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主張 仏独共同開発による次期戦闘機事業は失敗に終わる

(コメントは下にあります)

Aviation Week & Space Technology

Opinion: Why Franco-German Fighter Is A Very Bad Idea

仏独共同開発戦闘機事業が失敗する理由

Mar 19, 2019Richard Aboulafia | Aviation Week & Space Technology
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ランス、ドイツ両国は65百万ユーロ(74百万ドル)の契約を先月調印し、共同開発戦闘機を次世代戦闘航空装備(FCAS)として最初の二年間分の実施にあたる。これまで半世紀に渡る実施形態からの離脱となる。ドイツは英国等と共同で戦闘航空機を製作し、フランスは独自開発の道を歩んできた。だが今回は英国のEU離脱がひきがねとなり、両国が同じ道を進むことで合意したのだ。
表面だけ見れば意味のある合意だ。ドイツ、フランス両国はエアバスの中核となっており、両国の軍がヨーロッパでは英国除けば戦闘機需要の大部分を占める。フランスの軍需産業は欧州最強である。ただ共同事業そのものに実は欠陥があり、この欠陥はかなり深刻なため同機開発そのものが立ち行かなる可能性がある。
まず、両国の外交政策、武器輸出の実態で方向性が異なる。ドイツは自国武器の購入者に注意を払う。BAEシステムズからユーロファイターのサウジアラビア向け第二次販売の発表が2月にあったが、サウジがイエメンで戦闘を展開しているためドイツは同国を独自に武器禁輸の対象にしている。


ドイツはエアバスA330-多任務給油輸送機、C-295輸送機、H145ヘリコプターの輸出も禁止している。退任迫るエアバスCEOのトム・エンダースは「エアバスにとってドイツが独自に販売禁止措置をとっていることで気が休まらない。フランスで生産したヘリコプターでドイツ製部品が入っているから輸出禁止といってくる」と La Tribune紙上で述べている。
外交政策の違いはBAEや英国にとっても問題だが、もっと影響を受けるのがフランスでありダッソーだ。このフランスの航空宇宙企業は輸出依存度が特に高いのは国内市場の規模が小さいためである。ミラージュIII/V、ミラージュF1、ミラージュ2000の各事業は輸出比率が65%にも達している。ヨーロッパ全体で生産したトーネードでは輸出は一国のみ、ユーロファイターでさえ輸出比率は24パーセントしかない。
フランス機の仕向先は大きく異なる。ミラージュF1の最大の顧客はサダム・フセインのイラクだった。アパルトヘイトの南アフリカ、カダフィのリビヤも主要顧客で、ラファールではアラブの春を経たエジプトが最初の導入国になった。ドイツならこうした各国に武器輸出を認めるとは到底考えにくい。
次に仏独共同開発とはいうもののフランス企業がめだつことだ。ダッソーが機体製造を主導し、同社はエアバスとの協力で良好な記録を残しておらず、エンジンはサフランが中心となるもののMTUに作業がゆくか不明だ。レーダー含むエイビオニクスではタレスが主契約企業になるのは確実だがここでもドイツ企業の参画ははっきりしない。
1980年代初頭にフランスは五番目のユーロファイター共同開発国になるや作業量46パーセント相当を要求したが当然ながら受け入れられなかった。
端的に言えば、FCAS事業に残る意味がドイツにあるのだろうか。わずか25パーセント相当の作業量に多大な経費負担の価値はあるのか。貢献度が小さいにもかかわらずフランスはドイツを招いて輸出ビジネスをわざわざ複雑にするのか。
2つとも解決不能かもしれない。だが欧州には次期軍用機の開発で協力の必要がある。上のグラフのように既存事業は受注量が減っていく。Saabグリペンおよびラファールは2020年代も大丈夫だが、ユーロファイターやA400Mは2020年代中に生産終了となる。Teal Group予測ではヨーロッパの軍用機生産は10年後までに6割超減少する。欧州の防衛産業は新規事業がないと大打撃を受ける。
解決は単純だ。FCASはブレグジットの悪夢から生まれた発作反応と見るればよい。ブレグジット問題が落ちつけば、歴史は普通のコースに戻り、イタリアやスウェーデンも加わるだろう。フランスについて言えば単独で事業を進めるのが良いことは歴史が証明しているとおりだ。■
Contributing columnist Richard Aboulafia is vice president of analysis at Teal Group. He is based in Washington.  
The views expressed are not necessarily shared by Aviation Week.

ヨーロッパがどんどんだめになっていく気がするのですが、こと軍用機に関する限りアメリカ製装備を排除したくて独自に開発するものの結果として非常に高価なのに使えない機体ばかり作っている気がするのですが。ヨーロッパの理屈でしか使えない機材を整備してそれでいいのでしょうか。そういえばF-35導入を主張しドイツ空軍制服組トップが更迭されていましたが、ヨーロッパ優先を唱える政治家の餌食になったのですね。

コメント

  1. 題目を見て、この前発表された仏独共同開発戦闘機事業が、もう破綻したのかと思いました。唯の記者の見解なんですね。記事の内容自体も、独仏で仕事の分配などがうまく進むとは、過去の事例から見ても想像していないので、こういう問題もあり得るねという感想です。

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  2. イタリアはLeonardoがTEMPESTプログラムに参画しているので、極右的な政権にとっても仏独のプログラムより参加しやすいですよね。

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