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空飛ぶホワイトハウス、次期エアフォースワンはVC-25Bの制式名称に

次期エアフォースワンとなる機体は今から製造するのではなく出来上がり機材を改装するだけのはずなのになんでこんなに時間がかかるんでしょう。改装対象が相当高度なのでしょう。日本向け777がいとも簡単に出来上がったのと対照的です。要求水準が違うんですね。それ以上に現行のVC-25(747-200)を30年にわたり米空軍が必死に整備していることが伺えますね。

 

The new Air Force One arrives in 2024. Here's what we know so far. 次期エアフォースワンは2024年供用開始予定。今のところ判明していること

This Presidents Day, consider the past, present, and future of the airborne White House. 大統領の日に空飛ぶホワイトハウスの過去現在未来を見てみよう。

By Rob Verger February 18, 2019

Air Force One
ジョージ・H・W・ブッシュ葬儀で飛んだエアフォースワン。2018年12月3日。U.S. Army photo by Spc. James Harvey

べて計画通りなら2024年に米大統領が誰になるにせよ次期エアフォースワンとなる新型機材2機を受領する。現行機種はボーイング747で次期機材も同じだが新型機種となり全長翼幅共に増え航続距離・巡航速度も増加する。
ホワイトハウス同様にエアフォースワンは大統領の象徴だ。「大統領個々人とは関係ありません」と述べるのは戦略国際研究センターで航空宇宙安全保障部門長のトッド・ハリソンだ。「大統領、米政府の顔です」
以下エアフォースワンの新型機となる米空軍制式名称VC-25Bで判明している内容だ。
Air Force One
1959年から1962年にかけて専用機のボーイング707には青白塗色は使われていなかった Boeing

大統領専用機の歴史

各大統領がボーイング747を使ってきたわけではない。エアフォースワンで著書のあるケネス・ウォルシュはトルーマン大統領はプロペラ機「インディペンデンス」を専用機とし、「鷲のように見える塗装だった」という。
その後アイゼンハワー時代にボーイング707になり、当初は「軍用機調」だったという。
その同じ機体が現行機同様の青白塗装になったのはケネディ時代で「エアフォースワン」の呼称も生まれた。
「航空管制で区別できるコードネームが必要だったのでエアフォースワンには堂々たる響きもありましたからね」とウォルシュは言う。このコードネームが一般大衆にも知られることになった。
ケネディは同機を「大統領専用機」らしくし、結局同機は1959年から1990年にかけて稼働した
Air Force One
1962年から1990年までのエアフォースワンは引き続きボーイング707だったが大統領らしい塗装となった Boeing

電磁パルスにも対応可能

現在のエアフォースワンはH.W.ブッシュ政権に稼働開始しており、ボーイング747-200はVC-25Aとして現在も供用中だ。

「機材更新の理由は機材老朽化が一番だ」とハリソンは言う。新型機に切り替えれば恩恵は明らかでエンジン燃費が向上し信頼性も引き上がり、新型防御・通信装置の搭載も期待できる。
たとえば2001年9月11日、ジョージ・W・ブッシュ大統領は機内から通信に苦労していた。当時U.S. News and World Reportのホワイトハウス特派員として大統領の移動に300回同行していたウォルシュによれば「ブッシュ大統領は通話中に何度も途切れた電話に戸惑っていた」とし、「今回は完全に解決したようだ」としている。
ウォルシュによれば9/11以降は大統領が機内から全国放送できるようになっている。
現行機には極秘の防御装備がついている。「わかっているのはエアフォースワンの機体表面には核戦争の際に発生する電磁パルスを受け付けない加工がされていることです」とし次期機材でも同様の構造だろうとする。
ウォルシュは現行機には携行型熱追尾ミサイルのような兵器への対応能力もあり、離着陸時のリスクに備えるとする。「対抗装置があることがわかっています」とし、小型ミサイルを「受け付けない」のだという。
「それ以上は軍も話したがりません」とウォルシュは述べ、「報道陣としては他の防御装備もあると見ていますが、秘密の壁で守られています」
Air Force One
1990年からエアフォースワンはボーイング747-200で2024年まで2機が飛び続ける Boeing

「あらゆる国家非常事態」に備える機体

米空軍は新型機747-8について以下説明している。

「改装作業では詳細は運用上の安全の観点からすべて明かすことはできない。通信装備、医療装備、執務室内部、防御装備、自己完結型地上運用体制等である。VC-25Bは空のホワイトハウスとして最高司令官が憲法上の責務に従って移動中も執務しながら、最高水準の指揮統制機能を軍事力を対象に行い国家の安全を維持する機能をいかなる国家非常事態や緊急事態の中でも確立するのが目的だ」
Air Force One
次期エアフォースワンの想像図 Boeing

次世代エアフォースワンには空中給油機能はついていない問われるが、ウォルシュは本当にそうなのか疑わしいという。「エアフォースワンは緊急時にも大統領を乗せたまま安全に飛び続ける必要があります」

なお機材調達予算は39億ドルである。■

コメント

  1. 米国大統領専用機ですからね、本当に核攻撃の指令を出す事もありうるでしょうし、どのような装備が付いているのかさえ、想像もできません。
    日本の政府専用機が容易に改修できる事の方が少し不安です。それとも、ボーイングから受領後、更に日本国内で手を加えるのでしょうか?

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