することは可能だが、関係者は及び腰だ。
未解決の第一種不良は次の五点。
- 遠隔視認装置RVSの視野問題。ボーイングはソフトウェア改良で解決できると見ている。
- KC-46のブームが被給油機の機体に損傷を与える問題。ボーイングと空軍はRVS問題が解決すればこれも解決できるとみる。
- 機体中央に配置されたドローグが給油中に不意に外れる問題。ボーイングはこれもソフトウェア改良で解決可能と見る。
- .飛行制御スティックが給油中に荷重を与えるが操作員には情報が表示されない問題。
- 給油中にブームが極端に硬くなる問題。
空軍とボーイングからは上記のうち最後の二点については解決の方向性の発言はない。■
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