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新型機登場 デファイアントはシコースキー・ボーイング合作の同軸ローター複合ヘリコプター


Watch Sikorsky And Boeing's SB>1 "Defiant" Compound Helicopter Fly For The First Time シコースキー、ボーイング合作のSB>1デファイアント複合ヘリコプターが初飛行

The long delayed flight is a big accomplishment for team Defiant and marks a new stage in the fight to own the Army's future helicopter order book. 待望の初飛行はデファイアント製作チームに大きな一歩、陸軍の次期ヘリコプター受注を狙う


SIKORSKY

SB>1デファイアントが初飛行した。同軸ローター複合ヘリコプターの同機はシコースキーのウェストパームビーチ工場を3月21日7:47 AM離陸し、およそ三十分飛行し低速での操縦性を試した。推進用プロペラは今回は運転していない。初飛行成功はシコースキー=ボーイングチームに大きな一歩となりSB>1は陸軍の次期垂直飛行機材への採用で量産化を期待し、それ以外の需要も狙う。
同機開発には技術障壁が立ちふさがり、初飛行も一年以上遅れた。 他方で競合相手ベルのV-280ヴァラーが第二世代ティルトローター機として陸軍への採用を狙い、現時点で15ヶ月の飛行実績を有し、280ノットの前方飛行速度を達成したばかりだ。
シコースキー副社長(次期垂直輸送機担当)ダン・スプアは以下の報道発表をした。
「デファイアントは従来のヘリコプターのほぼ二倍の速度で二倍の距離を飛ぶ設計でありながら低速性能やホバリング性能はこれまでのヘリコプターに遜色ない。同機を敵地に送っても高い操縦性、生存性、柔軟性を発揮できる。本日の初飛行結果に高揚感を覚えつつ今後の飛行テストに期待している」
デファイアントはシコースキーの前作X2技術実証機のユニークな機体設計を拡大している。同じく同社がX2から発展させたS-97レイダー武装偵察同軸ローター複合ヘリコプターもSB>1開発の参考となったが、こちらはすでに数年前から飛行中で試作2機がテストに入っている。ロッキード・マーティンがシコースキーを傘下に収めたが、現在もシコースキーはブランドを残し独立事業体として運営されている。
デファイアントとヴァラーは米陸軍の共用多用途(JMR)技術実証機として競合する立場だ。陸軍は当初2017年12月にテストフライトを開始の予定だったがSB>1の製造が遅れ日程を先送りしてきた。
陸軍の狙いはJMRから次世代垂直飛行輸送機(FVL)の要求性能をまとめることにある。SB>1とV-280あるいは改良型がこのうち「中型機」の位置づけでUH-60ブラックホーク、AH-64アパッチ数百機の更新機材となる。シコースキー=ボーイングチームはデファイアントをブラックホーク後継機として売り込み、ガンシップ改装案をアパッチ後継機としたいとする。
LOCKHEED MARTIN
シコースキーのめざす高性能複合ヘリコプターの進展を示す図でSB>1からFVLに発展するとある。また「小型版」FVLはS-97から発展させるとある。


シコースキー=ボーイングチームは以前は2018年12月に初飛行を予定していたがテスト機に見つかった技術問題で先送りしており、その時点でも日程は遅れていた。
2019年1月末にロッキード・マーティンからデファイアントの地上運転状況を示す映像資料が公開された。
米陸軍はブラックホーク後継機の導入は2030年頃と見ている。
V-280 と SB>1がともに飛行可能となり、実入りが多い中型ヘリコプターの採用につながるため両社の競合は加熱するはずだ。他の競合相手の参入の余地はあるもののティルトローター技術が成熟化したとはいえ競合相手が登場し、陸軍以外の需要、外国軍への輸出、さらに民生分野でも大きな需要が期待される。
いいかえれば今回登場の試作機に大きな期待が寄せられている。■

Contact the author: Tyler@thedrive.com

コメント

  1. 「同軸ローター」のヘリの概念は古くからあり、利点も多いようですが、機構的に上下のプロペラが生み出す気流が音速を超える場合もあって、これに耐えうる構造の強化や整備性の悪さ、更に激しい騒音が発生するなどの問題があったようですね。SB>1デファイアントが、これらの課題をどこまで克服できるのか、楽しみにしています。

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    1. ローターの音速問題は、同軸ローターには、関係ないです。高速飛行するヘリでは必ず発生します。それに対する対応として、同軸ローターのABCローターを使用しています。コンパウンドヘリで高速を出す場合、何らかの対策が必要になります。試作攻撃ヘリのシャイアンやエアバスのX3は、高速時は、ローターではなく、ウィングで揚力を稼いでいます。
      同軸ローターは、ロシアのカモフのお家芸です。揚力が高く高性能です。整備性が悪いなどは聞かないです。艦載ヘリなので、同軸ローターで背が高くなるのはが弱点で、テールローターがいらないのがメリットです。

      削除
    2. 成る程、低速でローターを回転させて遷音速を超えないように工夫してあるんですね。勉強になりました。ご教示ありがこうございます。

      削除
  2. ABCローターは大型化に問題があるんですかね?
    S-97までは、非常に順調だったので、まさかここまで苦戦するとは思っていませんでした。
    UH-60クラス以上はティルトローターの方がいいのかな。
    UH-60さえ、揃えれなかった陸自には縁がないでしょう。
    UH-Xも初号機が18億円で、所用数を揃えるのは、難しそうです。ベルが25億円以上で販売しているヘリをベースで単価10億円は、無理がありました。

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