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中国がSu-57を検討して出した結論とは....異様な中国のステルス戦闘機運用思想

米ロが似通った設計思想を持っているのに対し中国が異質なのか、そもそも戦闘シナリオが違うのか、米空軍が機種を絞り込もうとする中で、中国はむしろ特化した機体をたくさん揃える傾向があると思います。Su-57は中国からすれば魅力がないのでしょうか。

China Is Studying Russia's Deadly Su-57 Stealth Fighter: Here's Why They Think 中国がロシアのSu-57を研究してわかったこと

February 26, 2019  Topic: Security  Blog Brand: The Buzz  Tags: ChinaRussiaMilitaryTechnologyWorldSu-57J-20F-22F-35
国人専門家はロシアのSu-57ステルス戦闘機に複雑な見方をしていると中国国営メディアが伝えている。Su-57には欠点も多いが「ユニークな」機体というのがWang Yongqingの結論だと環球時報にある。
WangはJ-31を開発した瀋陽航空設計研究所の主任設計者だ。中国海軍が同機の採用を検討中と伝えられる。
トラブル続きのSu-57を詳しく検討したWangは中国にも参考となるはずの教訓を見逃しているようだ。
Su-57が大量にロシアで供用される可能性はないようだが、同機の設計に欠陥があったわけではなく、むしろ非常に洗練されよく考慮されている。一番の問題は同機に機関銃が搭載されているが中国のJ-20は搭載していないことだ。
.だが機関銃問題はWangには重要でないようだ。
「中国観測筋はSu-57の性能を低く見ているが、軍用機設計者のひとりにはSu-57はとてもユニークに映るようだ」と環球時報の2019年1月24日付けが伝えている。
Su-57は大型双発戦闘機で大型主翼があり、2010年に初飛行した。ロシア空軍は10機ほどを取得しテストしてきた。スホイはSu-57全機を手作業で生産したといわれるが、出来具合がいかにも雑だ。
Su-57には戦闘装備がないといわれる。2機はシリアに2018年2月に展開したが、ロシアは根拠を示さずに空爆に投入したと発表している。
クレムリンは2018年8月に生産型機材10機ほどを発注し、2019年に初の実戦飛行隊の編成を目指した。だが国防予算が減少する中で同機の大量調達はしないとの決定が出た。
ロシア政府はSu-57の調達削減方針を正当化してきた。「Su-57は現時点出世界最高の機体ですよ」とユーリ・ボリソフは2018年テレビで語っている。「そのため同機の量産を急ぐのは理にかないません」
人民解放軍空軍はJ-20ステルス戦闘機で遥かに高い成功を実現してきた。2011年初飛行し、2018年初頭にPLAAFは同機初の飛行部隊が作戦可能となったと宣言している。
中国は少なくとも三種類のステルス軍用機を開発しており、戦闘爆撃機、爆撃機、そしてJ-31があり、後者は中国空母への搭載になる可能性がある。
PLAは米国に次ぐ世界第二位のステルス機運用をめざするがWangはSu-57開発から学ぶところがあるという。
.Su-57の性能は全体としては「まったく悪いものではない」とのWang発言を環球時報が引用している。
Wangの分析ではSu-57は「革新的空力特性の機体設計で推力偏向制御が可能なSu-57では超音速巡航飛行能力があるところが重要で操縦性もずばぬけている」とある。
Su-57の設計を検討しWangはロシアと米F-22、F-35ステルス戦闘機の作戦思想を比較している。
「米側の次世代航空戦闘の概念では視界外戦闘を重視していますが、その場合にミサイルは相当の距離を飛翔するわけでSu-57では操縦性を極限まで高めて回避する必要があります」「ロシア戦闘機は特殊レーダーを搭載しミサイルの飛来方向を正確に探知します」
「超射程ミサイルは別にすると最終的な対決は近接距離で発生するでしょう。そうなるとステルスや極限までの操縦性は意味を失います」と環球時報は伝えている。Su-57には30ミリ機関砲を近接戦に備え搭載する。
Wangの評価から米・露・中のステルス戦闘機での方向性が見えてくる。Su-57設計がF-22やF-35との近接航空戦を想定するのに対し、米戦闘機両型も機関銃を搭載していることに要注意だ。米空軍はステルス機も超接近戦に備える必要があると考えている。
対照的に中国のJ-20には機銃がなく、中国がステルス機の作戦想定を全く違う形にしているのはあきらかだ。「USAFや業界はJ-20は機敏な操縦性を想定せず速度とステルスを前面に押し出した機体と見ている。陸上目標あるいは給油機やISR機材への奇襲攻撃を想定しているのだろう」とAir Force誌は結論を出していた。
.言い換えればJ-20は防空網を高速突破してミサイルを発射する機材だ。近接航空戦闘は想定していないのがあきらかだ。
「空力特性上の成約とミサイルの運用条件を考えると将来の戦闘でも銃は不可欠だろう」とスチュアート・ニコルス少佐は1998年に空軍大学校で論文を書いていた。
「機銃は単純ながら運用維持が楽だ」とし、「敵の電子対抗手段やフレアでミサイルの性能は下がるが機銃は無関係だ。追う一つ銃の大きな特徴は搭載レーダーの機能と独立していることで、レーダーが敵の対抗措置に脆弱であることが重要だ」
.Su-57,F-22、F-35を比較することでWangは中国のステルス戦闘機部隊に有益な知識を得たと主張する。おそらくその中心は設計思想こそ違うがロシア、米国ともにステルス戦闘機に機銃を搭載していることだ。■
David Axe serves as the new Defense Editor of the National Interest. He is the author of the graphic novels  War Fix, War Is Boring  and Machete Squad.

Image: Creative Commons.

コメント

  1. 長々と書いていますが、私には、実はJ-20は機動性が良くなく、空対空戦闘ではSU-57はもちろん、F-22やF-35Aに対しても分が悪いと読み取りました。飛行制御のハード、ソフトが未熟なのか、エンジンが非力なのか、両方かなと想像します。
    でも「陸上目標あるいは給油機やISR機材への奇襲攻撃を想定」と言っても、米国の最新レーダやアビオニクス以上の探知性能が、現在の中国にあるようにも思えないのですが。。。

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