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新型機登場 XQ-58Aは空軍の戦闘様式を一変する可能性を秘めたステルスUCAV

無人機分野での進展が早く、新型機がどんどん登場しつつ作戦運用構想も技術の発展に合わせ進化しています。F-35に20年も費やす間にそれだけ進展しているわけで、追いつくのが大変なくらいですね。


Air Force's Secretive XQ-58A Valkyrie Experimental Combat Drone Emerges After First Flight 米空軍の極秘XQ-58Aヴァルキリー試験戦闘無人機が初飛行に成功

The XQ-58 may lead to a whole new class of highly-flexible and affordable unmanned combat air vehicles that could revolutionize how the USAF fights.

XQ-58は高度な柔軟性と低価格戦闘無人機につながりUSAFの戦闘方式を一変する可能性を秘める

BY TYLER ROGOWAYMARCH 6, 2019


USAF

ーイングが輸出を意識した「忠実なるウィングマン」構想の戦闘無人機を発表した翌週に空軍研究開発本部(AFRL)がよく似た構想のXQ-58Aヴァルキリーが初飛行したと発表した。同機は長らく秘密のベールに隠されていたが二年半たってその実態が初めて明らかにされた。
USAFは公式発表を以下伝えている。
XQ-58Aヴァルキリー実証機は長距離飛行可能の亜音速無人機で2019年3月5日にアリゾナ州ユマ試験場で初飛行に成功した。空軍研究開発本部がクレイトス無人航空機システムズと共同開発した。
同機開発は空軍研究開発本部が目指す低価格消耗航空機技術Low Cost Attritable Aircraft Technology (LCAAT) の一環で戦術用途機材で上昇する一方の価格傾向を打破する目的がある。LCAAT構想ではUASの設計製造を早めるため設計ツールを改良し民生製造技術を流用して製造期間コスト共に下げる。
同機は滑走路がなくても運行でき76分間飛行可能。契約交付から2.5年で完成した。XQ-58Aはテスト飛行5回でシステム機能、空力特性・発進回収システムをすべて評価する。.
「XQ-58Aは低調達コスト低運航コストをめざす初のUAVでありながら戦闘能力を革新する存在、とAFRLのXQ-58A主幹Doug Szczublewskiが語る。
USAFの「消耗品扱い」無人戦闘航空機構想としてついに姿を表したXQ-58Aは話だけ先行していた空軍の新型UCAVで、空軍にはこれ以外にも秘密のUCAVがあるはずだが同機はローエンド機材の代表なのだろう。

KRATOS DEFENSE

XQ-58Aはクレイトス社のXQ-222案と酷似しており、同機から発展したとわかる。
XQ-58Aは低価格ステルス無人機として偵察攻撃・電子戦支援能力を発揮し単機であるいは多数を同時運用する、または「忠実なるウィングマン」役のQ-58として有人機の指揮統制下で飛ぶのだろう。同機の飛行距離は2千マイルで小型口径爆弾二発あるいは電子戦装備や偵察装備を搭載し、滑走路がなくてもロケット発進方式で飛行する。

同機を製造したクラトス・ディフェンスは標的無人機の製造で知られ、AFRLはXQ-58をコスト面では従来の流れを断ち切る存在として求めた。以前にもこの構想を以下のようにお伝えしている。
LCASDの狙いは再利用も任意に可能ながら高度に適応力のあるローエンド無人戦闘航空機を年間調達99機未満の場合単価3百万ドルで実現し、年間100機生産なら2百万ドルにすることだ。LCASD構想は戦略構想、調達規模双方で「大量」を狙う
USAF


以上の記事の単価が高性能巡航ミサイル単価とほぼ同額なのに留意願いたい。また高性能ステルス無人機で何度も再利用する狙いがないことも重要だ。試験機段階から作戦機材に変身すれば、Q-58には空軍の攻撃力や柔軟対応力を比較的廉価で実現する潜在力がある。.
整備された滑走路がない場所からでも運用できることはペンタゴンがめざす大国との戦闘でインフラがない環境でも運用できることを意味する。また航続距離を見れば抵コストでも敵の接近阻止領域拒否バブルの突破が常識を破る形で実現でき、戦闘機が脆弱な給油機に依存しているためこの任務が容易でないことを考えると対照的だ。
そう、XQ-58AはXプレーンであり、近い将来における空軍の戦闘方法を一変させる可能性を秘める。敵味方とわず外国も急速にそれぞれ長距離ステルス戦闘航空機の実用化を進める中でXQ-58が姿を表したのは絶妙のタイミングと言える。
くりかえすが同機USAFのローエンドUCAV構想の一部であり、頂上となる存在は見えていない。いつの日かその姿を拝みたいものだ。■

Contact the author: Tyler@thedrive.com

コメント

  1. この機体の単価が約2~3億円であることにビックリ。おまけに「再利用する狙いがないことも重要」って、最後はこの機体自体が「特攻」をかけるんですか。。。
    米国らしくない、否、ミサイルも積める親ミサイルを大量に配備すると考えれば良いのか。
    日本は次世代機のコンセプトもにらみながら、F-3開発の準備を着々と進めておりますが、それでも、この「大量生産、多量消費」の構想には仰天です。

    返信削除
  2. 日本はF-3開発で第五世代+αを目指す方針として、有人ステルス機F-3を完成させることを第一目標とし、これに目処が立てば、この開発で得られた知見を元に簡易版無人機、あるいは、ミサイルを搭載すると共に、自らもミサイルになる安価な親ミサイルの開発も考えてみてはどうかと思います。大量に生産するためのノウハウは持っていると思いますので、産業界への貢献も期待できるのではないでしょうか。

    返信削除
  3. >F-35に20年も費やす間に

    以前からきになってはいましたが全く関係ない話題から無理矢理F-35揶揄にもっていき、見るものに印象操作を仕掛けるこの手法・・・。
    アベガー、ジミンガー、イルボンガーってやってる連中と頭の構造が同じですね。
    今までも多くの軍事関連サイトがこの手の特定思想に拘泥するあまり、全く関連の無い項目を無理矢理持論(おおくはナンチャラ不要論)に繋げていく手法にもっていくのを見てきました。
    当然そこでは客観性や中立的分析なるものは存在できなくなり己が思想に都合の良い記事や口伝をひっぱってきては「我が思想の正しさが証明された」と誇らしげに語るようになる。
    こうなると情報源として価値がなくなり一部の太鼓持ちを除いて多くの人が呆れて訪れなくなるでしょう。
    まだ軽度にみえるので今なら戻れそうですがそのまま突っ走りますか?
    もちろんここは主様のサイトですからどんな思想を披露しようと御自由なのですが、残念です。

    返信削除
  4. F-35に20年ですが、最近の機体としては、IOC獲得まで特別長い訳ではないのでは。
    70年代のF-15やF-16は10年以下でしたが、F-22で24年、タイフーンも20年、ラファールで19年、グリペンで17年かかっています。
    次はどうなるんでしょうね。6世代機がどうなるか?全然決まってませんけど、開発期間の短縮も課題かな。今以上の開発期間はさすがにありえないでしょう。
    70年代のように10年以下にしたいです。

    返信削除
  5. 本当にこの価格だとバカみたいに安いです。
    MQ-9が1700万ドル、MQ-1で450万ドルと言われて、巡航ミサイルのJASSM-ERで160万ドルですから、破格に安いです。離陸/着陸機能がなくなると安くなるんですかね。無人標的機屋さんですから、低価格化がうまいのかな。
    消耗品であるけど、使い捨てではなくロケットアシストでランチャーから射出されて、パラシュートで回収するようです。まんま無人標的機ですね。
    ただ武装は250ポンドの内臓ベイが2個でペイロードが500ポンドなので、強力な武装は難しく、SDB2発も無理かな。
    電子戦兵装や偵察機材もこのペイロードに含まれるので、この場合は非武装になるのかな?
    性能的に厳しく、飛行場が確保出来ない場合以外は有用性はあまり感じられない。
    ただ、途上国やゲリコマ対策などとしては有用かも。このまま、ステルス無人標的機でもいいような。

    返信削除
  6. 戦闘機の開発期間が長くなったことがコメントにもありますが、おそらく、人命が昔よりはるかに大事にされる時代のため、パイロットの安全性を確かめるために徹底的にテストせざるを得ないことに加え、機器も、例えば、半導体一個でも昔の大規模なシステム、あるいはそれ以上の機能が盛り込まれ、かつ、それらを多数、組み合わせてアビオニクス他が作られますから、検証項目だけでも、途方も無い工数になります。検証には大型コンピュータが使われていますが、それでも膨大なシミュレーション時間がかかるくらい複雑で大規模な構成になります。
    これらは、飛行機はもちろん、他の人命が損傷する可能性がある機器全てに言える事で、これらは、この先も短縮するのは至難の業かと思われます。
    だからこそ、F-3のように個々の要素を個別に開発を進め、それらを統合する方法が最も良いのかなと思います。
    F-3も長い時間をかけて、今ようやく全てを統合できる見通しがたったようですし、本当に期待しています。

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