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CSISによる米中戦シミュレーション:西側はかろうじて台湾防衛に成功するものの、大きな代償を払う。だから、こうした事態を防ぐため抑止力整備が必要だ。

台湾をめぐる米中軍事衝突が発生した場合のCSISシミュレーションで悲惨な姿が見えてきた

 


国は死傷者何千人を出すが、最終的には勝利する。これはで、2026年に中国が台湾へ水陸両用侵攻を試みるシナリオでのウォーゲーム24回試行の結論だ。

 ウォーゲームは、民間や軍の意思決定者が戦略を試す一般的な方法だ。多くの場合、高度に機密化されており、その結論、方法論、前提が公に詳しく説明されることはない。

 しかし、台湾がワシントンと北京の間の大きな争点として浮上してきたため、CSISはその結果と方法論を公表するという異例の措置をとった。

 CSISが発表した演習の要約には、「機密扱いウォーゲームは国民に透明でない」と書かれている。「適切な分析がなければ、公開討論が成立しない 」と。

 スミス・リチャードソン財団より資金提供を受けた今回のウォーゲームは、多様な参加者とともに、各種シナリオを検討した。ウォーゲームのルールは、理論的な兵器性能を含む歴史的データと研究に基づいたもの。

 北京が軍備を増強し、自治領である台湾を強制的に中国本土に統合させようとしているため、米国の議員、当局者、オブザーバーは、インド太平洋での軍事衝突への懸念を強めている。国防総省は新国防戦略で中国を「ペースメーカー」の課題に挙げた。しかし、台湾をめぐる戦争で米軍がどのように戦うのかは、これまで不明であった。

 国防総省によるウォーゲームは政策に影響を与え、軍事戦略を形成するもので、高解像度画像や米軍、同盟国、敵国の装備に関する機密情報などの情報評価や非公開データを利用する。しかし、CSIS報告書では、機密扱いのウォーゲームの「仮定と結果さえも一般には不透明」と指摘している。

 ミッチェル航空宇宙研究所の所長であり、ウォーゲームに参加した退役米空軍中将デビッド・A・デプチュラretired USAF Lt. Gen. David A. Deptulaは、「おそらく最も重要なことは、今回のウォーゲームを公開で行ったことだ」と述べた。「このゲームでは、通常、機密事項として扱われるため、議論されることのない結果について、開かれた議論と対話が可能になった」と述べた。

 24回繰り返されたゲームでは、両軍の消耗が激しく、米軍の水上艦や航空機が大量に失われ、長距離精密誘導弾がすぐに枯渇する悲痛な結果が示された。日本に駐留する米軍を攻撃すれば、日本は即座に紛争に巻き込まれる。

 「ほとんどのシナリオで、米国/台湾/日本は中国による通常型の水陸両用侵攻を撃退し、台湾の自治を維持した。しかし、防衛には高いコストがかかる」と、著者のマーク・カンシアン、マシュー・カンシアン、エリック・ヘギンボサムMark Cancian, Matthew Cancian, and Eric HeginbothamはCSIS報告書に記している。「米国と同盟国は、何十隻もの艦船、何百機もの航空機、そして何万人もの軍人を失った。台湾は経済的な打撃を受けた。さらに、この大きな損失は、長年にわたって米国の世界的な地位を損なう結果を生んだ」。

 2022年のピューリサーチセンターの世論調査によると、アメリカ人の86%が中国の軍事力を「やや深刻」または「非常に深刻」な問題ととらえている。台湾と中国の緊張関係についても82パーセントが同様に感じている。

 しかし、中国との紛争がどのような事態を招くか、米国に流血と財産の犠牲をもたらす可能性があるかについては、一般にはほとんど知られていない。

 「空母打撃群が太平洋に沈むような損失を、米国は国家として受け入れる準備ができているのだろうか。私たちは長い間、国家としてそのような損失に直面する必要はなかった」。新アメリカ安全保障センターのゲームラボの責任者で、今回のウォーゲームに参加したベッカ・ワッサーBecca Wasserは、次のように語ってる。「インド太平洋で効果的に抑止するためには、最悪のシナリオに備える必要があり、そのためには、今、変化を起こす必要がある」。

 CSIS報告書によると、アメリカは、AGM-158C長距離対艦ミサイル(LRASM)のような長距離精密兵器の供給に早急に対処し、より分散した空軍基地での運用に備え、航空機用シェルターを強化し、爆撃機戦力を強化しなければならない、などの提言が見られる。

 「準備不足のままで、国民が目を覚ますには損失が必要であり、できれば修正する時間が欲しい」とデプチュラは述べた。

さらにワッサーはこう言った。「戦争が起こってほしいからではなく、戦争が起こらないようにするため、戦争を演じようとしている」。■

 

 

CSIS Simulation Offers a Rare Look at US-China Clash over Taiwan and the World of Wargaming | Air & Space Forces Magazine

Jan. 9, 2023 | By Chris Gordon

 


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