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オーストラリア>空軍力の整備と防錆装備輸出への期待

アジア太平洋時代に日本もオーストラリアとの連携を強めていますが、意外に同国の実態は知られていない気がします。防衛産業の積極輸出を目指す点では日豪は共通していますが、方法論や仕組みづくりは微妙に違うようですね。


Australia formulates its path to military modernization and industrial growth オーストラリアは軍事装備近代化と産業発展をこう進める


By: Mike Yeo

2015年2月の航空ショーでオーストラリア空軍のF/A-18Aホーネットがフレアを投下した。(Scott Barbour/Getty Images)



国に最も忠実な同盟国といってよいオーストラリはアジア太平洋の要衝で空軍力の再整備と国内防衛産業の振興を通じてグローバル競争力実現を近未来に実現したいとする。

オーストラリアは世界と隔離されているように見えるが、アジア貿易への依存から地域内安全保障に多大な支出をしてきた。
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同国軍は多国籍軍の一員としてアフガニスタン、イラクに展開し、イスラム国との戦いも支援してきた。国内政界には米国との同盟を重視し法の支配を世界規模で維持すべしとの意見が強い。南部ヴィクトリア州で隔年開催の航空ショーが今月末に始まるが、同国はロッキード・マーティンF-35Aの初号機を受領して空軍装備近代化に向かう中で陸軍海軍とのネットワーク化を目指している。

第5世代機の導入

ジェリコプランPlan Jerichoとして王立オーストラリア空軍RAAFは統合ネットワーク化された空軍力を情報化時代に恥じない形で届ける組織への変革を模索している。その中核がデータや状況把握の増強を図りつつ新鋭機供用を開始することだ。F-35Aの72機がF/A-18A/Bホーネットの後継機として主力戦闘機となる。これを支えるのが24機あるボーイングF/A-18FスーパーホーネットとEA-18Gグラウラー(11機)電子攻撃機だ。

F/A-18A/Bは順次退役を始めており、2022年頃に完全退役する。カナダが25機購入し、うち18機を稼働させ残りは部品取り用にする。

オーストラリアはロッキード・マーティンAP-3Cオライオン対潜哨戒機の後継機としてボーイングP-8Aポセイドンとノースロップ・グラマンMQ-4Cトライトン高高度長時間飛行UAVを海上の状況把握ミッションに投入する。

P-8Aが先行し、発注15機のうち7機が引き渡し済みだ。トライトンは6機発注で2023年から引き渡しが始まる。

P-8Aは国連の北朝鮮制裁にも投入されており、昨年12月に沖縄から運航を開始した。

ジェリコプランで輸送機部隊との接続実証試験を開始し、業界と協力しRAAFのロッキード・マーティンC-130Jスーパーハーキュリーズ部隊にワイドバンド衛星通信装置と主翼に落下式増槽を追加し、今後ライトニングAT電子光学照準ポッドも追加され戦術能力を引き上げる。


A Boeing-made Australian E-7A Wedgetail airborne early warning and control aircraft in 2014. (Melina Young/Royal Australian Air Force via Getty Images)
オーストラリアが運用するボーイングE-7Aウェッジテイル早期警戒統制機。 (Melina Young/Royal Australian Air Force via Getty Images)


装備調達での展望

オーストラリアの防衛白書2016年版に将来の調達計画の片鱗が伺え高速救難機材や特殊作戦用ヘリコプターが予定されている。

後者についてRAAFのボーイングC-17戦略輸送機への搭載が条件で白書では『特殊部隊の兵力投入・撤収により偵察行動から対テロ作戦、人質奪回作戦と多様な条件に投入する」想定だ。C-17で三機ないし四機の輸送が可能な小型機にする想定だ。

白書ではRAAFの初等練習機の更新を2022年開始としている。空軍はBAEシステムズのホーク127を初等練習機兼戦闘機として供用中だ。
ホークは2026年頃まで供用可能と見られる。

RAAF参謀総長のレオ・デイヴィス空軍中将Air Marshal Leo Daviesは次期練習戦闘機で選択肢を複数検討中で、ホークの供用期間延長も含むと昨年の取材でDefense Newsに述べていた。

同国は海軍艦艇から無人機を運用する構想も検討中だ。海軍はシーベルS-100カムコプターで実証試験を行い今後導入するパトロール艇やフリゲートに搭載する無人機の調達も検討中だ。

防衛産業への期待

現時点のオーストラリア政権は国内産業育成に高い優先順位をつけており、現地産業界の参画にむけて努力してきた。

F-35生産事業でオーストラリア企業が垂直尾翼、兵装庫、機体表面パネルの製造で実入りの良い仕事を獲得している。

さらにF-35運用の維持に絡むオーストラリア企業は多い。この内BAEシステムズオーストラリアが南太平洋地区の機体補給修理場に指名されたほか四社がティア1部品65点のうち64点で地域内補給整備業務を請け負う。
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英国はボーイングE-7ウェッジテイルを空中早期警戒機に昨年選定したが、オーストラリアは同機を供用中だ。国防産業相スティーブン・チオボには英国との共同開発や企業提携の機会と写る。「オーストラリア産業界にはウェッジテイル取得と運用に関与する企業200社超があり防衛輸出案件として大きな効果が期待できる」

オーストラリア政府も防衛装備輸出を重要視しており、昨年発表の輸出戦略構想で輸出実績につながる企画、指導、評価の仕組みを提唱した。

また2018年-19年に14百万ドルを追加計上し防衛装備輸出を支援するとし、国防省内に輸出を専門に扱う組織を創設し戦略の実施を目指す。目標は2028年までに世界の防衛装備輸出トップ10カ国になることだ。■

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