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高ステルス性能で無尾翼の未来型戦闘機コンセプトらしきものが中国に現れた
戦闘機サイズの無尾翼機コンセプトと思われる興味深い写真が中国のソーシャルメディアに出ている。画像が正当なもので、将来の戦闘機のコンセプトや試作機ならば、中国が第6世代戦闘機の無尾翼構成に注目していること、あるいはこの種の設計が集中的に研究されていることを示唆する証拠だ。2021年10月に中国最大の戦闘機メーカーの飛行場に、非常によく似た外観の機体が現れていた。The War Zonがこの謎の多い機体について最初に報道した。
中国のマイクロブログサイト「Weibo」に投稿された写真は、いつどこで撮影されたのか、何を写したのか、まだ詳細は不明だ。写真では、スーツ姿の幹部らしき人々が、スロットル+サイドスティック・コントローラー、ヘッドアップディスプレイを備えた代表的なCGコックピットと思われる大型コンピュータ・スクリーンなど、かなり基本的なフライトシミュレータらしきものの周りに立っている。
しかし、最も興味深いのは、この疑似コックピット上の3つの大きなモニターです。左側のモニターは遮蔽され、中央モニターには無尾翼機の画像が映し出されている(低解像度のため、CGなのか実際の飛行体かは不明)。右側画面にも同じ画像が表示され、CGで作られたコックピットとともに、他のフレームが表示されているが、はっきりしたことは不明だ。
モニターに映し出された無尾翼機コンセプトをクローズアップしてみた via Twitter
背景には、大きなドーム型フライトシミュレータのようなものがあり、椅子に座った人が実際に内部で実行されているフルモーションシミュレーションを操作しているらしい。この場合、モニター表示は、ドーム内の飛行シミュレーションや、シミュレーターのワークステーションで制御されている攻撃者または他のプレイヤーの視点を提供しているのだろう。
特に興味をそそるのは、背景のドーム型シミュレーターに、中国航空工業集団公司(AVIC)の紋章が描かれていることだ。同国営コングロマリットは、中国の主要な航空宇宙産業のほとんどを担っている。中国語の文章には、人間工学の設計・評価ラボとある。もしそうだとすると、このシミュレーション作業は、無尾翼機の空力特性より、将来の戦闘機のコックピットやインターフェース機能の開発に関連しているのか。
また写真は上海にある中国航空無線電子研究所を撮影したもので、同施設がAVICと将来の戦闘機を研究しているとの指摘もある。一方、無尾翼のデザインは、将来の戦闘機の外観の大まかな印象を与える「プレースホルダー」コンセプトの可能性もあるが、全く別のプログラムに関連している可能性もある。
写真が示すシミュレーションや評価の種類が何であれ、無尾翼デルタ翼のデザインが中国の次期戦闘機のトップコンフィギュレーションの可能性が高い証拠だ。
2021年10月に成都飛機公司(CAC)の工場飛行場の衛星画像に登場した謎の無尾翼機が確認されている。同機は、比較的薄い機首部分を持つ大きな修正ダイヤモンドのようなデルタ平面形であり、相当の翼幅を持ち、J-20と大まかに似ていた。
2021年10月、CAC工場飛行場の衛星画像に映る菱形の無尾翼機。 PHOTO © 2021 PLANET LABS INC. ALL RIGHTS RESERVED. REPRINTED BY PERMISSION
同機がデモ機やモックアップの可能性もあり、中国の第6世代戦闘機計画に関連している可能性も十分あるが、確かなことは分からない。CACは中国の2大戦闘機メーカーの1つで、単発J-10戦闘機とステルス戦闘機のJ-20を製造している。第6世代戦闘機開発の最有力候補として、長く注目されている。
無尾翼戦闘機のコンセプトは中国の学術論文にも登場し、中国の航空宇宙設計界に深く浸透していることがうかがえる。非公式レベルでも、無尾翼戦闘機のコンセプトが描かれたアート作品が中国で頻繁に登場している。
戦術機の無尾翼化には賛否両論ある。最大の利点は、周波数が異なる各種レーダーに対し、広帯域低観測性をもたらすことだ。同時に、側面や背面からのレーダー信号も大幅に削減される。全体として空気抵抗が減少し、高速ダッシュや巡航飛行の持続性が向上する。さらに、アジア太平洋地域における長距離飛行と戦闘継続性で重要な、燃料と武器を搭載用の大きな内部容積が得られることも、大きな利点となるのは間違いない。
だが無尾翼構成は操縦性に悪影響を及ぼす可能性があり、高度なフライ・バイ・ワイヤーのデジタル飛行制御技術が必要となり、敏捷性を得るためには推力偏向エンジンも必要だろう。
しかし、これらの問題に対処できれば、無尾翼の戦術戦闘機は、少なくとも現在運用中の戦闘機と比較し、航続距離、積載量、速度、低観測性の各面で大進歩をもたらす可能性がある。
中国が何らかの第6世代戦闘機の開発に取り組んでいることは秘密とは言い難い。昨年9月、ACC(航空戦闘司令部)のトップであるマーク・D・ケリー大将は、中国が米空軍の次世代航空優勢計画(NGAD)の対抗策を開発中と確認した。
ケリー大将は、中国の取り組みは、米空軍と同じく「システム・オブ・システム」アプローチと予想している、と述べていた。
中国が将来の戦闘機について口を閉ざしている一方で、米空軍もまた、敵対国の第6世代空戦計画について知っていることを明らかにしていない。ケリー大将発言の1つは、出現が予想されるプラットフォームは、現在の中国機と比較してステルス性が「指数関数的に」向上することだ。無尾翼形状がそれを達成するための1つの方法かもしれない。
米国企業や米空軍がこれまでに発表してきたNGADコンセプトのレンダリングが無尾翼のデザイン中心であることは、驚くことではない。
ロッキード・マーチンによる無尾翼のNGADの想定デザイン。 Lockheed Martin
中国の将来の空戦エコシステムの有人戦闘機がいつ現れるかは不明だ。
2019年のインタビューで、CACの設計主任Wang Haifengは、2035年頃の就航を目指すプロジェクトについて説明している。このことは、遅くとも2020年代末に初飛行が期待できそうだと示唆している。
ケリー将軍はその後、中国も米空軍NGADと大まかに似た開発スケジュールだと示唆しており、これはまた、別の有人戦闘機のテストがAVIC子会社で順調に進行していることを示唆しているようだ。
テストには、有人戦闘機の各種構成が含まれることはほぼ確実で、サブスケールとフルサイズ両方の実証機を含む可能性が非常に高い。そのひとつが、2019年に成都で目撃された可能性が高く、今回は同様のコンセプトがCGで再び登場したのか。
無尾翼の有人戦闘機が最終的にこれらの中心に現れるかどうかは、推測の域を出ないが、中国の将来の戦闘機と関連している可能性を示す材料は確実に増えている。■
Tailless Warplane Concept May Provide Clues To China’s Future Fighter Ambitions
BYTHOMAS NEWDICK|PUBLISHED JAN 18, 2023 5:37 PM
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