War Is Boring記事のご紹介です。宇宙分野の戦いは目に見えませんが中国が先制攻撃で脆弱な衛星群を使えなくしたら米軍の活動は想定どおり展開できなくなります。もともと宇宙分野での軍拡をすすめないため米ロ両国は合意していましたが、ここでも中国が無関係に台頭してきたためINF条約同様に宇宙での装備展開の制約は早晩消えるでしょう。中国のなりふりかまわぬ進出はいたるところで世界に緊張を与えていますね。
China looks to the stars to steal more power away from the U.S.
中国の狙いは宇宙で米国を弱体化させることだ
FEATUREDWIB POLITICS March 14, 2019 Andy Wolf 0
地球周回中の衛星は現在1,957基あり、うち849基は米国が打ち上げているが、その中で外国勢力によるジャミングに耐えられる衛星は昨年打ち上げられた一基のみである。
そう述べると米国で警戒の念が強まるが、より多くの関心を寄せる国が別にある。中華人民共和国である。
人民解放軍は大幅な戦力増強中で、装備能力のみならず人工知能、衛星攻撃能力の技術面、さらに世界各地に米国同様に兵力投射する能力も着実に整備してきた。
多方面に手を伸ばした格好の中国だが宇宙分野でも活動を展開しデブリ除去もそのひとつとするが米国防情報局(DIA)はこれは米衛星をねらう作戦のカバーと見ている。
「中国の衛星運用は高度化しており軍民両用技術として対衛星攻撃に使うつもりだろう」とDIA報告書にある。
米衛星への奇襲攻撃の可能性について同報告書が中国が今後打ち上げる各種衛星について考察している。
「中国は各種衛星攻撃能力の開発を進め敵国の宇宙配備装備を有事の際に使用不能あるいは機能低下させるのがねらいだ」(DIA報告書)
衛星ジャマーや指向性エネルギー兵器以外に中国は運動エネルギー兵器も作成中で、2014年にテストした対衛星ミサイルもその一環だとする。
米国最大の優位点であり最大の弱点に中国は焦点をあわせているようだ。
「PLA著作物では『敵偵察能力の破壊、破損、妨害』の必要性を強調している」と同報告書にあり、「通信衛星や航法衛星、早期警戒衛星が『敵の聴覚視覚潰し』攻撃の標的だろう」とする。
報告書ではPLAが米国と同等の規模、性能、技術水準の確保をめざし、技術成果を自国外で獲得し開発工程を省略しようとしていると指摘している。知的財産を盗み、諜報活動やリバースエンジニアリングで米国に匹敵する技術水準を中国政府は近年確保している。ただし、「パズルのピースを盗み」ながらピース全部を入手しないため結果はばらついているともいう。
中国の台頭が続く中で、米国としてもサイバーセキュリティの強化、衛星ネットワークの防御をはかるが、次の戦争が「旧態依然」の方法で展開される可能性に備える必要がある。■
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「中国の狙いは宇宙で米国を弱体化させること」
返信削除米国は基本的にアジア諸国の認識を間違えていますね。
中国は米国を弱体化させることを目的としているのではなく、アジア他の覇権を取ろうとしているのです、それも大昔から。「中華人民共和国」という国名の「中華思想」とは何か?米国人は知っておく必要がありそうですね。
もし次の世界大戦が起きるとすれば、その戦域は宇宙を含む。
返信削除現在、警戒システムや多くの兵器は、偵察、GPS、通信等、多種類の衛星からのデータに大きく依存している。衛星が使えなくなると、敵弾道ミサイルの発射探知が遅れ、敵の動きがつかめず、自軍の正確な位置が分からず、交信できず等々、パニックになるだろう。
世界戦争は大規模で広範囲な奇襲により始まると予想されるが、その攻撃の一部に敵衛星の破壊、ジャミング等の不能化があるだろう。奇襲攻撃を起こす側は圧倒的に優勢になる可能性があるから、敵国の全ての衛星を不能化しようとするだろう。
衛星破壊攻撃の手段は、ミサイル、エネルギー兵器がある。キラー衛星もそれほど難しい技術を必要としない。レーザーや運動エネルギー兵器は宇宙環境での使用が最適でもある。
そして、このような宇宙戦争で最も重要なことは、地政学的制限を受けないことである。
対地攻撃衛星は、精密で破壊力の大きい金属弾を撃ち込むことができる。過去2回の世界大戦でほとんど被害を受けなかった米国本土も戦場となる可能性がある。このような兵器を使用したいと考える国は、地政学閉塞性の強い中国であろう。
米国が宇宙軍を創設したことは、このような攻撃に対処するものであり、中国が上記の兵器開発に邁進し、進捗している情報があるためと推測する。もしかすると、米国はすでに後れを取っているのかもしれない。