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F-15EX調達に警戒するロッキードと議会ロビイストの戦いが始まった

Lockheed Martin is Waging War on Boeing’s F-15EX

 ロッキード・マーティンがボーイングF-15EXに宣戦布告

A U.S. Air Force F-15C Eagle, an earlier variant of the proposed F-15EX, flies in support of Combined Joint Task Force – Operation Inherent Resolve Feb. 11, 2019.
U.S. AIR FORCE PHOTO BY STAFF SGT. CLAYTON CUPIT

  • BY MARCUS WEISGERBERGLOBAL BUSINESS EDITORREAD BIO
MARCH 15, 2019
The F-35 makers sees the Pentagon’s plans to buy new F-15s for the first time in 19 years as a threat.

F-35生産関連企業にとってペンタゴンが新規生産F-15導入を決めたのは19年間ではじめての脅威となった

F-35共用打撃戦闘機はネヴァダ上空の空戦演習で旧型機を次々に獲物にしたといわれる。その中に104対ゼロと圧倒的な実績を誇るF-15も含む。この二機種が今や熾烈なドッグファイトに向かう。ただし、ミサイルや銃は使わない。

ロッキード・マーティンF-35とボーイングF-15EXの戦いを演じるのは議会内外のロビイストでペンタゴンの2020年度予算要求が戦いの口火を切る。今後10年間で数百億ドルが手に入るかの瀬戸際だ。

今週ペンタゴンから新規製造F-15を2001年以来初めて調達するとの発表があったが、空軍トップは2週間前にどうしても必要な機材ではないと発言している。ほぼ二十年近く、空軍はいわゆる第四世代の調達はしないと公言し、ステルスの第5世代機導入を優先してきた。

今回のF-15調達は小規模で2020年に8機、2024年までに80機だ。反面F-35は2020年に78機でうち48機が空軍向けだ。

だがペンタゴンの予算関連書類から空軍はF-15を今後10年で数百機調達する構想がわかる。まず144機を冷戦時のF-15Cに交替させる。さらにF-15C/DやF-15Eの更新も視野に入れると400機になる。

これにロッキードが反応した。発表の翌日、同社幹部が第4世代機に対し「F-35の決定的な優位性」を詳細に語る文書を発出した。

ロッキードの主張は出費に見合う価値があるのか、という点にまとめられる。F-35の機体価格はまもなくF-15と同程度あるいはそれ以下になる。運航コストはF-15を下回り、より多くのミッションをこなせるとする。

ボーイングの主張:F-35は空対空任務のF-15Cの代わりになれないが、F-15EXはそのまま任務を拡張できる。パイロットに追加訓練は不要だ。兵装を大量搭載し、運用基地のインフラも改修なく使える。さらにF-15EXは多任務機材でF-15Eストライクイーグルと類似点が多い、つまり対空、対地、対艦攻撃も可能だ。

ボーイングは新規生産F-15の売り込みを10年にわたり展開し、同様の機材をサウジアラビアやカタールに売り込んだ。昨年夏から今のような調子の営業活動がはじまった。
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空軍の一部では評価されたが上層部では別だった。空軍長官ヘザー・ウィルソンは2月28日に同機は空軍の初期予算案に盛り込まれないと発言していた。

だが統合参謀本部及びペンタゴンの費用評価事業評価部門が「実際の航空戦で必要とする性能諸般」からF-15EXの調達を推奨してきたと防衛関係者が述べている。

ペンタゴンの監理官次長エレイン・マカスカーは3月12日、F-15EXを予算要求に盛り込む決定はジム・マティス前国防長官のものと明かした。

議会がF-15EXの存在意義を認めるかは不明だ。2月に全員ロッキードF-35生産あるいは配備基地とのつながりをもつ共和党上院議員5名がF-15EX導入に反対の趣旨の書簡をトランプ大統領に送りつけた。

「ここ数年にわたりDoDがF-35事業予算を減らしており重大な懸念を感じる中、議会による予算追加頼みで生産、配備、改修を進めてきたのが現状だ」と代表してジョン・コーニン上院議員(共、テキサス)が述べている。「国家安全保障戦略で掲げた目標達成にはF-35へ投資し妥当な経費負担で航空優勢戦闘機の威力を発揮し残存させる必要があり、今が一番肝要な時期だ」

F-35の2020年度予算要求は112億ドルで78機調達に加え完成機材の改修も行う。これまで議会が独自にペンタゴン要求枠を上乗せした予算修正してきた。昨年は国防総省の要求77機に16機追加した。

F-15EXでは2020年度要求に8機調達として11億ドルを計上している。予算額には生産ライン整備費用も含む。


ブルームバーグが昨年12月に8機のF-15EX調達が予算要求に入ると報じ一ヶ月してロッキードCEOのマリリン・ヒューソンがペンタゴンからF-15導入でF-35予算は減額しないと聞いていると述べている。
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「威力を実証ずみのF-35こそ国家防衛戦略の体現で、同事業は引き続きペンタゴン、各軍、議会、ホワイトハウスから強い支持をうけていく」と同社は声明文を発表していた。

ペンタゴンからはF-15EX調達でF-35導入機数が減ることはないと繰り返し発言があり、F-35の総合計調達数は2,443機だ。

「議会で全部F-35にしてくれるんならわからないことはない」とペンタゴンで戦略構想担当の統合参謀本部次長室のデイヴィッド・クラム少将がミッチェル研究所で述べている。「だが今ある財源と装備の運用費用を考えるとこの国の空軍には現案が最良の策だろう。また機能と規模を考えるとこれがベストなのでは」

「もっと財源があれば望ましい方向について真剣に議論すべきと思う。だが今ある財源からすれば正しい方向に向かっていると思う」■

コメント

  1. F-15Xを捻じ込んだシャハナン国防長官代行に対する捜査が始まりましたな。
    あまりにもあからさまに怪しかったF-15X導入話ですが司法が動き出しました。
    なかなかに面白い展開になってきましたね。

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    1. 元々、シャハナン国防長官代行はボーイング社の役員をされていた方ですから、繋がりがあっても不思議では無く、そのため、ボーイング案件には関与できないという建前になっていたハズですが、やっぱり、綺麗事では済まないのかな?
      まぁ、ロッキードの方も、関わる議員らを調べたら多数見つかると思いますから、傍から見てると、似たようなもんじゃないの?という気もします。

      削除
  2. もう何度目の議論なんでしょうね、F-15を追加導入するべきか?という話は。結局、運用費用も含めると、F-35だけでは予算が足りないのでしょうか?それとも、ボーイングが戦闘機事業から撤退すると困るから、追加調達するのでしょうか?
    傍から見ていると、この問題点が不明確なまま、この不毛なロビー合戦が続いているように見えます。

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  3. 2020年の予算案に8機のF-15EXの「アドバイストイーグルス」10億ドルは、元国防長官ジム・マティスによるもの。

    F-15Cは、2027~2028年に老朽化する。次の5年~10年以内に最善の解決策は、F-15EXで交代させる。最終的には、F-35に進むことなるがコストと能力の両方の観点からF-15EXとの組み合わせは、正しい組み合わせと判断された。(国防省)

    空軍の未来年防衛計画では、F-15EXのうち80機を購入することが求められていますが、最終的な購入は144機にまで達する可能性があります。

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    返信
    1. シャナハン代行への捜査が開始されている時点でのペンタゴンの主張を鵜呑みにするのはいかがなものか

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  4. マティス元長官時に予算が決まったとありますが、その時の副長官はシャナハンであり、マティスから後継者指名を受けていましたから、影響力行使したのではないか?と勘ぐっています。
    海外輸出も、F-35とF-16が好調なので、F-15とF-18がジリ貧なボーイングに戦闘機を発注したいのが、丸出しではないでしょうか?
    統合参謀本部議長は、運用費はF-35の半分で、機体寿命は倍などと言っていますが、これが信用出来ないです。
    運用費がF-35の半分になるとF-16以下ということになりますし、機体寿命もF-35も2万時間以上の試験はクリアしていますのでもう何を言っているのやらです。
    F-15Eと同様に考えるとここから15年、F-15を使い続けるのは、無理があるでしょう。
    議会を巻き込んだ、国防省と空軍の戦いどうなるか?ここからは、ドロドロの泥仕合ですね。ボーイングは立ちまわりがうまく、ロビー活動も実績があるので、F-15は採用される気がしています。さらに、このまま、F-35の機数も大幅カットにならなければいいのですが。

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