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☆デプチュラ中将の考えるF-2後継機種は....F-3ではありません

デプチュラ中将の論点は極めて明確ですが、明確すぎて国産F-3の夢を捨てきれない人たちにはブーイングされそうですね。空軍力が確かに国防の第一線であるのですが、中国が日本に挑戦するとすれば航空機だけではないはずです。ミサイル、サイバー、工作員、海の民兵、など多様なはずで、論考はあくまでも航空機の分野に限られていることに要注意です。サイバーや宇宙も含めると航空自衛隊と言う名称が限界にきているのかもしれません。航空宇宙自衛隊JASSDFにしてはどうでしょうか。それはともかく、厄介な隣国である中国に対して日本がどうしても譲れないのは領土はともかく思想・表現の自由など基本的人権を尊重する仕組みの堅持であり、資本主義といいながら高度に社会を大事にするシステムを守ることではないでしょうか。


The Japanese Air Force Needs an Upgrade 航空自衛隊の戦力整備が必要



Faced with China’s increasing aggression, Japan must invest in fifth-generation fighter jets to deter Beijing’s expansion.中国の脅威増加に対応して日本は第5世代戦闘機を整備し中国の野望を抑えるべきだ



BY DAVID A. DEPTULA | MARCH 18, 2019, 5:45 AM


Japanese Prime Minister Shinzo Abe (C) leaves after an inspection of a mock-up F35A fighter  during a review ceremony at the Japan Air Self-Defense Force's Hyakuri air base Ibaraki prefecture on Oct. 26, 2014.
F-35A戦闘機モックアップを茨城県百里航空自衛隊基地で視察する安倍晋三首相。 Oct. 26, 2014. (KAZUHIRO NOGI/AFP/GETTY IMAGES)

本の安全保障を根本から揺るがしかねない決断にまもなく迫られる。運用中のF-2戦闘機の後継機種選定だ。日本にしのびよる脅威がある。中国だ。中国が太平洋全域で強気になる背景に軍事力増強の進展が早いこと、最新装備の配備があり、決断に誤りは許されない。


日本は充分な抑止力整備で脅威へ対抗すべきだが、同時に有事に勝利をおさめるべく戦力拡充の必要もある。


このため高性能戦闘機、レーダーに探知されないステルス技術、高性能センサー、データ処理能力、安全にリアルタイム通信出来る能力に予算を回すべきだ。こうした性能をひとまとめに「第5世代」航空優勢戦闘機と呼ぶ。F-2後継機種にこうした性能が不可欠だ。ひとつでも不十分な性能のままだと日本はたちまち不利な立場になり第5世代機による兵力投射環境に対応できなくなる。


日本が147機のF-35を予定通り導入しても2030年までに中国の第5世代機は日本の二倍の規模になると予測される。日本の裏庭で中国が軍事力を増強しており日本も空軍力整備を最大規模で進めるべきだ。


周辺国への中国の脅威は現実のものだ。このままの流れを許せば、中国はさらに国際秩序を無視し領土所有に走るだろう。中国は南シナ海で実効支配地区を拡大し、1982年の国連海洋法を無視している。このために中国は3,200エイカー超の人工島を造成し軍事施設、センサー、航空基地、長距離対艦ミサイル陣地を構築した。


日本にとって気がかりなのはこの戦術が南シナ海に限定されず、中国は実効支配地区を東シナ海でも確保しようとしており、尖閣諸島の領有権をめぐり日本と対立し、沿岸警備隊艦艇や軍用機の哨戒を展開している。中国の目標は明白だ。日本の主権をなしくずしにするべく、継続かつ目に見える形で軍事圧力をかける。南シナ海のように中国の軍事プレゼンスが黙認されれば、即座に恒久的なプレゼンスとなり周辺国も事実上認めざるをえなくになる。


米国防総省は2018年の年次報告で中国の軍事戦略を「積極的防衛」で、「作戦上は攻撃姿勢」と記した。中国が国際規範を遵守するのであればこの表現で妥当と言える。だが中国が一方的に支配圏を拡大しておきながら軍事力で堂々と防御するのは受け入れがたい。2013年11月に中国が防空識別圏ADIZを拡大し、一部は国際的に認知されている日本のADIZと東シナ海上空で重複したが、これが中国の長期的姿勢を示している。


中国の野望を支えるのが人民解放軍空軍 (PLAAF)が運用する戦闘機1,700爆撃機400、輸送機475、特殊任務用途機115という数字だ。


これに対し米空軍の規模は戦闘機1,900、爆撃機157、輸送機570、特殊任務機140を世界に展開中であり、太平洋だけではない。中国は戦闘機材の近代化に注力し、Su-27やSu-30を原型とする第4世代機、国産J-10などを整備している。


第5世代機二型式のJ-20、J-31は米日両国の第4世代機部隊の強敵になりそうだ。推定では2030年までに中国は第5世代機を200ないし500機整備する。そうなると日本がF-35を予定通り調達しても数的に圧倒される。


さらに中国は高性能地対空ミサイルを配備し戦力を上乗せする。長距離攻撃手段整備を優先しており、2016年にPLAAF司令官(当時)馬騎天Ma Xiaotianが新型ステルス長距離爆撃機を開発中と発表した。米国防総省推定では同機は早ければ2025年に登場し、航続距離5千マイルと日本全土を攻撃範囲に収め脅威水準を文字通り破滅的な段階に押し上げるだろう。


中国軍事力に対抗し日本は防衛体制整備に注力し非対称的優位性の実現をめざすべきだ。日本の防衛と抑止力の第一線は航空自衛隊でありこれ以上に重要な存在はない。最新鋭第5世代戦闘機の導入が不可欠であるのは太平洋が広大で充分なペイロードがないと戦闘に対応できないからだ。中国が南シナ海で強硬になったのはまともな抵抗がなかったためだ。各国が非難を強め外交手段に訴えても中国が失う代償はごくわずかであり中国は喜んで支払う。日本は同じ手口にひっかかってはいけない。充分な戦力整備が中国の動きを制する唯一の手段だ。


このため日本のF-2(90機)の更新機材探しは重要だ。脅威環境に対応が難しくなってきたF-2は2030年代中頃に退役する。後継機に第四世代機の新規製造F-2、F-15、F-16、F/A-18、ユーロファイター・タイフーンをあてるのは賢明な選択と言い難い。中国が第4世代機で圧倒するからだ。


こうした機材で性能改修しても、ミッションを実行し無事帰還を裏付けるステルス性能がないことにかわりない。中国が第5世代機二型式の運用に向かいステルス爆撃機までも実用化する中で日本防衛の選択肢にならない。


幸いにも防衛省はF-2後継機として国産ステルス戦闘機の開発案を三菱重工業中心に検討している。さらに欧州との共同事業として英国主導のテンペストなど国際開発する案、米国の支援のもと第5世代機として既存機種の性能を織り込む派生型を世界最高性能の戦闘機とする案もある。


最初の二案は実現性で難がある。国際のF-2後継機は高コスト高リスクが技術開発上で心配される。欧州との協力事業では開発経費の抑制が実現するがあと10年で作戦投入できるかリスクもある。


ヨーロッパに第5世代機開発の実績はない。試作機さえもなく、生産ラインも存在しない。また新型機の開発生産を後押しする政治的支援もまだ未成立だ。中国が積極的に第5世代機の配備を進める中、欧州と組んでも時間の成約の中で日本に利点は生まれにくい。


対照的に「ハイブリッド」第5世代派生型機材の提案がロッキード・マーティンからありF-22ラプター、F-35ライトニングIIの実証済み技術を盛り込むとある。ステルスやデータ融合に加え日本特有の条件に合わせ、航続距離の増加で航空自衛隊の哨戒時間を空中給油なくても伸ばす事が可能だろう。


ハイブリッド構想が費用対効果と製造リードタイムで最も有望で、中国の脅威に対抗しながら日本が発注したF-35の147機も活用できる。さらに第5世代ハイブリッド機は日本の用途に合わせた機体になり、日本中心で生産できる。南シナ海での中国の台頭は無作為から生まれた痛い結果だ。これ以上の中国の横暴な動きを太平洋で食い止め日本の領土領海領空を守るべく実行力ある抑止力を実現するには予算と研究はよく考えて行う必要がある。


第5世代機はこの投資の重要部分となる。力の裏付けがある平和は確かだ。第5世代ハイブリッド戦闘機こそ日本の平和を実現する手段となる。


中国の兵力投射は空と海が中心だ。高性能第5世代ハイブリッドなら中国の兵力投射を迅速かつ決定的に打破できる。中国の脅威に全面的に対抗する実力が航空自衛隊に備われば、中国は侵攻を断念せざるを得なくなる。仮に誤算で戦火を開いても日本パイロットは第5世代ハイブリッド戦闘機でミッションを実施し無事帰還できるはずだ。■
David A. Deptula is a retired U.S. Air Force lieutenant general who previously commanded the joint force air component war-fighting headquarters of Pacific Command, served as vice commander of Pacific Air Forces, was stationed in Japan from 1979 to 1983 as an F-15 pilot, and is currently the dean of the Mitchell Institute for Aerospace Studies. Twitter: @Deptula_David

コメント

  1. 去年の9月の記事でも出てきた人物だが要するにF-22復活の夢を捨てきれない人。
    F-22+F-35案はとっくに否定されておりもはや考慮の対象外。
    そんなものに資金投入しても出来上がるのは少し脚が速くなったF-35に過ぎず、稼働率の低さやランニングコストの高さを考えれば総合性能でF-35以下のモノに成り下がる可能性すらありお話にならない。
    もしもF-3の開発が頓挫したとしてもこんなものに投資するくらいならその予算でF-35をもう100機追加した方がまし。

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  2. 「高性能戦闘機、レーダーに探知されないステルス技術、高性能センサー、データ処理能力、安全にリアルタイム通信出来る能力に予算を回すべき」「中国軍事力に対抗し日本は防衛体制整備に注力し非対称的優位性の実現をめざすべき」
    →これらのご指摘は尤もです。戦闘機だけでは戦争はできませんから。

    「ハイブリッド第5世代派生型機材の提案がロッキード・マーティンからありF-22ラプター、F-35ライトニングIIの実証済み技術を盛り込む」「日本が発注したF-35の147機も活用できる」
    →これも有効な案です。膨大な実戦データを持つ米国と、戦争していない日本では、持っている情報量が違い過ぎますから、作れる戦闘機も違ってしまいます。また、日本に配備することが決まったF-35とのデータリンクも重要な武器になりますね。

    日本はようやく自前のジェットエンジンを作り上げ、他の要素技術も目処が立ちそうな状況ですから、ほぼ国産で作りたいですし、作りたいと思いますが、中国の軍拡の勢いが急激過ぎて、直ぐに実戦に投入できる機体が必要なのも事実。
    とても悩ましい選択です。政府と防衛省はどのような選択をするでしょうか?

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  3. ぼたんのちから2019年3月24日 11:25

    デプチュラ中将の論理は、空軍の予算獲得で使われるものだ。
    中国軍用機の技術的進歩と機数をあげて、今にも侵攻してくると危機をあおる。そして高性能の戦闘機を十分配備すべきだとなる。この記事はさらに日本のF-3開発案の、自主開発や欧州との共同開発をこきおろし、F-22とF-35の良いとこ取りを推奨する。
    だが、冷静に見る必要がある。
    中国のステルス機はどの程度の実用性があるのか、第4世代機のうち海を越えて来襲できる機数がどの位か、ステルス爆撃機はいつ出現するのか等々、中国空軍の正確な評価が求められる。
    さらに現有機、F-22とF-35の問題点、特に稼働率の低さは、機数の多さでカバーできない日本空軍にとって大きな問題であろう。米国製機材の自主改善ができない場合、日本の努力で稼働率を上げようとしても限界がある。日本が行うF-35の追加調達のうち、F-35Aは、本当に調達機数に相当する戦力となるか疑問だ。部品は全て輸入となるのも障害になる。
    F-22とF-35のハイブリッドも大きな問題がある。それはコストであり、冷や汗が出るほどの費用がかかるであろうし、機体改造も限定的とならざるを得ない。
    日本の自主開発の遅延で空軍力に穴が開くのなら、つなぎで安価で整備し易くタフなグリペンのような戦闘機を導入する方がましではないか。F-15Jの改造も良い選択である。F-15Jの改修対象となっていない古い機材もボーイングは改修できると発言している。寿命延長と最小限のアビオニクスの高度化だけでも良いはずだ。

    返信削除
  4. 現状で国産にこだわるのは、ナンセンスでしょう。電子部品を含む資材はほとんど輸入に頼らざるおえません。
    特に電子部品などは、国産などは、壊滅状態ですし、なにが国産だと言う状況です。
    電子部品は、重要部品ほど、代替品は見つけずらいです。
    この状態で、国産戦闘機は、空自、三菱とマニアのためだけに存在するのでは。
    90機の需要で、一周遅れの5世代機もどきなどは、必要ないでしょう。X-2を見てもまともなステルス機を開発できそうにないと感じています。

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    1. 万が一、軍事紛争に突入したら、軍事装備は激しく消耗します。そんな物を輸入に頼るだけの考えでは、直ぐに抵抗することすらできなくなるでしょう。当たり前ですが、戦争になれば、相手の輸出入を止める策は定番の戦略です。そして、そのような事態に備えるのが安全保障です。

      「一周遅れの5世代機もどき」「X-2を見てもまともなステルス機を開発できそうにない」
      どこから第五世代機が周回遅れになるという考えが出て来るのかわかりません。
      米国でも未だ「第六世代機とは何か?」が明確になっていません。ロシアや中国は未だ未完成です。日本は既に個々の要素技術を開発し続け、各々目処が立ち始めているのに、「今から作っても無駄」と言える根拠が不明です。

      削除
    2. 輸出入が止められたら、そもそも部品が入手出来ずに生産などは、無理でしょう。電子部品は大部分が輸入で、国内の流通在庫でなんとかなるとは思えません。
      コンピューターもデータリンクもないようなものでしたら可能でしょうか?
      紛争がはじまってからの生産などは、無理でしょう。どれだけ長期戦ですか?
      日本の生産ラインだと、急な増産などは無理でしょう。家内性手工業のようなものですから。紛争開始から、生産など、WW2まででしょう。基本は、開始時の手持ちでなんとかするしかないのではないでしょうか。アメリカでさえ、ミサイルなどのPGMなどは、備蓄を使用していて、補充が間に合いませんでした。
      そのような長期戦には、そもそも自衛隊では無理があり、そのような場合は、米軍ありきにならざるおえないと考えます。長期戦を考えるなら、できるだけ米軍と互換性を取った方がいいでしょう。
      F-3が周回遅れの意味は、開発が終わる頃は、米国は予定では6世代機開発中でしょうから、今さら、5世代機という意味であり、さらに、F-35を超える機体を開発できるとは、思えないので、周回遅れとしました。

      削除
    3. ご連絡ありがとうございます。ご指摘の点、ご尤もと思います。
      現状では部品の全てが国内で作れるわけも無く、米軍との互換性を優先すべきというご意見は現実的だと思います。
      しかし、米軍に依存し過ぎる今の安全保障体制のままでは、我が国の独立性が損なわれがちになりやすく、これを少しずつでも国内の軍事産業を自立させ、自前で軍事装備を作れる状態に移行させることは、今の軍事面のみならず、政治、経済面での大き過ぎる米国の影響力を緩和させ、自主的な政策、経済活動につながる道の一つと思っております。
      F-3については、今までの個別の開発の成果で、少なくともステルスや高性能AESAレーダー、長い航続距離などの要件を満たせる第五世代機を十分に作れる準備が出来ているものと考えており、この開発で得た知見は、後の軍事装備品の開発や民生品開発にも役立つと思っております。
      私としては、F-3で日本の軍事産業の現在地を確認し、将来につなげたいと願っています。

      削除
    4. 第6世代はまだ概念すら固まっておらず現状では言葉遊びに過ぎない上に完成したとしてもF-22の輸出を認めなかった米議会が第6世代の輸出を認めるかはかなり怪しい。
      なのでF-3の開発を諦めるとF-35の次の戦闘機の目算が立たなくなる。
      あと比較対象は中露の新型機であって連中が第6世代を開発しない限り周回遅れにはならんよ。

      削除
    5. ぼたんのちから2019年3月25日 9:49

      F-35の稼働率の低さの原因の一つは部品の供給であり、部品は複数の国で生産されています。平時でさえ部品供給が順調でないので、戦時はもっと不都合な事態が起きるでしょう。
      設計を自国で行い、部品製造の多くも自国で製造していると、代替品も含め供給に柔軟性が生まれます。つまり、何とかできる可能性が高まります。全ての部品が輸入であるF-35のような場合は、これができません。
      F-3開発にあたり、自国製造にこだわる主たる理由は、将来、日本と米国との関係が変わる可能性が無いとは言えないことだと考えています。米国は、同盟国に対し厳しい姿勢に変わりつつあります。これは現政権特有の問題でないと考えます。今後も軍事面で米国に依存し続けることはできないかもしれません。また、国際政治は大きく動いています。米国の政策も大きく変わる可能性があります。
      米国との関係が悪化し、部品供給が滞ると、日本の空を防衛する航空機がない等の事態は避けるべきです。
      F-3の開発でF-35を越える機体になる必要は全くなく、比較する必要もないと、個人的に考えています。F-35の主要な使用目的の一つは、ステルス性を生かした敵国侵攻ですが、日本はここまで必要ないと考えます。F-3の開発では、あくまで日本の使用目的に合ったものにすべきであるし、自主、あるいは日本主導の開発はこれが可能となります。

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