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★KC-46の受領を米空軍が停止中---その理由とは

製造工程で異物が残ったまま、なんて昔のデトロイトのクルマ製造ラインの逸話みたいです。もちろん見つかったのはコーラの瓶ではないはずですが。これでボーイングはさらに自社費用による解決が必要となり、経費がふくらむため日本向け機材の価格は当然高くなるでしょうが工程が安定し品質が良くなった機体が日本にやってくればそれはそれで良い結果と言えるのかも知れません。

US Air Force suspends KC-46 tanker deliveries

米空軍はKC-46受領を中止中

By: Valerie Insinna


製造中の KC-46 (2019年1月24日撮影)、ワシントン州エヴァレットで。,(Valerie Insinna/Staff)

ーイングKC-46給油機の米空軍向け納入が一時停止している。異物混入問題を空軍が調査しているためと3月1日に空軍調達部門が説明している。
ウィル・ローパー調達技術補給担当次官補は報道陣に同機受領の再開は時間がかかると説明している。
「担当部門からのデータでKC-46生産ラインで異物が見つかっている。どこまで被害が広がり生産ラインに影響が出るかはまだわからない」.
「製造工程や社内のしくみや管理に行きつく。このままではボーイングに行きDD250再承認が必要となる」とし、機材受領の国防総省用語に触れた。
ローパー次官補は機体内部に工具や異物が残ったままとの懸念から空軍は同機の飛行をほぼ一週間にわたり停止中と報道陣に述べ、安全上の懸念を示した。この問題はSeattle Timesが最初に報じた。
ただし空軍の現地視察チームの初期報告は肯定的で2機の納入は2月28日夜にも了承されるとローパー次官補は述べた。
3月1日にローパーはその時点で国防契約管理庁(DCMA)や航空機動軍団他関係者には今後の対応について話していないとしながら検討の結果で納入を遅らせることになったと述べている。
Seattle Times紙が入手したメモでは異物の数々について触れている。FODの略号で作業員が機内に工具を置き忘れた事例、生産ライン上で見つかった8件、空軍納入後に発見された事例2件があるという。
.ローパーはボーイングのエヴァレット工場(ワシントン州)でのFOD管理が低下している証拠があるとは言っていないものの空軍は根本原因の解消に取り組み問題の全体像の把握につとめているとする。
「FOD問題の過去事例をひもとくと深刻化したケースも有る。逆に取るに足らない問題に終止した例もある」とし、「今回は根本原因がまだはっきりしない。まだ確実でないなら安全を考え慎重にすすむべきだ。このため十分解明するまで機体受領を止めている」
「解決方法は詳しく説明できないが、機体受領を進めるべきでない理由は明確だ」
空軍とDCMAは製造工程の改良について13点をボーイングに求める意向で、本日中に改善策を決定すると3月1日にローパー次官補は述べた。改善費用はボーイングが負担し実行に責任を果たすが、同社は納入済み機体の点検を申し出ている。
ボーイングはKC-46の初納入を1月に完了し、今まで6機がマッコーネル空軍基地(カンザス州)とアルタス空軍基地(オクラホマ州)で受領している。しかし技術問題で事業進捗が遅れ初号機の納入は予定の二年近く後だった。
「問題はコストではありません。今回はこちらには追加経費は派生しない。訓練不足が問題だ。パイロット、オペレータの訓練が必要だ」(ローバー)

ボーイング広報は空軍と協力し給油機納入を予定通り進めたいとのコメントが出ている。■

コメント

  1. ボーイングと言えば大型旅客機では世界一の実績を誇り、空中給油機でも実績大の会社ですが、「大した問題は出ないだろう」と思われたこのKC-46空中給油機で大炎上。給油時に相手の戦闘機の機体を必要以上に押して負荷をかけるだの、機体表面を擦ってしまうだのといった問題続出で、ボーイングに何があったんだろう?と思いますが、此処に来て更に「機体内部に工具や異物が残ったままの可能性」って、本当にどうしてしまったんでしょう?
    業績の悪化、リストラで経験豊富な社員がいなくなったとは聞いていませんが、何故ここまで劣化してしまったのでしょうね。不思議だ?

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