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T-Xは軽攻撃機、アグレッサー機材にも転用したいとする米空軍ACC司令官

ひとつわからないのはT-XがいまもT-Xと呼ばれている点で、採択されればすぐにでも呼称がつくのですが、いまだにT-Xのままですね。軽攻撃機としては当方はスコーピオンに期待していましたが未だ鳴かず飛ばずですね。ボーイングT-Xがその任務もこなせるのか、これから注目しましょう。


US Air Force’s new trainer jet could become its next light-attack or aggressor aircraft 米空軍の新型練習機は軽攻撃機、アグレッサー機材に発展する可能性を秘めている


By: Valerie Insinna    


ボーイング-サーブのT-X提案が空軍のT-X競作で2018年9月に勝ち残った (John Parker/Boeing)



空軍のT-Xには練習機以外に、アグレッサー機材や軽攻撃ミッションにも転用の可能性があると航空戦闘軍団司令官が3月7日述べた。
T-X練習機の調達は供用50年に及ぶT-38の交替が主眼であり、これが最優先事項であるのは変わりはないが、空軍は別用途の検討もしており今後の調達に反映されようと、マイク・ホームズ大将が空軍協会シンポジウムで語った。
「同機の軽戦闘機型を想像してほしい。訓練で敵機役をさせてもいい」
「非公式レベルで別型式の要求性能を検討させている。いつ公式になるかはいろいろな要素次第だ」とし、予算が念頭にあると付け加えた。
では空軍はどんなT-X発展形を想定しているのだろうか。


軽攻撃機構想
空軍は軽攻撃機に転用する道筋を明らかにしていないが、上層部によればターボプロップ機材の性能を超える物が欲しいという。T-Xあるいは別の低コスト機に期待しているとホームズ大将は述べたが、2020年度っ国防予算の詳細が未公表のいまは詳細を話してくれなかった。
「同機やT-X競作の各機のサイズと飛行経費今後の実証の対象だ」
2017年の軽攻撃機試験第一ラウンドで空軍は軽戦闘機を試していた。テキストロンのスコーピオンだがターボプロップ機のA-29やAT-6を合格とし同機を避けた。
スコーピオンにはターボプロップ機にない性能として速力や操縦性さらに機内兵装庫がありプラグアンドプレイ式でセンサー搭載が可能だ。AT-6やA-29の有利な点はふたつで、購入価格が安く製造ラインがすでに存在していることで、スコーピオンは未だ採用国はない。
ボーイングのT-Xはこうした課題にそのまま答えていない。ひとつにはT-Xでは350機調達を前提に生産ライン立ち上げコストを想定し単価を引き下げている。
ホームズ大将はボーイングが同社のブラックダイヤモンド生産方式をT-X設計段階から使用していると説明。ブラックダイヤモンドとは大幅な生産コスト削減のため新しい製造技術を同社の民生部門から流用する。
「機体の共通化で量産効果が生まれ、単価が下がり供用を長く維持できるだろう」(ホームズ)
ただし非武装のT-Xは決して安い買い物にならず、各国に売り込むのなら負担可能な価格に抑える必要がある。


アグレッサー部隊用機材
米空軍は空戦訓練で敵機役となる「レッドエア」機材の新規調達を今年にも公募する予定だが、要求性能は高くなる見込みでアグレッサー機材に新型機が必要になりそうだ。
T-Xで各社が採用をめぐりしのぎを削っているころ、空軍はT-Xのアグレッサー機転用は真剣に見ていなかた。だが契約が交付されると、新型機で要求性能を実現できるか検討しはじめたとホームズは明かした。
航空戦闘軍団司令官はWar on the Rocksの1月記事で深掘りした意見を表明している。T-XはT-38タロン後継機の位置づけだがタロンを飛ばすのは1950年代の戦闘機を操縦するのと大差なく、同機で体得できるのは基礎戦術だけだとしていた。
T-Xは飛行性能とセンサー機能が充実し現在の第一線戦闘機に近く、ホームズ大将はF-15、F-16、 F-22、 F-35の操縦訓練にT-Xが活用できると期待する。
「敵機役として訓練に活用できる」のではないかと記していた。

「T-Xの低運航コストを活かせば敵機役として活躍の余地は伸びるのではないか。第四世代機の半分程度、第5世代機の5分の一という水準なのでパイロット訓練を増やすか、低コストで実施できるはず」とホームズは寄稿している。

コメント

  1. F-15やF-16では費用がかかり過ぎるから、軽攻撃機が欲しいという話は以前からありました。その上更に、T-Xの攻撃機版をつくるんですか?米空軍は予算が足りず苦労しているという認識なのですが、予算が足りないというより、次から次にアレも欲しいとコレも欲しいと言っているようで、空軍全体の方針がフラついてる様に見えます。

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  2. ふと思いつきましたが、T-Xの攻撃機版の構想って、ボーイングを戦闘機事業から撤退させないためですかね?そうで無いと、予算が厳しいと言う中で更に機種を増やすのは不自然過ぎる。でも、こんなことしているから金が無くなるんだろうなぁ。。。

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  3. 訓練機の軽攻撃機化は、昔からありました。
    当然、ボーイングはT-Xも海外販路も視野に入れてT-Xも軽攻撃機にすると思われます。

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  4. ボーイングがT-X練習機やその軽攻撃機版を売り込むのはありでしょう。しかし、予算でモメている米空軍が言い出すと、「そんなに機種を増やすから予算が足りなくなるんだ」と言われないんでしょうか、と思う次第です。

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    1. A-Xを見ている限り、米空軍が実戦部隊を編成することは無いでしょう。
      T-Xの攻撃機はFMSで海外販路を目指すと思われます。

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    2. 何故T-Xの軽攻撃機を米空軍が実戦部隊を編成しなければならない?
      T-Xの前機種T-38も軽戦闘機F-5開発し海外販売にも成功したが米空軍では、アグレッサー機として採用されただけ。
      軽攻撃機は、現在A-XのAT-6、A-29どちらかが選定される。

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    3. 米空軍はアグレッサー用途での調達のみですか。下記の内容から、AT-6、A-29以外の機材としても考えているのか?と思った次第です。

      「空軍は軽攻撃機に転用する道筋を明らかにしていないが、上層部によればターボプロップ機材の性能を超える物が欲しいという。T-Xあるいは別の低コスト機に期待している」

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  5. ボーイングがまさかの低価格の一機1900万ドルとしたからでは。
    A-29やAT-6も大きな価格差はないようなので、攻撃機タイプにするのにいくらかかるか?次第です。まあ、米空軍に軽攻撃機が必要か?は別にありますが。
    アグレッサーも古いF-16を使用しているので、新しい機体とするならちょうどいいかも。
    サーブが一枚かんでるおかげで、ターンアラウンドは短く、運用費も安いので予算的にもやさしいかな。

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  6. 日本もt-4後継機が必要では?

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    1. 日本のT-4練習機の後継はホント、どうすんでしょうね。予算があれば、自前で作るんでしょうが、予算が厳しいだけに、安価であれば、T-Xあたりになる気もします。
      F-3の開発や海自、陸自の装備もありますしね。

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